旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2016年12月16日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

ローマ時代の温泉の町、イギリス・バースのクリスマスマーケット

町の中心、バース修道院の周辺。zoom
町の中心、バース修道院の周辺。
今の季節、ヨーロッパ各国のあちこちで催されるクリスマスマーケット。イルミネーションに飾られた街並みにオーナメント、キャンドルやクリスマスプレゼント用の雑貨を売る店、温かい食べ物を提供する屋台も並び、街中がキラキラと輝きます。そんなヨーロッパのクリスマスマーケットを、初めて訪ねました。場所はイギリス中部、ロンドンから電車で約1時間30分ほどのバースです。

ここは紀元前1世紀のローマ時代から温泉町として知られ、18世紀には上流階級の貴族たちが集まる高級リゾートとして栄えました。英語でお風呂を意味する『Bath(バス)』は、この町が語源になっています。つまり、お風呂発祥の地のようなところなのです。
バース・スパ駅前にもツリーがお目見え。ジョージ王朝時代の街並みをイルミネーションが彩ります。zoom
バース・スパ駅前にもツリーがお目見え。ジョージ王朝時代の街並みをイルミネーションが彩ります。
クリスマスマーケットの中心は、世界遺産に登録されているRoman Baths(ローマンバス)とBath Abbey(バース修道院)周辺。ジョージ王朝時代の面影を残す優雅な建物がイルミネーションに彩られ、木造シャレーのショップ、2階建てバスを利用したカフェなど約150軒が出店します。

2階建てバスを利用したカフェも。ハンドメイドの工芸品が人気で、遠方からも多くの人が訪れます。zoom
2階建てバスを利用したカフェも。ハンドメイドの工芸品が人気で、遠方からも多くの人が訪れます。
クリスマスプレゼントを買い求める人、イルミネーションに見とれる人、カップル、家族連れなどで、氷点下まで冷え込む寒さにもかかわらず、町は大にぎわい。
 
日本ではまだあまり知られていないバースのクリスマスマーケットですが、本国のイギリスでは5本の指に入るほどの人気とか。その理由は、寒い季節に温泉観光とクリスマスショッピングの両方を楽しめること、そして上質な工芸品やアーティスト作品が揃うからだといいます。町の特産品の一つにもなっているガラス細工や手作りの革製品、キッチングッズ、アクセサリー、オーガニックの化粧品など、その9割近くがバース周辺で作られているものだそう。
町で見かけた素敵なカップル。クリスマスの街並みに良く似合っています。zoom
町で見かけた素敵なカップル。クリスマスの街並みに良く似合っています。
食べ物では、ハチミツ、ジャム、マカロンやブラウニーなどのスイーツもあれば、ソーセージ、シチューなどその場で食べられるものも。ホットワインの屋台には行列ができていました。
クリスマスマーケットといえば、ホットワイン! 温かいアップルサイダーもありました。zoom
クリスマスマーケットといえば、ホットワイン! 温かいアップルサイダーもありました。
最近では日本各地でもクリスマスマーケットが催されるようになりましたが、教会をはじめとした中世の建築物が並ぶ町のマーケットの雰囲気は特別。この景色を目に焼き付けておきたくて3日間の滞在中、何度も何度も町のなかを巡りました。
Therme Bath Spa(サーメ・バース・スパ)のルーフスパ。つまり、屋上露天風呂です。zoom
Therme Bath Spa(サーメ・バース・スパ)のルーフスパ。つまり、屋上露天風呂です。
バースのクリスマスマーケットは開催期間が11月下旬から2週間ほどで、残念ながら今年はすでに終わてしまっているけれど、来年の旅のプランのひとつに加えてみてはいかがでしょうか?

世界遺産にも登録されている温泉の町の紹介は次回改めて!
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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