旅の扉
- 【連載コラム】地球に優しい旅しよう!
- 2016年11月30日更新
- 自然と動物好きなトラベルジャーナリストの旅コラム
- travel journalist:平野 美紀
いよいよクライマックス!真田丸 ゆかりの地を歩く
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- 真田氏にとって重要な山城であった岩櫃城本丸跡
- 個人的に子供の頃から、ほぼ欠かさず見ている大河ドラマ。実は、昔から日本の歴史ファンであることをここにこっそり宣言します(笑)。
さて、その大河ドラマですが、今年度は、信州(長野県)・上田を拠点とした真田氏の中でも、勇猛果敢な戦いぶりでその名を馳せた「真田信繁(幸村)」が主人公の「真田丸」です。
もうすぐ最終回を迎える「真田丸」ですが、真田氏の故郷として、劇中にも何度となく登場する、長野県と群馬県に点在しているゆかりの地を訪ねてみました!
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- 真田昌幸が築城した上田城(現在は上田城跡公園)
- ■真田氏の本拠地となった上田城
もともと信濃国小県郡(現在の長野県東御市)が発祥の地とされる真田一族。その転換期となり、歴史の舞台にその名を大きく残すきっかけになったともいえるのが、1583年に真田信繁(幸村)の父、真田昌幸が築城した上田城です。
現在は、上田城跡公園として、寛永年間に再建された櫓などを見ることができます。私にとっては子供の頃から何度となく訪れているお城ですが、大河ドラマの舞台となった今年は、「信州上田真田丸大河ドラマ館」なども併設され、たくさんの観光客で賑わっていました。
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- 真田親子にちなんだ逸話が残る巨大な真田石
- 真田丸の時代を偲ぶものはほとんど残っていませんが、「真田石」と呼ばれる城壁に使われた大きな石や現在は「眞田神社」となっている境内の脇に残された「真田井戸」等は必見!
近隣には、数多くの真田氏ゆかりの史跡や資料館などがありますので、歴史ファンは大いに楽しめると思います。
▼上田城 上田城跡公園
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- 真田丸オープニング映像に登場する岩櫃山
- ■天然の要害、岩櫃城
15世紀に築城されたという真田氏要(かなめ)の山城のひとつ「岩櫃城」。今日では、建造物は一切なく、城の詳細な構造はわかっていません。ですが現在は、本丸があったとされる場所に碑と説明文を記した看板が立てられています。
岩櫃城のある岩櫃山は、もともと登山で人気の場所。4つの登山道があり、これまでも週末にはハイカーが訪れていたそうですが、大河ドラマの舞台ともなった今年は、新たに駐車場や案内所などが整備され、こちらもたくさんの観光客が訪れていました。
真田丸では、オープニング映像に岩櫃山が登場し、迫力ある断崖絶壁の荒々しさが印象的!
あの映像だけでも岩櫃城が、岩櫃山の地形をうまく利用した天然の要害であったことが伺えます。
歩道もよく整備されていますので、お天気のいい日にお弁当を持ってハイキングがてら城跡見学するのも楽しそうです。
▼大河ドラマ 真田丸の地 岩櫃
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- 真田信繁の長女が嫁いだ石合家(長久保宿本陣跡)
- ■真田信繁(幸村)の書状が残る長久保宿
中山道27番目の宿場「長久保宿」。この宿の本陣となった石合家に、真田信繁の長女が嫁いだことで知られています。大河ドラマ各回の最後に放映される「真田丸紀行」でも、この本陣跡が取り上げられたので、ご存じの方も多いかもしれません。
長久保は、江戸時代の宿場であった頃の面影がよく残された小さな町で、旅籠のひとつとして栄えた一福処濱屋が歴史資料館として公開されています。この資料館には、真田丸関連として、敵方となってしまった娘の嫁ぎ先へ、娘の安否を憂う信繁が送った書状の写しが展示されています。
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- 地元の人たちから温かく見守られている長久保宿歴史資料館のツバメ
- 実は、この長久保宿が、今回の「真田丸ゆかりの地めぐり」で一番印象に残っています。
というのも、親子の絆を大切にした真田信繁の想いが感じられることもさることながら、貴重な品々が展示されている資料館は、驚きの無人状態。どうぞお好きなようにご覧ください、とばかりに無料開放されていたのです。
さらに、印象を深くしたのが、入り口の注意書き。それは、ちょうど資料館の軒下にツバメが巣を作っているところで、糞が落ちてくるところに新聞紙が敷かれていることから、「ご迷惑おかけしています」といったようなツバメを気遣うメッセージだったのです! 資料館を管理する地元の方々の温かさと懐の深さがしみじみ伝わってきました。
歴史ある土地を大切に守り続けている地元の方々の想いに触れ、ほのぼのとした気持ちになれた「真田丸ゆかりの地めぐり」。興味のある方はぜひ、訪れてみてください♪
▼真田丸紀行 No.42 長野県長和町 ~長久保宿本陣跡~