旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2016年10月28日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

香港の伝説「マンダリン オリエンタル 香港」

香港の夜景に浮かび上がるマンダリン オリエンタル 香港zoom
香港の夜景に浮かび上がるマンダリン オリエンタル 香港

ビクトリアハーバーを目の前にした位置に2014年に完成した「香港摩天輪」と呼ばれる観覧車が、現在の香港島側のランドマークです。
九龍側から見ると、その奥に悠然と構えるのが今回ご紹介する「マンダリン オリエンタル 香港」です。

香港島の玄関とも言える中環=セントラルにあり、世界屈指のラグジュアリーホテルグループ マンダリン オリエンタルの発祥の地に建つ、幾度となく世界のベストホテルに選ばれてきた伝説の5つ星ホテル。
1963年にオープンし53年の歴史を持つこのホテルは、2006年のリニューアルを経て生まれ変わりました。使いやすさと重厚感を増し、世界各国のVIPも多く利用する、香港を代表する最高級ホテルであり続けています。

MTRの「中環駅」から徒歩1分なだけでなく、空港エクスプレス鉄道の終点「香港駅」からも徒歩5分程で到着するアクセスも魅力です。

ドアマンの笑顔に迎えられて入ったロビーは、歴史の重みが感じられ、スワロフスキーがふんだんに使われたシャンデリアなど洗練された美しさもあり、さすがはマンダリンと思える格調の高さです。
中2階の吹き抜けになっているクリッパーラウンジに向かう階段は雰囲気が良く、旅の想い出となる記念撮影ができそうです。

伝統と格式のあるロビー付近zoom
伝統と格式のあるロビー付近

今回宿泊したのは20階のハーバービュールーム。
部屋の落ち着いた調度品も気になるところですが、入った途端に現れるパノラマビューに圧倒されました。すぐ前に観覧車の光の輪が白く見えており、ビクトリア湾を見ながら東方向に開けています。
スターフェリーや湾を行き交う船も手に取るように見ることができました。

室内は、眺望を重視したベランダスタイルと呼ばれる構造で、アイランド型の完全に独立した使い勝手のいい洗面台とバスルームがあります。
アメニティはエルメスで統一されていました。
部屋のどこにいても、ビクトリア湾や街のスカイラインの素晴らしい景色を楽しめるように工夫された設計が光ります。

部屋で楽しめるお茶の無料サービスをお願いすると、保温かごに入れて持ってきてくれます。倒せばソファベッドとなるデイベッドに横になって、ビクトリア湾の眺望と共に、ゆったりとした気分で一息つくことができました。

ハーバービュールームzoom
ハーバービュールーム

当日は国慶節でしたので、ビクトリアハーバーで打ちあがる花火を楽しみにしていました。23分間で2万発以上の花火は、切れ目なく打ちあがり豪快です。
この様子をデイベッドに横になって眺めることができました。
10月になっても香港はまだまだ暑い日が続いていますので、エアコンの効いた室内から堪能する花火は最高の贅沢。
ハーバービュールームには、デスクに双眼鏡が用意されていますので、更に間近に火輪を楽しむことも可能です。
防音の部屋からでもお腹に響く、迫力の音と光の花火を存分に楽しむことができました。

部屋に居ながらにして楽しむ花火zoom
部屋に居ながらにして楽しむ花火

マンダリン オリエンタル 香港は、中環の繁華街の便利な場所に位置しています。
花火の後、行きたいと思っていた麺の店の場所をコンシェルジュに聞いてみました。閉店時間が迫っており、コンシェルジュが電話で確認をしてくれましたが、残念ながらオーダーストップ。
仕方なく代わりとなるおすすめの店を聞いてみると、地図で示しながら丁寧に案内してくれました。歩いて10分。「夜でも安心ですよ」と一言添えて送り出してくれました。
教えてもらった店は場所もわかりやすく、明るく清潔で、お目当ての麺も想像以上に美味しい物でした。
さすがは一流ホテルのコンシェルジュ。的確なアドバイスに感謝です。

朝食ブッフェを楽しめるのはクリッパーラウンジです。吹き抜けのロビーを見下ろせる中2階にあり、開放感のあるロケーション。
入り口に近づくと、スタッフが気づいて案内をしてくれる間合いも心地いい感じです。

ライブキッチンでは、オムレツやポーチドエッグなど卵料理をその場で調理してくれます。この前に立つと、スタッフがさりげなく近づいて来て「お嫌いな食材が無ければ全部を入れて注文なさってください」とすすめてくれました。
ホテルメイドのパンやフレッシュジュース、果物。サーモンやハム、サラダなどのコールドディッシュのコーナーも充実しています。香港らしく点心の種類も多く、どれも非常に充実した内容に加え、スタッフの細かい気配りのおかげで、大満足の朝食タイムを過ごすことができました。
このクリッパーラウンジでは、アフタヌーンティも。マンダリンオリエンタルは、数多い香港でのアフタヌーンティの中でも必ず名前があがる程の人気ですので、こちらもぜひ。

クリッパーラウンジの朝食とアフタヌーンティzoom
クリッパーラウンジの朝食とアフタヌーンティ

フォーブス トラベルガイドの5つ星に選ばれているスパ、宿泊者には24時間営業のフィットネス センター、インドア型のプールは上方階にあります。
プールには、壁面ライブビューがあり、屋上からのビクトリア湾の様子を見ながらゆったりできます。
天井の窓からは空が見えていますので気持ちがいいです。

館内に散髪屋があるのも驚きです。ザ・マンダリン バーバーのこの日は、子供のカットデーということで3組の家族が散髪に訪れていました。赤ん坊の初めてのカットも手掛けており、理容師のサインとともに切った髪を入れた額を渡してくれるサービスまであります。このように、将来の長きにわたって利用する香港エグゼクティブも多いと聞きます。

プール、スパとザ・マンダリン バーバーzoom
プール、スパとザ・マンダリン バーバー

マンダリン オリエンタル 香港内のレストランには、ミシュランで星付きの店舗が3軒もあります。
これは、世界のホテルでもここだけです。

滞在の最後には、ホテル手配の車で香港国際空港まで送ってもらいました。
電気自動車「テスラ」の滑るような乗り心地を確かめながら、ネクタイを締めた紳士なドライバーの確かな運転は満足度が高いです。

空港の出発ロビーに着くと、驚いたことにマンダリン オリエンタルの制服を着たスタッフが待っており、運転手と共に荷物を降ろしてくれました。
カートを押してチェックインカウンターヘ行き、搭乗手続きまで代行します。最後は出国する所まで機内手荷物を運んで、丁寧にお辞儀をして送り出してくれました。

ここまで終始丁寧なおもてなしで過ごせたホテルは初めてでした。最後までラグジュアリーな気分で過ごせるマンダリン オリエンタル 香港。さすが香港の誇る伝説の最高級ホテルだと、機内でその優雅な滞在時間を思い起こしていました。

マンダリン オリエンタル 香港

住所:5 Connaught Road Central, Hong Kong
電話:+852 2522 0111
HPはこちら

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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