旅の扉
- 【連載コラム】地球に優しい旅しよう!
- 2016年4月30日更新
- 自然と動物好きなトラベルジャーナリストの旅コラム
travel journalist:平野 美紀
がんばれ熊本!牡蠣が結ぶオーストラリアとの絆 ~タスマニアの絶品牡蠣と熊本
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- 殻を開けた直後の生牡蠣
- 2016年4月14日、そして16日にも震度7の大きな地震が襲い、大きな被害が出た九州・熊本。現地では今も余震が続き、周辺にお住いの方々は、不安な日々を過ごされていることと思います。
この度の地震被害で亡くなられた方に謹んでお悔やみを申し上げますと共に、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。また、一日も早い復興をお祈りしております。
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- 桜の名所100選のひとつであり、熊本のシンボル「熊本城」
- ■世界の食通を唸らせる牡蠣「クマモト」
巨大地震に襲われたのが「KUMAMOTO(クマモト)」と聞いて、世界中の食通がざわめきました。
この時、食通達の間で頭の中によぎったもの、それは、牡蠣!
海外で最高級クラスとして知られている牡蠣の品種のひとつ「Kumamoto Oysters(クマモト・オイスター)」。
その名の由来はもちろん、日本の熊本です。
終戦後、日本からアメリカへ渡った種牡蠣が、熊本産だったことから命名され、世界へと広まっていきました。
こうして海を渡った日本の種牡蠣を日本国外の気候風土に合うよう品種改良したのが、現在オーストラリアでも生産され、高い評価を得ている「パシフィック・オイスター」です。
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- 世界的にも評価が高いタスマニアの牡蠣
- ■オーストラリア一の牡蠣産地タスマニアと熊本
オーストラリアでは、地元の岩牡蠣をはじめ、様々な種類の牡蠣が国内各地で生産されていますが、中でも国内有数の牡蠣産地として知られ、世界各地へと輸出されているのが、タスマニアの牡蠣です。
タスマニアの牡蠣は、冷たい南極海からの豊富なプランクトンで育つため、味が濃厚で驚くほどクリーミー!
世界の高級レストランが採用するほどの最高級品質が自慢です。
ぷりっとした身で食べ応えがあり、口に含むとじゅわじゅわ~と潮の香りが広がります。
ちなみにオーストラリアでは、牡蠣は一年中食べられますので、いつでも旬!
そんなタスマニアの牡蠣養殖も、第二次世界大戦後に、日本の宮城、広島、そして、熊本から輸入された種牡蠣から始まりました。
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- 日本人に人気の牡蠣フライもこの通り!
- ■タスマニアの牡蠣を堪能できるとっておきの場所
タスマニアでとれた産直シーフードをお腹いっぱい食べられるグルメ・スポットとして、地元オージーにも人気なのが、ホバート空港の近くにある「バリラ・ベイ・オイスターズ Barilla Bay Oysters」です。
ここは、牡蠣を養殖しているオイスター・ファームですので、採れたての牡蠣が味わえるのはもちろん、オイスター・ファームならではのオリジナル・メニューもずらり!
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- 大粒の牡蠣を仕込んだ黒ビール(スタウト)「牡蠣ビール」
- 一度試してみたいのが、採れたて牡蠣を使った「牡蠣ビール」。
牡蠣のエキスと大粒の牡蠣を仕込んだ黒ビール(スタウト)は、ほろ苦さと牡蠣の旨みが絶妙にマッチし、飲むだけで元気になれそうな、濃厚で芳醇な味わいです。
また、バリラ・ベイ・オイスターズでは、牡蠣の養殖行程を見学できるファーム・ツアーも行っていますので、牡蠣好きなら必見!
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- オイスター・ファームを一望できる「バリラ・ベイ・オイスターズ」のレストラン
- 最近では、日本の牡蠣養殖業者がタスマニアへ研修に訪れたり、オーストラリア大使館主催の牡蠣養殖技術セミナーや交流会が開かれたりと、業界の交流も盛ん。
「クマモト」発祥の地である熊本では、クマモト種の養殖復活に力を入れる人々も増えているそうです。
牡蠣が結ぶオーストラリアと日本。
牡蠣を通じて深まる交流が、これからも絶えずに続くことを願うと共に、熊本の一日も早い復興を願ってやみません。
▼クマモトオイスターのお話 - 熊本県
▼Farmers visit Australia for oyster tip (Jun 24, 2014 Japan Times) ※日本の牡蠣養殖業者がタスマニアを訪問した時のニュース記事