旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライター岩佐 史絵
  • 2016年2月10日更新
贅沢☆旅スタイル
Writer:岩佐 史絵

”ふつうに”過ごすNY ぶらりん旅その1

この位置からマンハッタンを見ることも少ないが、いかにもマンハッタンな夜景zoom
この位置からマンハッタンを見ることも少ないが、いかにもマンハッタンな夜景
ニューヨーク(NY)は久しぶりだ。東京やロンドンと同様、いつ行ってもなにかしら新しい流行があり、トレンドスポットも常に様変わり。そろそろ頭打ちなんじゃないの? なんて意見は耳にしたことがない。そんなNY、今回はあてもなくNY在住の友とぶらりしてみた。
特になにをする、というのでもないのである。自分の住む町で友と会うときってこんな感じじゃないだろうか。カフェで待ち合せをしておしゃべり。そのままぶらぶらお店を冷やかしながら散策して、そのとき気になっている映画かなにかがあれば一緒に見に行き、食事をして……。そんなふうに、“特別感”のないNY散策である。
タコのグリル。ギリシャ料理は初めてだったが、日本人にはかなりなじみやすい味かもzoom
タコのグリル。ギリシャ料理は初めてだったが、日本人にはかなりなじみやすい味かも
東京では代々木公園によく行くあたくし。NYでは行き先はセントラルパーク、と言いたいところだが友の犬の散歩に付き合ってアストリア公園へ。クイーンズ地区にある公園で、セントラルパークほどの規模ではないが地元の人々が散歩やマラソンなどでよく訪れる。対岸にマンハッタン島を望むところもなかなかナイス。ジモティならではの落ち着きがあり、犬の散歩やジョギングはもちろん、たとえば仕事の帰りなどにほっと一息つく“いつもの”感がある。なにがすごいって、ここは蛍が見られることがあるそうで、大都会の中のオアシス的な存在でもある。残念ながらあたくしの腕では蛍の写真は撮れなかったけれども。
いや~、夜景を見るためにわざわざアストリアまで行かないでしょ。というアナタのために、一軒、とっておきをご紹介。アストリアはもともとギリシャ系の移民が多いということもあり、ここにはマンハッタンからもわざわざ足を運ぶ人も多いというギリシャ料理屋があるのだ。Taverna Kycladesは半分アウトドア、半分インドアとなっているが、人気があるのは断然アウトドア席。季節にもよるが、月曜日から満席になるほどの人気なので、早い時間にでかけることをおすすめする。
ギリシャワイン! スタッフのギリシャ系のお兄さんがこれまたすっごいイケメンだった!zoom
ギリシャワイン! スタッフのギリシャ系のお兄さんがこれまたすっごいイケメンだった!
ギリシャ料理といえばシーフード。だがお向かいのトルコとも似ているようで、ひよこ豆をすりつぶしてペースト状にしたフムスも定番料理のひとつだ。ニンニクががっつり効いており、一緒にサーブされる焼きたてパンが異様においしくてこれだけでお腹を一杯にしたくなるので要注意。なにしろサメのフライにタコのグリルにと注文したが、どれもポーションがさすがアメリカ! なサイズなのである。それでいてマンハッタンのレストランの半分程度の料金というから、人気があるのも納得。ちょっとシトラスの香りを思わせるさわやかなギリシャワインがいただけるのもうれしいところだ。ちなみに、デザートはサービスである。
飲んで、食べて、しゃべりたおして。それだけの時間を充実させてくれる、ぜひまた行きたいと心底感じるお店。ジモティによるとアストリアにはそんなカジュアルダイニングがほかにもいくつかあるといい、トレンドセッターなら要チェックエリアかもしれない。
Writer:岩佐 史絵
旅に貴賎なし! 旅をしていないと血中旅度が下がってお腹が痛くなってしまうほどの旅好きが高じてトラベルライターに。ONもOFFも旅一色。妊娠中も子育て中も闘病中も行きたいところには必ずでかける体力自慢。著書『人生のサプリを見つける旅ガイド』(ソニーマガジンズ刊)ほか。
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