旅の扉
- 【連載コラム】地球に優しい旅しよう!
- 2016年2月7日更新
- 自然と動物好きなトラベルジャーナリストの旅コラム
- travel journalist:平野 美紀
もうひとつの“世界の中心”、息を呑む絶景!キングス・キャニオン
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- 手に汗握る断崖絶壁のふちを歩く、キャニオン・ウォーク
- 2004年に映画化され、一大ブームを巻き起こした「セカチュー」こと、『世界の中心で、愛をさけぶ』。
若い恋人たちの儚くて美しい恋愛物語は、最初に小説として刊行され、話題となり、映画やドラマとして度々映像化されました。あの頃、小説を読んだり、映像を見て、感動し、ちょっぴり切なくなった…という人も多いのではないでしょうか?
さて、この物語のキーワードは、“世界の中心” なわけですが、
その“世界の中心”とは・・・
オーストラリアが誇る世界遺産『ウルル(エアーズロック)』でした!
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- 暁(日の出前)のキングス・キャニオンは身震いするほど美しい!
- え?じゃあ「もうひとつの“世界の中心”」って何?
そう思った人も多いのではないでしょうか?
実は、『世界の中心で、愛をさけぶ』のドラマ版(TBS系・2004年放送)では、重要な“世界の中心”シーンが撮影されたロケ地は、ウルルではなかったのです!
ウルルという設定で撮影されたその場所こそ、「もうひとつの“世界の中心”」。
それは、日本ではまだあまり知られていない壮大な渓谷『キングス・キャニオン』だったのです!
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- 砂漠気候の過酷な環境下でもたくさんの生き物が生息。写真はキンカチョウ
- ■地球の長い歴史が創り上げた驚異の絶景 キングス・キャニオン
ウルルの北東約300kmに位置するキングス・キャニオンは、アリス・スプリングスとウルルのちょうど中間地点くらいにある、ワタルカ国立公園の一部。
「キャニオン」と名付けられていることからわかるように、この場所は「渓谷」ですが、一般的な「渓谷」を思い浮かべてしまうと、まったく裏切られることに…
私たち日本人が「渓谷」と聞いて、一般的に連想するのは、「山と山の谷間に川が流れる場所」であることが多いのではないでしょうか?
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- 夜には降ってきそうなほど満天の星空。明るく見えているのは月が昇る直前だから
- ですが、このキングス・キャニオンには、川は流れていません。その代わり、そこあるのは、太古の昔から長い年月をかけてできた、壮大な断崖絶壁!
「レッド・センター」と呼ばれるオーストラリア中央部の赤い大地がむき出しになった“水のない渓谷”は、何億年もかけて造られたものです。
そう、キングス・キャニオンは、地球の長い歴史が創り上げたむき出しの地層をこの目で間近に見られる貴重な場所なのです!
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- 赤い大地がより紅く染まる夕暮れ時
- ■日本ではまだあまり知られていない秘境 キングス・キャニオン
ヘリコプターなどをチャーターする以外は、陸路を車で移動するしかアクセス手段がないため、オーストラリア滞在日数の短い日本人観光客が訪れることはほとんどなく、日本ではまだあまり知られていません。
ですが、ここを一度訪れたなら、その息を呑むほどの絶景に圧倒されること、間違いなし!
渓谷の絶壁のふちをぐるりと歩くウォーキングコースは、絶叫マシンより、迫力もの!
そして、絶壁の谷間に入り込み、今度は下から見上げることで、その凄まじいまでに切り立った険しい岩壁に圧倒されてしまうはず。
素晴らしい絶景が広がる大自然の中を歩いて制覇する体験は、一生忘れられない思い出になることでしょう♪
※ただし、自然環境が過酷な場所ゆえ、ウォーキング(ハイキング)はキチンとした準備が必要。その辺りのノウハウについては、下で紹介している記事で確認してください。
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- 息を呑む絶景の中を歩いて制覇するキャニオン・ウォークに挑戦!
- 個人でのアクセスは容易ではありませんが、アリス・スプリングス又はウルル発着ツアーの中には、ここに立ち寄って1泊するキャンピング・ツアーもありますので、参加するのもおすすめです。
こうしたツアーは、アリス・スプリングスからウルルへの移動手段としても使える上、途中でキングス・キャニオン観光もできて一石二鳥!
以下の記事で、キングス・キャニオンの様子を詳細レポートしています。ウォーキングの装備やキャンピング・ツアーの紹介もしていますので、ぜひ、あわせて読んでみて下さい!
▼Day 9 もうひとつの“世界の中心”、キングスキャニオン(ワタルカ国立公園)で絶叫ウォーク!? -シドニー~ダーウィン21日間 7千キロ