旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2016年2月2日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

バニラエアで人気の高雄を目指してみる

このフライトを演出する笑顔の客室乗務員さん4名ですzoom
このフライトを演出する笑顔の客室乗務員さん4名です

エクスペディアで、昨年人気が急上昇した観光地のランキングが出ており、その第2位が台湾の高雄でした。前年比で191%とのこと。

この1月下旬からバニラエアの成田⇔高雄路線が1日1便から2便に増便になりましたので、人気急上昇中の高雄へ行ってみることにしました。

出発は、時間に余裕の正午過ぎ。12時25分に成田空港を出発します。
第3ターミナルビルにて、今回は一階まで階段で降りたあとに、歩いて搭乗機に向かうスタイルでした。ホロで覆われた通路を歩くのも面白い経験です。
多少寒さは感じますが、周りの状況がわかりますので、飛行機好きとしてはワクワクします。
タラップを昇り、機体に近づくとコックピットの様子が見えました。パイロットがどんな人なのか見るというのは自分の中では飛行前の楽しみのひとつです。

第3ターミナルを出発してB滑走路からの離陸。移動距離が短くていいですね。

青空に映える黄色の翼zoom
青空に映える黄色の翼

日本は寒気の真っ只中。いつもとは違うコトコトとした揺れが目には見えない冬の強い風を感じさせます。

そんな時に、こちらの気持ちを察したかのように、機長のアナウンスが入ります。「低気圧の影響でところどころ揺れがあり、毎時190ノット=毎秒100mもの強い寒気の中ジェット気流を受けて進んでいるので、申し訳ありませんが到着が20分ほど遅れます。揺れがありましても飛行の安全には影響致しませんので、ご安心下さい。」日本語の落ち着いた声でのアナウンスを聞くと気持ちが和みます。時速350キロほどが減算されて対地速度はかなり遅くなります。実際の速度を仰らなかったのは、体感的にかなりの遅さになるからでしょう。これもお客様への配慮です。

逆に帰路はマッハを超える速度を期待してしまいます。

目にも鮮やかなフライトごはん zoom
目にも鮮やかなフライトごはん 

フライトはちょうどランチの時間ですので、フライトごはんを楽しみにしていました。
まずは「ふわとろ半熟たまごのチキンオムライス」(750円)自然な優しい味で美味しかったです。昔から機内食でスクランブルエッグは定番ですが、たまごが本当にとろりと半熟でしたので、進化を感じました。ソテーしたチキンもしっかりとした味でオムライスを引き立てており、赤ピーマンとブロッコリーの鮮やかな彩りで食欲が刺激されました。

「かぼちゃサラダとターキーの季節のバゲットサンド」(650円)も頼んでみました。
スモークしたターキーが結構な厚切りでボリュームがあり、カボチャサラダはクリーミーで、ターキーの味とマッチしていて美味しかったです。

次はデザート。前回食べた「バニラエア特製きいろい くり~むぱん」が美味しかったので迷いましたが、今回はNEWのマークにひかれて「バニラエア特製オレンジ マドレーヌ」(400円)を食べてみました。これが大正解!最初にバターの香りが広がり、その後にオレンジの爽やかな香りがしっかりとして「きいろい くり~むぱん」に負けてないくらいにこちらも大満足の味でした。

笑顔の客室乗務員さんzoom
笑顔の客室乗務員さん

食事が済むと、免税品の販売です。以前より、商品が増えているようでした。女性には楽しい時間ですね。
カート販売の後には、売れ筋商品を両手に持って客室乗務員が通路を歩きます。
何度かお客様から声が掛かり、笑顔で丁寧に説明されている様子が好印象でした。

前回も感じましたが、バニラエアの客室乗務員は、笑顔が多く、とても話しかけ易い方が多いように感じました。こういうところも、さすがANAホールディングス100%出資の航空会社だなと感じさせます。

多少の遅れはあったものの、高雄の海岸線から港街であることがわかるコンテナ船の多く接岸する場所を経て、一直線に滑走路09に向かいます。
コンパクトな空港のようで、着陸後はあっと言う間にゲートに到着し、ボーディングブリッジが着けられました。

展望デッキでは台湾国内線の機体が見えますzoom
展望デッキでは台湾国内線の機体が見えます

客室乗務員の笑顔に送られた後、スムーズに入国を済ませると、国際線ビルから東方向に向かってみます。国内線ターミナルビルへの連絡通路が中国語で「飛機観景台」と書く展望デッキになっていました。

視界は、国際線の一番東端の23から25番スポットと国内線の駐機場のみですが、いろいろと工夫が凝らされています。

天井の換気扇がジェットエンジンになっています。
窓のある部分には、カウンター席のように細長いテーブルに椅子が外に向かって設置されていて、20以上もあるほぼ全ての窓に、双眼鏡が置かれていました。存分に飛行機ウォッチングをしてくださいという配慮があります。

展望デッキ通路にある飛行機モデルの展示スペースですzoom
展望デッキ通路にある飛行機モデルの展示スペースです

近くには空港ターミナルビルの模型、たくさんの飛行機モデル、パイロットの帽子、客室乗務員のフィギュアなどが陳列されていて、楽しめました。

300mほどの通路を国内線側手前まで歩くと、今度は機内モックアップがありました。
機体の左半分が連絡通路に鎮座しています。機体の種別は想像が付きませんが、機長席まで造られていて、感心しました。
ここで航空機を見て、将来に航空業界を目指す少年少女が育って行くのでしょう。

1月30日からは、成田を夕刻に出発し高雄にステイした翌朝、成田へ戻る便が出来ました。
展望デッキで、折り返し成田へ向かうバニラエア124便の姿を見送りながら、高雄が更に身近になったと嬉しくなりました。

Vanilla Air
http://www.vanilla-air.com/jp/

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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