「ヨーロッパへの最短最速便」のキャッチフレーズにひかれてフィンエアーでヘルシンキ経由フランクフルトに行ってみました。
成田空港第二ターミナルで本館を離れてサテライトに向かう通路はガラスが大きく、駐機する機体の中で白い胴体に北欧の快晴の空を思わせる青いロゴをまとった11:55発AY074便の機体が眩しく見えています。
この日の座席は、エコノミークラス後方です。
機内に入ると、水色のシートが並んでいます。マリメッコの枕とブランケットにイヤホンが座席に備えられていました。シートポケットにペットボトルの水がセットされていたのも嬉しい配慮です。身体にフィットする座席で、ヘッドレストは可動式でした。
日本人客室乗務員が笑顔で迎えてくれました。この日、乗務する日本人は二名です。機内アナウンスも、フィンランド語、英語に続いて日本語が流れて、英語が苦手な旅行者にも安心です。
各座席にはモニター画面が備えられており、タッチパネルや肘掛にセットされたコントローラーでも操作が可能です。
出発のあと、モニターを操作していると、機外前方を写すカメラが二台設置されていることがわかりました。これがあると、機窓か、モニターかどちらも見たくて迷ってしまいます。
滑走路34Lを離陸した機体は、右へのサークリングを経て一路新潟方面の日本海へ直進します。雲海の上に富士山が名峰をあらわしています。帰国時にもその姿が見えるよう願いながら、旅の安寧を心の中でお願いしました。
おしぼりが配られた後に、食前の飲み物サービスとなりました。
フィンランドはブルーベリーの産地で、そのジュースが美味しいと聞いていたのでお願いすると、あられの袋と共に配られました。これにもまたマリメッコのペーパーナプキンが添えられています。
ほぼ正午の離陸となる機内では、続いて昼食の用意が始まりました。
牛肉のポテト添えと魚のパスタ添えのチョイスができます。
付け合せまで案内してくれましたので選び易くて良かったです。
食前酒としてスパークリングワインをお願いします。
選んだ白身魚とサラダも美味しくてとても満足。ロールパンとクラッカーにチーズをはさんで食べるとお腹一杯になりました。デザートにはミニケーキがありました。
太陽を追いかけて西に飛ぶので陽は暮れません。さすがに時間が早いので自然に眠くなるまでは、映画を見て過ごすことにしました。
100以上の映画に、30ものテレビ番組とゲームにオーディオと用意されていて、迷ってしまいます。日本語の番組も多く、6割以上の作品で吹き替えか字幕が選べるのも親切です。
感心したのはルートマップです。宇宙を飛行するエアバスA330が拡大していって地図の上を飛行する3Dマップになっていました。これはとても見易かったです。切り替わって2D版もありますので、従来型が好みの人にも合っています。
そして楽しかったのは、複葉機のコックピットのような5つの計器が飛行データを教えてくれる画面です。エアスピード、ヘディング(進路)、高度、風速、昇降計がプチパイロット気分を味あわせてくれます。
アナウンスでの案内通り最後尾のギャレーには、小腹が空いた時用にチョコレート、菓子などとドリンク7~8種類がマリメッコの紙コップと共に用意されていました。
スナックコーナーは、エコノミー旅客の憩いの場のようになっていました。旅客同士で話が弾んでいる中で、一人の男性が客室乗務員に聞いています。「お腹が空いた」と。
そこに置いてあるスナックではとうていそのお腹は満足できない大柄の青年です。客室乗務員は、笑顔で応えます。ギャレーの上段には、ちゃんと予備の機内食であろう小さなトレーがありました。
座席に戻ると眠っている人を起こすと思ったこの青年に対し、客室乗務員はこのギャレーで食事を摂ることを提案しました。青年は折り畳み椅子に座り一心不乱に食べています。
臨機応変に対応する客室乗務員の動きに、自分も満腹になったような幸せな気持ちになりました。
休憩に入る前の日本人の男性客室乗務員と話をすることができました。
100名程度在籍する日本人客室乗務員は一便に2~4名が乗務するとのことでした。
目的地フランクフルトでのエアライン・コンベンション参加を伝えると、お互い飛行機好きなのがわかって話が弾みました。
彼は、乗り継ぎ時にヘルシンキ・ヴァンター空港にある展望デッキに行くことを勧めてくれ、紙に手書き地図を書いてくれました。
座席に戻ると、間食の時間です。明治のスーパーカップ超バニラが配られました。乾燥した機内では、飲み物もいいのですが、冷たいアイスクリームも味が濃く感じられて普段よりも美味しく感じました。
自然に眠気が襲って来ます。マリメッコのブランケットが深い眠りを助けてくれました。
着陸の2時間前には到着前の軽食が待っています。豚肉ライスが提供されるとアナウンスがありました。餡かけチャーハンのようであっさり頂けました。食後のコーヒーを飲むと、間もなくフィンランドの大地が見えてきます。
着陸は現地時間15時20分、10時間と少しのフライトが終わりました。
ヴァンター空港は、二つのターミナルが繋がるコンパクトな空港なことが窓から見て取れます。目的の展望デッキらしき場所もしっかり目に焼き付けました。
書いてもらった地図を頼りに、乗り継ぎ客と違う出口を目指し、直進します。
圧倒的に乗り継ぎ客が多く、素早く到着口に向かうことができました。
乗務員さんお勧めの空港内スーパーマーケットやスターバックスがあり、日本の商品陳列とは一味違うクリスマス商戦グッズを見掛けました。
急いで目印の空港HILTONホテルを目指します。
2階に上がり、エレベーターを乗り換えて6階を目指します。
小さな展示スペースに航空機の写真や発着便案内ボードがあり、乗り継ぎ時間の有効利用に使われていることが良くわかりました。
先に広がるテラスからは、二つのターミナルビルとともに滑走路と誘導路を見渡すことが出来る素晴らしい眺めが広がっていました。暮れ行く空の中にピンク色の夕焼け空がのぞいて、異国情緒が感じられたいい時間を過ごすことができました。
既に出発まで1時間を切っています。急いでターミナルに戻りますが、建物の1階にある乗務員さんに教えて貰った小さなフィンエア売店を見ることも忘れません。
ここまでの道を迷う事がなかったのは、手書きの地図が正確だったからです。
ターミナルビルに戻り、保安検査場の先に旅客全員がゲートに向かう動線がもれなく免税店になるという構造を楽しみながら、フランクフルト行きエアバスA320の機上の人となりました。
フランクフルトまで14時間40分の往路の旅が終わりました。
経由地で展望デッキでの空港ウォッチングと買い物ができた事を思うと、リフレッシュできて、得をした気分でドイツの地を踏むことが出来ました。
フィンエアーのヨーロッパ乗り継ぎ便を選んだことでかなりお得な気分になりました。