旅の扉
- 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
- 2026年11月6日更新
- よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子
バレエ鑑賞気分で味わう、メズム東京の『くるみ割り人形』ディナープログラム
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- 新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』で主役のクララと王子を演じる、鈴木綾子さんと水井駿介さん。
- 街にクリスマスソングが流れる季節になりました。クリスマスのバレエの定番といえば、『くるみ割り人形』ですよね。バレエに特別に詳しくなくても、この演目は多くの人が知っていることでしょう。
東京・竹芝に位置するモダンラグジュアリーホテル『メズム東京、オートグラフ コレクション』のフレンチダイニング『シェフズ・シアター』では、この『くるみ割り人形』の世界観を味わえる、クリスマスシーズンにふさわしいディナープログラムを提供中です。
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- 冬の名作バレエ『くるみ割り人形』。新国立劇場では2025年から英国の振付家ウィル・タケット氏演出によりオリジナル版として新たに制作されました。ⒸTakeshi Shikama
- ファンタジーの世界へいざなう、冬の定番プログラム
『くるみ割り人形』はクリスマス・イブの夜を舞台に、少女クララと王子に姿を変えたくるみ割り人形によって繰り広げられるバレエのプログラムです。見どころは、華やかな衣装と舞台美術。ネズミの女王や金平糖の精といった愛らしいキャラクターが次々に登場し、チャイコフスキーの美しい音楽も、観る者を幻想的な世界へといざないます。クリスマスらしいきらめきと夢があり、親しみやすいストーリーに加え、上演時間もバレエのプログラムとしては短めなので、バレエ鑑賞デビューにもおすすめです。
クリスマスシーズンが近づくと、世界中の劇場で上演されるこの『くるみ割り人形』。日本も例外ではありませんが、国内の数ある劇場のなかでバレエ愛好者からとりわけ人気が高いのが『新国立劇場』(渋谷区)です。
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- 物語を代表する5つの印象的なシーンを5皿で表現した、ストーリー仕立てのフレンチコース。
- 新国立劇場とフレンチダイニング『シェフズ・シアター』の3作目となるコラボレーションメニュー
これまで数々の名画や芸術作品をテーマに、コラボレーションを展開してきたメズム東京。日本を代表する劇場の一つで、来年2027年には開場から30周年を迎える新国立劇場とのコラボレーションメニューは、2024年12月のオペラ『魔笛』、2025年10月のバレエ『シンデレラ』に続き3回目。今回は世界中で愛され続けている冬の名作の世界観をフレンチのコースで味わえるという内容です。メニューを構成するにあたり、クリスマス・イブの華やかなパーティー、大きな見せ場の一つであるくるみ割り人形とネズミたちの戦い、きらめく雪の国と幻想的な金平糖の精の踊り、色とりどりのスイーツに囲まれたお菓子の国といった、物語を彩る印象的なシーンを5皿で表現しています。
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- メニュー監修を手掛ける、クリエイティブ・ディレクターの小泉堅太郎さん。
- クリエイティブ・ディレクターとシェフチーム渾身のフレンチコース
メニュー監修は、クリエイティブ・ディレクターの小泉堅太郎さん。物語の世界観と幻想的なシーン、カラフルな衣装を料理人の技と感性でメニューに落とし込み、再現したのは総料理長・隈元香己さん率いるシェフチームです。なかでも料理に使われることが少ない青色や紫色は、食材の選定にも苦労があり様々な工夫を重ねたとのことでした。そのシェフチームによる渾身の5皿は以下の通り。
◎アミューズブッシュ テーマ:夢の幕開け
レバーパテ、ほおずきと生ハムのブッシェ、鮪のレムラードソース、馬肉のタルティーヌ、真鯛のマリネの5種
クリスマスツリーを彩るオーナメントを思わせる華やかな一皿。鮪にはわさび風味のソースを、真鯛は昆布出汁のシートで包んで和のエッセンスを加え、それぞれの旨みを引き出しています。ツリーの緑色は小松菜のパウダー。下から上へと順番に味わうことで、これから幕を開ける夢の物語へといざなう仕掛けなのだそうです。
◎前菜 テーマ:真夜中の戦い
海老のタルタル カリフラワームースと無紫野菜の菜園仕立て
おもちゃの兵隊と、ネズミの女王率いる軍団が戦いを繰り広げるシーンは、『くるみ割り人形』のなかでも大きな見どころの一つ。赤と白の色彩でおもちゃの兵隊を、紫の野菜でネズミの女王と軍団をイメージし、情熱的な赤や紫が戦いの躍動感を感じさせます。
◎魚料理 テーマ:雪の国のワルツ
鮮魚のソテー百合根添えクリュスタッセソース
幻想的な「雪の国」を、白をベースにした繊細な一皿に表現。ふっくらとソテーした白身魚、なめらかな百合根のピューレと百合根を重ね、海老の旨みを凝縮した濃厚なソースを合わせています。お米のペーストから作った雪の結晶の仕上がりに目を奪われ、食べるのが惜しくなってしまうほどの美しさです。
◎肉料理 テーマ:お菓子の国の祝宴
鴨のロースト季節野菜と赤ワインソース
「お菓子の国」の祝宴をイメージした、華やかで遊び心あるれる一皿。一見するとデザートのようなかわいらしさですが、香ばしく焼き上げた鴨に、フォンドヴォーと赤ワインのソースを組み合わせた、メインディッシュにふさわしい内容です。キノコの風味を加えたキャンディケーン、クロワッサンを思わせる揚げポテト、クリエイティブ・ディレクターの小泉さんが「マスト!」とリクエストしたポップコーンなど、プレートを彩る小さな付け合わせの一つひとつに、シェフチームの繊細な手仕事とこだわりが感じられます。
◎デセール テーマ:夢から目覚める朝
キャラメルと胡桃のムース マンゴーとパッションフルーツのジュレ
主人公のくるみ割り人形をかたどったデザート。上品な甘さとほろ苦いキャラメルと胡桃のムースに、甘酸っぱいマンゴーとパッションフルーツのジュレの組み合わせが、大人向きのデザートに。シャンティにはほのかにお酒を利かせてあり、夢から覚める朝を思わせる物語の余韻を楽しめます。一番上に載っている帽子をかたどったチョコレートの可愛らしさにも注目!
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- アミューズブッシュからデセールまで、料理が運ばれてくるたびに舞台の幕が開いていくようです。
- ディナーとバレエ鑑賞を組み合わせれば、ホリデーシーズンを2倍楽しめる!
ディナープログラムお披露目の試食会には、『くるみ割り人形』の公演で主役のクララと王子を演じる新国立劇場のプリンシパル・小野絢子さんと、ファーストソリスト・水井駿介さんが同席されました。本公演は何組かのキャストで上演されますが、お二人が登場する公演日は特に人気が高くチケットの争奪戦になっているそう。そんなお二人とディナーをご一緒でき、本公演の見どころや舞台裏のエピソード、バレエダンサーの日常などについて間近でお話しを伺うことができた、とても貴重な夜になりました。
意外だったのは、お二人とも私たちと同じ内容のしっかりボリュームのあるディナーコースを召し上がっていらっしゃったこと。バレエダンサーといえば、体形を保つために食事制限をしていらっしゃるのかと思ったのですが、練習と舞台公演が続く毎日では、しっかり食べないとどんどん体重が落ちてしまうのだそうです。
また、お料理好きという水井さんは留学時代のポーランドでは、自宅のアパートで仲間たちに手料理をふるまう機会が多かったとのこと。お菓子作りもお得意で、ご家族のためにバースデーケーキを作ることもあるそうです。美の表現者でもあるバレエダンサー手作りのケーキはぜひ一度、拝見してみたいものです。
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- 左/魚料理に添えた雪の結晶は、一粒ずつ手作り。右/白とピンクのコントラストが可愛らしいキャンディケーンには、キノコの風味をまとわせてあります。繊細な手仕事とともに、味わいの豊かさにも驚かされます。
- バレエ『くるみ割り人形』ディナープログラムは、メズム東京のフレンチダイニング『シェフズ・シアター』で2027年1月31日まで提供中です。いっぽう、新国立劇場での公演は12月18日~1月3日まで。なかでも、大みそかと元旦は演出が変わるそうです。また過去には、ロビーのビュッフェコーナーで年越しそばやお雑煮が販売になったこともあったのだとか。今年の提供は未定とのことですが、劇場で味わう日本の伝統的な年末年始も、なかなかできない体験になりそうです。
主役のお二人には、
「バレエを見てからディナーを味わうのと、公演を見てからディナーを楽しむのは、どちらがおすすめ?」と聞いてみました。
お答えは、
「う~ん、難しい質問ですね。ディナーを先に味わえば、舞台での衣装や装置の細かな部分まで目が行って楽しめそうですし、先にバレエの方を鑑賞すれば “ああ、あのシーンがこのお料理に”といった楽しみ方ができると思います。可能であれば、公演鑑賞の前と後の2回、味わってみるのもいいと思います」とのこと。いずれにしても、お料理も公演も2倍楽しめるに違いありません。この冬のホリデーシーズンは、『くるみ割り人形』のディナープログラムとバレエ鑑賞の組み合わせをおすすめします!
◆バレエ『くるみ割り人形』ディナープログラム
場所:メズム東京、オートグラフ コレクション16階 フレンチダイニング『シェフズ・シアター』
東京都港区海岸1-10-30 TEL 03-5777-1111
提供期間:2027年1月31日(日)まで
時間:17:00~22:00
料金:おひとり15,800円(消費税・15%のサービス料込み)
※12月24日(木)~26日(土)は、特別な食材を使用したコースとなり、26,000円
予約:https://X.gd/MFbMi
◆新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』
会場:新国立劇場 オペラパレス
東京都渋谷区本町1-1-1 TEL 03-5351-3011
公演期間:2026年12月18日(金)~2027年1月3日(日) ※上演時間:約2時間10分
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/