zoom 11月3日、日本で5番目の国立博物館となる皇居三の丸尚蔵館がグランドオープしました。
記念の特別展「皇室の至宝―美いづるところ」では、皇室に伝わってきた美術品や工芸品など、会期全体で187件を公開します。
代々皇室に受け継がれてきたもの、明治時代以降に献上されたもの、皇室のために制作されたものなど、その由来はさまざまですが、皇室が大切に守ってきた日本の美術品の数々です。
注目の名品をいくつかご紹介しましょう。
zoom平安の書から江戸絵画、明治の工芸へ
前期の会場でまず目を引くのは、平安時代の国宝《雲紙本和漢朗詠集 巻上》でしょう。藤原公任が漢詩や和歌の名句を選んでまとめた11世紀の詩歌集を、藍色に染めた繊維を漉き込んだ雲形のある料紙に、平安中期の能書家・源兼行が漢字と仮名を異なる書体で書き分けました。何とも美しい文字ときらめきをたたえた料紙が一体となった、平安貴族の美意識を伝える作品です。伊藤若冲の《旭日鳳凰図》や狩野探幽の《源氏物語図屏風》など、江戸絵画の名品も並んでいます。
zoom 明治時代の木工、漆芸、螺鈿、金工の技を結集した逸品は、重要文化財《菊蒔絵螺鈿書棚》です。菊の花の中で遊ぶ小鳥を、金の高蒔絵と螺鈿で表現した書棚で、明治天皇の御料(ごりょう)として、構想から完成まで11年もの歳月がかかったそうです。書棚の隅々まで模様が破綻なく途切れずに繋がっているのは超絶技巧というより他にありません。
zoom皇居内で初めて公開される正倉院宝物
さらに、前期(11月3日~23日)の大きな呼び物が、正倉院宝物です。奈良の正倉院に伝わる宝物が、皇居内で初めて公開されます。中でも8世紀の《螺鈿紫檀琵琶》と《八角鏡》は必見です。
《螺鈿紫檀琵琶》は、紫檀の木地に螺鈿や玳瑁(たいまい)を施した華麗な楽器。貝の輝きで描かれた文様は、光の当たり方によって表情を変えます。シルクロードを通じてもたらされた文化や技術が、奈良時代の日本で花開いたことを感じさせます。
一方、《八角鏡》は、背面を螺鈿や琥珀、トルコ石などで飾った八花形の鏡です。聖武天皇の遺愛品を記した『国家珍宝帳』にも載る由緒ある品で、寛喜2年(1230)に盗難に遭った際に大破したのを明治時代に修復したそうです。ガラスケースに顔をつけて見たくなるような繊細な美しさです。
古代の工芸、平安の書、江戸の絵画、明治の工芸。時代も素材も異なる皇室の至宝を間近で鑑賞し、日本の美の豊かさと表現の多彩さをあらためて感じる至福の時となるでしょう。
zoom会期中、前・中・後期で異なる名品との出会い
中期(11月26日~12月20日)には、聖徳太子ゆかりの法隆寺献納宝物が登場。後期(12月23日~2027年1月24日)には、狩野永徳の国宝《唐獅子図屏風》や《蒙古襲来絵詞》など、中世から近現代の名品が並ぶ予定です。
前期・中期・後期で展示作品はすべて入れ替わるため、訪れる時期によって異なる作品に出会えます。
日時指定制で、会場での当日券販売はありませんので、予約開始日をどうぞお忘れなく。入場料は一般2,500円。特に正倉院宝物が公開される前期は11月23日までです。
都心にありながら自然に包まれた皇居東御苑に建つ三の丸尚蔵館は、大手門をくぐった先にあります。
zoom展覧会概要
展覧会名 特別展「 皇室の至宝 ─ 美いづるところ」
会期 2026年11月3日( 火・祝 )~2027年1月24日(日)
●前期 : 11月3日~11月23日
●中期: 11月26日~12月20日
●後期: 12月23日~1月24日
開館時間 午前9時30分~午後5時(毎週金・土は午後8時まで )※入場は閉館30分前まで
休館日 月曜日(ただし、令和8年(2026) 11月23日、令和9年 (2027) 1 月11日を除く )、および、令和8年 (2026) 11月24日、11月25日、12月22日、12月28日~12月31日、令和9年(2027) 1月1日~1月3日、1月12日
会場 皇居三の丸尚蔵館
東京都千代田区千代田1-8 ( 皇居東御苑内 )
問合せ050-5541-8600(ハローダイヤル)
詳細は公式サイトで要確認を。 https://shozokan.nich.go.jp/
チケットは、前 期・中期・後 期ごとに販 売・予約を開始
●前 期 11/3( 火・祝 )~11/23( 月・祝 )
入 場 分 : 9/12( 土 ) 10:00 ~
●中期 11/26( 木 )~12/20(日)
入場分 : 11/11( 水 ) 10:00 ~
●後 期 12/23( 水 )~1/24(日)
入場 分 : 12/2( 水 ) 10:00 ~
※記事中の展示品は内覧会で許可を得て撮影しています。
