今日は奥さんの話をしますよ。いつも女の子のケツを追っかけてばかりいるイメージの僕ですが、結婚生活は２０年になります。

新婚旅行はオーランドに行きました。オーランド。フロリダにあります。ひとつの街にディズニーランドとユニバーサルスタジオとケネディ宇宙センターが収まっています。すごいよね。

何でオーランドかって？希望の渡航先について二人の好みが合わなくてね。じゃあ、二人ともあんまり興味がない土地にしようよって何となく辿り着いた先がオーランドだったわけです。ま、行ってみたらオーランド、なかなか楽しいところでした。本当に街中テーマパークだらけなの。娯楽施設じゃない場所を探す方が大変なぐらいです。新婚さんたちにおすすめは大人のディズニーランド。いろんな酒場があって、あっちこっちでみんな踊ったり騒いだりしてるんだけど、ディズニーだから健全なんだ。一見いかがわしそうな店の女の子もセクシーだけどエロくはないのです。

ある夕方に、郊外のアウトレットモールのようなところに行きました。そこで時間を読み違えて最終バスを逃してしまうという失態。困ったね。幸い、最後に一台残ったバスの運転手が声をかけてくれ車庫に戻るから途中まで乗せてくれると言います。助かりました。降りる時に代金を払おうとしたら、金はいらないと。「次にバスに乗る時に払ってくれればオッケー。払わなくてもそれはそれでオッケー。」どこの国にも親切な人はいるもんですね。

その旅では、その後バスに乗る機会がなく結局代金は払わずじまい。それが今でもちょっと心残りです。いつかもう一度オーランドにいかなきゃなね。でも、バス代を払う他にオーランドを再訪する理由はないかしら？

こういう時こそインターネット。ありました。えーと、ジャックケルアック。

そうあの「路上」のケルアックです。オン・ザ・ロード。ビートの王者と能天気なフロリダの街。とても接点があるようには思えませんが、実はケルアック、生涯何度かにわたってオーランドで暮らしています。その証処に「ケルアックの家」というのが残されている。金がなくてオーランドに住む親類を頼ったとのこと。暮らしぶりは今で言う「ニート」に近かったとか。あらあら、放浪のヒーローがニートだなんてね。本人にとってもあまりよい思い出ではないのか、知る限りではケルアックの作品にオーランドは出てきません。

で、オーランドにあるケルアックが住んだ家はどうなったか。

調べました。えーと、地元の有志が集まって「ケルアック・プロジェクト」なる計画をスタートさせます。その内容は改装した家を創作の場として若手で将来有望な作家に貸し出すというもの。公募で選ばれた作家たちが一定の期間（３ヶ月）そこに住んで執筆活動に勤しむってわけ。住人にはプロジェクトから毎月生活費が支払われると言うからすごい。「ライターズ（アーティスツ）・イン・レジデンス」と呼ばれる芸術家を支援するシステムで、欧米にはけっこう浸透しているそうです。羨ましいね。

あら、何を考えているかわかっちゃいましたか。そう。ケルアック・ハウスに住んで作品を制作することを想像していました。

何を制作するかって？小説ですよ。小説。こう見えても僕は本当はフィクション志向なんだ。自分では天才のつもりでいるんだけど、残念ながら世間ではほとんど誰にも相手にされてないの。そんな僕の代表作は「ヒデ」。トイレに入って便器に座るとウォシュレットのスイッチの所にサッカーボールのマークがあって「ヒデ」って書いてあるんだな。面白いからスイッチ押すとパンパカパーンって便器の中から中田英寿が出てくるんだ。ほら、続きを読んでみたいと思いませんか？

えーと、今日はここまで。もう３００字もオーバーしてるんでね。あ、奥さんの話をするはずでした。それもまたいつかどこかで。