旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2026年10月24日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

話題のラケットスポーツ、ピックルボールに夢中! ~“旅ラン”から、“旅ピックル”へ~

日本よりひと足も、ふた足も早く“ピックル・ブーム”が訪れているベトナム・ホーチミンで見つけたラブリーなピックルボール専門店。zoom
日本よりひと足も、ふた足も早く“ピックル・ブーム”が訪れているベトナム・ホーチミンで見つけたラブリーなピックルボール専門店。
今年になって国内でも急速に人気が高まっているピックルボール。リゾート地や都心には新しいコートが誕生し、期間限定のピックルコートの話題も続々と届くようになりました。
そういう私は、ピックルボール歴3年。へなちょこではありますが、そろそろ本格的な大会デビューが目標になってきた今日このごろ。旅先ではついつい、ピックルボールコートの有無が気になってしまいます。

ピックルボールをご存じない方のために、簡単にご紹介すると・・・。
1960年代にアメリカで考案されたスポーツで、テニスとバドミントンと卓球を足して3で割ったようなイメージです。コートの広さはテニスの1/3ほどで、バドミントンコートとほぼ同じ。卓球のラケットを2~3まわり大きくした「パドル」と呼ばれるラケットで、穴の開いたプラスチックボールを打ち合います。
私が初めてこのスポーツの存在を知ったのは、4年前のハワイ。アメリカ本土でのブームがハワイに押し寄せてきていて、現地の友人に誘われプレイしたところ、その楽しさにすっかり魅了されてしまいました。当時はまだ日本でプレイできるところはほとんどなく、一部のスポーツクラブやテニススクールが不定期に体験会を実施している程度。それらをネットで探して出かける状況がしばらく続き、3年前にやっと定期的にプレイできる施設を見つけ、週イチで通うようになり現在に至ります。
4年前、初めてピックルボールを体験したハワイのコートは、テニスコートを転用したもの。終了後はBBQがお約束。zoom
4年前、初めてピックルボールを体験したハワイのコートは、テニスコートを転用したもの。終了後はBBQがお約束。
でも、昨年の暮れごろまではまわりの人に
「ピックルボールが楽しいのよ。一緒にやってみない?」
と声をかけても興味を示してくれる人はほとんどいなくて、
「ふ~ん」みたいな塩対応の日々が続いていました。

それが、どうでしょう。春くらいから国内でも急速に名前が知れ渡り、特にこの夏以降、首都圏のどこかでピックルボールの専用コートや施設がオープンしているほどの盛況ぶり。夏に出かけた北海道ニセコでも、コートの誕生が話題になっていました。
今年7月、ニセコひらふにオープンしたコートは、羊蹄山を目の前に臨む爽快なロケーション。zoom
今年7月、ニセコひらふにオープンしたコートは、羊蹄山を目の前に臨む爽快なロケーション。
いっぽう、日本よりひと足もふた足も早くブームが訪れているのがベトナム。アジアで最も多くピックルボールコートを持つ国といわれています。少し前に出かけたホーチミンでは、“ベトナムのピックル事情”を探るべく、ショップ巡りをしてきました。
この国にピックルボールが入ってきたのは7~8年前。瞬く間に人気に火が付き、既存のテニスコートがことごとくピックルコートに塗り替えられているのだそう。今年の夏には、ワールド・カップ開催地に選ばれたことからも、盛り上がりぶりがわかります。
ホーチミンの中心地にある、「JOOLA(ヨーラ」)のショールーム&ショップ。zoom
ホーチミンの中心地にある、「JOOLA(ヨーラ」)のショールーム&ショップ。
そんなベトナムで訪れたのは、ホーチミンのショッピング街にある「JOOLA(ヨーラ)」(ドイツのブランド)のショールーム兼ショップ。ピックルボール世界ランキングNo.1に輝いたこともあるベン・ジョンズ、テニス界のレジェンドで現在はピックルボーラーとして活躍する、アンドレ・アガシ&シュティフィ・グラフのカップルが監修するパドルでも知られています。
店内に入ると壁一面にディスプレイされたパドルに加え、ウェアやパドルケース、バッグなどのアイテムも。その奥には、試打用コートが用意されていました。日本ではまだまだ数が少ないピックル専門店。その光景に舞い上がってしまった私は、数本のパドルの試打をさせてもらい、そのなかの1本を購入。私のレベルでは「猫に小判」の上位モデルではありましたが、日本国内で買うより少々お安く、旅の記念にとの思いもあり決めました。
店の奥には試打用コートがあり、気になるパドルを試せます。zoom
店の奥には試打用コートがあり、気になるパドルを試せます。
戦利品に気をよくして通りを歩いていると、数軒先にはラブリーなお店を発見(冒頭の写真)。ヒラヒラのピンクのウエアに、ハートがいっぱいプリントされたパドル、おそろいのピングのバッグなども並ぶ、ピックル用品専門店です。ここホーチミンでは、若い女性の間でファッションアイテムの一つになっていることを感じました。また、スポーツショップにはテニスやサッカーのコーナーと同じようにピックル用品のコーナーが設けられ、大型スクリーンにはプレイシーンが映し出されている光景も目にしました。
パドルのほか、ウエア、バッグもそろうショールーム内。日本より1~2割安く購入できます。zoom
パドルのほか、ウエア、バッグもそろうショールーム内。日本より1~2割安く購入できます。
最近では、これまで「ピックル???」と塩対応だった友人たちから、「体験してみたい!」なんて声が聞かれるようになってきています。このままブームが定着すれば、次回、次々回のアジア大会やオリンピックでは正式な競技種目に採用されるのではないかしら……と大いに期待を寄せています。

そして近ごろの私は、旅先に持参していたランニングシューズにピックルのパドルをプラスして出かけることが増えました。パドルの長さは40センチ程度。スーツケースにちょうど収まるサイズなのもいいところなんです。“旅ラン”は旅先での楽しみのひとつですが、これからは“ピックル旅”も目的のひとつに加わりそうです。

次回のピックルコラムは、国内のコート事情についてご紹介する予定です。
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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