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- 「軽井沢野鳥の森」でバードウォッチング・デビュー! ~訪れる楽しみがまた一つ増えた、「星のや軽井沢」のバードウォッチングステイ~
旅の扉
- 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
- 2026年5月26日更新
- よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子
「軽井沢野鳥の森」でバードウォッチング・デビュー! ~訪れる楽しみがまた一つ増えた、「星のや軽井沢」のバードウォッチングステイ~
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- 国設「軽井沢野鳥の森」散策路から望む浅間山。この山があることで、軽井沢の多様な自然環境が生まれたのだそう。
- 近ごろ、鳥の声が気になって仕方ありません。
きっかけは、「星のや軽井沢」で体験した「軽井沢バードウォッチングステイ」。野鳥の宝庫である軽井沢と、市街地で聞ける鳥の声が比べ物にならないことは言うまでもありません。でも東京に帰ってきてきてからも、どこからか鳥の声が聞こえてくると耳を澄ますようになりました。自宅近くの公園からチュンチュンと鳴くスズメに交じって♪ツーピー、ツーピー♪と聞えるのは、たぶんシジュウカラ。胸からおなかのネクタイ模様が可愛らしい鳥です。その姿を思い浮かべると、春を迎えた軽井沢の清々しい空気とともに、森の中の野鳥たちの大合唱が蘇ってきます。新しく芽生えたこの感覚に、自分でも驚きながら楽しんでいます。
宿の目の前が国内有数の探鳥地、国設「軽井沢野鳥の森」
「その瞬間の特等席へ。」をコンセプトに、圧倒的非日常を提供する「星のや」。「星のや軽井沢」はその始まりの地です。今回の滞在中、バードウォッチングに出かけた国設「軽井沢野鳥の森」は国内有数の探鳥地であり、年間を通じて80種類を超える野鳥が観察できることで知られています。訪れたのは新緑がまぶしく、一年で最も清々しい季節。野鳥の森には通年ここで暮らす鳥たちとともに、南から渡ってきた夏鳥たちが巣作りと繁殖のまっ最中。しかも、星のや軽井沢から野鳥の森の入り口までは歩いて1分足らず。まさに“バードウォッチング・デビュー”にうってつけの環境なのです。
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- 専門家の案内で楽しむ「プライベートバードウォッチング」。双眼鏡も本格的なものが用意されています。
- 星のや軽井沢と軽井沢野鳥の森は隣接しているだけでなく、深いかかわりがあります。前身である「星野温泉旅館」の二代目当主・星野嘉政(よしまさ)は、たびたび逗留していた詩人であり、「日本野鳥の会」の創設者・中西悟堂との親交を機に野鳥に魅せられました。「これからは、野鳥を観察して楽しむ時代が来る」と話す悟堂に共感し、当時は飼育や食用のため狩猟の対象だった野鳥の保護活動を開始したのだそうです。その尽力もあり1974年、宿に隣接する森が国設・野鳥の森に指定されました。「星野リゾート」として国内外にリゾート施設を運営する現在も“自然と共生する”という価値観は引き継がれ、野生動物の調査やエコツアーを実施している「ピッキオ」と共同開発したのが、今回の滞在プログラムです。
半世紀の時を超えて蘇った鳥の声を聴く、バードウォッチングトラベラー
軽井沢バードウォッチングステイの楽しみ方は、森のフィールドに出かけ野鳥を観察するだけではありません。客室にも探鳥体験が散りばめられ、室内には野鳥の生態がわかる図鑑とともに、バードウォッチングに必要な本格的な双眼鏡や、ウォーターボトルなども備えられています。さらに、現代の鳥の声と、50年近く前に嘉政が軽井沢周辺の森で録音したとされる秘蔵のレコードがあり、聞き比べを楽しめます。デジタル音源が主流になり、レコードプレイヤーを扱うのは本当に久しぶり。レコード盤に針を落とす一瞬の緊張感の後は、アナログ特有のやわらかな音が奏でる鳥の声、針がこすれる音や背景の雑音までも耳に心地よくて、半世紀前に嘉政が過ごした温泉旅館の時代に引き込まれるようです。
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- 窓の外に「軽井沢野鳥の森」の新緑が迫る「山路地の部屋」。室内には「SWAROVSKI OPTIK」の双眼鏡や秘蔵のレコードも。
- 黄昏のバードコンサートで、“森のナルシスト”の姿と声に魅せられる
野鳥の森には、夕方と翌日の早朝の2回、バードウォッチングに出かけます。夕方と朝は野鳥たちが求愛や縄張り争いなどで、活動が活発になる時間帯。昼間はバードウォッチングや散策を楽しむ人たちで賑わっていた森も黄昏時になると人影がまばらになり、鳥たちの合唱を聴くのに適した静けさが戻ってきます。森の中を歩き始めてほどなく、“幸せの青い鳥”と呼ばれるオオルリの姿を見ることができました。名前のとおり瑠璃色の姿と森じゅうに響き渡る澄んだ声は、一度聴いたら忘れられないほど印象的。10~15分の散策後は、池のほとりに設えられたリクライニングチェアの特等席で、ハーブティーとクッキーのおやつを楽しみながら鳥の声に耳を傾けます。鳥のさえずりにはリラクゼーション効果があるとされ、まさに貸し切りの“癒しの森のバードコンサート”です。
この日のコンサートの主役は、目の前の水辺にやってきたキビタキ。黒色の羽に胸元のオレンジ色と黄色のコントラストが美しい野鳥です。水浴びを繰り返しては枝の上をちょんちょんと動き回る姿の可愛らしいこと!“森のピッコロ奏者”と呼ばれる美声の持ち主ですが、水面に映る自分の姿に見惚れているようにも見える様子は、“Narcissus Flycatcher(ナルシサス・フライキャッチャー:森のナルシスト)”の英名がぴったりです。
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- 森の中に設えられた「黄昏のバードコンサート」会場。すぐ目の前で、キビタキが水浴びと美声を披露してくれました。
- 夕食後は、野鳥の森の入り口に佇む「森のほとりCafe & Bar」で、鳥からインスピレーションを得たカクテルが用意されていました。私は先ほど森で見かけた、オオルリをイメージしたジンベースの青色のカクテルをチョイス。スタッフの方が鳥とカクテルにまつわるエピソードを紹介してくれ、翌日の早朝の森ではどんな鳥たちとの出会いが待っているのか、期待感が高まります。
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- 上・下左/「森のほとりCafe & Bar」では野鳥からインスピレーションを得たカクテルを。下右/翌朝のバードウォッチング出発前、客室に届けられる「目覚めの山彩スープ」。
- 早朝の野鳥の森には、“森のオールスターズ”が勢ぞろい!
軽井沢の森をこよなく愛し、星野温泉に逗留していた中西悟堂は、「室内にいて40種類からの鳥の声がきかれる点では、日本の三大野鳥生息地といえるだろう」と語ったのだとか。今回、滞在したのは敷地内の最も高い場所にあり、野鳥の森を見下ろせる「山路地の部屋」。翌朝は5時半から野鳥の森へ出かけるスケジュールに合わせ5時にアラームをセットしていたのですが、外が明るくなり始めた4時半ごろには鳥たちの声で目が覚めました。♪ツーピー♪と鳴くシジュウカラ、♪ピッピロリー♪と聞こえるのはたぶん森のナルシストことキビタキ、♪ヒ・ヒ・ヒ、ピリッピー♪と高らかな鳴き声はオオルリ。前日の記憶をたどりながら、耳を澄ませます。
「山路地の部屋」テラスから望む「軽井沢野鳥の森」と、早起きな鳥たちの演奏会はこちら。
↓↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=aSRU46o6Vgk
早朝のプライべートバードウォッチングの案内役は、「ピッキオ」スタッフの角屋真澄さん。世界最高水準の光学機器メーカー「SWAROVSKI OPTIK」の望遠鏡を担いで歩きながら、解説の途中でもどこからか鳥の声が聞こえてくると、「いま、コサメビタキの声が聞こえましたよ!」「あちらのほうから、ミソサザイが!」と言いながら、姿を見つけ出して教えてくれます。教わった方向に自分で双眼鏡を向け、姿をとらえられた瞬間は、森の中の宝物を見つけた気分です。
約3時間の野鳥の森散策で姿を見ることができたのは、オオルリ、コルリ、キビタキ、センダイムシクイ、ゴジュウカラ、ウグイスなど13種類、姿は見えなかったけれど鳴き声が聞けたアカゲラ、サンショウクイ、ヤブサメなども合わせると20種類の野鳥に遭遇できました。今の季節、周辺では約25種類の野鳥を観察できるとのことなので、初めてのバードウォッチングでこれだけの種類を観察できたのは、かなりラッキーだったといえるでしょう。なかでもコルリは体を思いっきり震わせ、高らかに歌い上げる姿がとても可愛らしく、また前日に目の前で水浴びをする姿を披露してくれたキビタキは、数羽が上空を縦横無尽に飛び交いながら、縄張り争いをする様子を何度も見ることができました。
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- 左/早朝の森を案内してくれた角屋真澄さん。右/体を思い切り震わせてさえずるコルリ。愛らしい姿に、いつまでも目が離せません。
- 軽井沢野鳥の森ではこれから本格的に鳥たちの子育てのシーズンが始まり、ところどころに設置された巣箱にせっせとエサを運ぶ親鳥や、穴から顔をのぞかせるヒナの姿、また夕刻には空を飛ぶムササビの姿が見えることもあるのだそう。春・夏・秋・冬どの季節もそれぞれに趣きがある軽井沢ですが私が次回、バードウォッチングに選びたいと思っている季節は冬。木々が葉を落とす冬の森は明るく見通しがよくなり、葉に隠れて見えにくかった小鳥を見つけやすくなるのだとか。また、観察できる鳥の種類も、夏鳥から冬鳥に変わります。静寂に包まれた冬の軽井沢で過ごしてみたいこともあり、この時期の訪問がかなうことを楽しみにしています。
軽井沢バードウォッチングステイの実施は5月末までですが、ピッキオでは四季を通じて野鳥の森を散策するツアーを実施しているので、星のや軽井沢滞在中にぜひともバードウォッチング・デビューを果たしてみてはいかがでしょうか。
◆協力
◎星のや軽井沢
長野県軽井沢町星野
TEL 050-3134-8091(星のや総合予約)
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyakaruizawa/
◎ピッキオ
TEL 0267-45-7777
https://picchio.co.jp/