旅の扉
【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
2025年5月22日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子
ハワイ旅行の救世主? ワイキキにオープンしたカプセルホテルはこう使う!
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日本でもおなじみのコンパクトホテルが、ついにハワイ上陸!
円安&物価高が続き、しばらくご無沙汰していたハワイ旅行。
「この夏こそ!」とプランを練り始めた人も少なくないことでしょう。新たなホテルのオープンや既存ホテルのリノベーションが相次ぐワイキキで今、話題となっているのが、今年4月にオープンしたハワイ初のカプセルホテル「ファーストキャビン・インターナショナル・ハワイ(First Cabin International Hawaii)」です。
「せっかくハワイまで出かけたのに、カプセルホテルじゃ味気なくない?」なんてことはありません。
使い方次第で宿泊代を節約できるだけでなく、ハワイの楽しみ方がぐ~んと広がるんですよ。
実際に滞在してみた感想と、より便利でリーズナブルな利用方法をご紹介します。
ワイキキの中心だから、ビーチもグルメも思いのまま
ホテルを手掛けるのは、羽田空港、関西空港ターミナル内など日本国内に10施設を展開する「ファーストキャビン」。都内では赤坂や市ケ谷、ほかにも京都、大阪の梅田などに施設があり、実際に宿泊した人もいるはずです。
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上/カラカウア通りに面して、目の前がロイヤル・ハワイアンセンター。下/フロントデスクがある共用ラウンジからは、ピンクパレスとワイキキビーチを一望。ここから眺めるサンセットの美しさも自慢の一つ。
ハワイにオープンしたのは、ワイキキのメインストリート、カラカウア通りのほぼ中央に位置するワイキキ・ビジネス・プラザ14階。1階に「H&M」が、最上階にルーフトップバーが人気の「スカイ・ワイキキ」があるビル、といえばわかりやすいでしょう。目の前がロイヤル・ハワイアンセンターで、ビーチまでは徒歩約3分。さらにレセプションがある共用ラウンジからはワイキキビーチを一望できる、絶好のロケーションなのです。
ミニキッチン、ランドリーに、サウナ付き。さらにプライバシー重視でセキュリティも万全
日本の「ファーストキャビン」と異なるのは、プライバシーを重視して、すべての客室が内側から鍵を掛けられること。共有ラウンジには、電子レンジ、トースター、コーヒーメーカー、ウォーターサーバーなどを備えたミニキッチンがあります。料理まではできないけれど、スーパーマーケット、デリで購入したお惣菜や、テイクアウトのプレートランチを温められるし、水筒かペットボトルを持参すればミネラルウォーターを購入する必要はありません。USBボードとコンセントを備えた大テーブル、ゆったり過ごせるソファ席、2~4名で過ごすのに便利なカフェ風のスペースもあり、Wi-Fi完備だからリモートワークもOK。
男女別のシャワールームのほか、ランドリー、小さいながらプレイベートサウナもあります。監視カメラを備えているうえ、フロンドデスクにはスタッフが24時間常駐し、施設のエントランス、各カテゴリーのキャビン・エリア、シャワールームへはチェックイン時に提示されたコードを入力する必要があるため、セキュリティ面も安心です。
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左上/共用ラウンジのミニキッチン。左下/トイレ&シャワールームは、男女別のほかジェンダー用も。右/ランドリーも完備。
航空機のファーストクラスをイメージしたキャビン
客室のことを、ここではキャビンと呼びます。日本の施設を利用したことがある人ならご存じでしょうが、ビジネスホテルよりリーズナブルで従来のカプセルホテルより高級感がある“コンパクトホテル”がコンセプト。プレミアムエコノミー、ビジネスクラス、ファーストクラスの3カテゴリーに分かれ、最もリーズナブルなのが全90室あるプレミアムエコノミー。男女共用、男性・女性それぞれ専用の3エリアがあり、例えば女性だけなら女性専用エリア、男女ミックスルのグループなら男女共有エリアというように、メンバー構成に応じて選べます。
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2フロア構成のプレミアムエコノミーは1泊120ドル~。各キャビン内にWi-Fi、テレビ、セキュリティボックスを完備し、大きなスーツケースは共用部分にチェーンロック付きの収納スペースがある。すべてのキャビンは内側から鍵をかけられるから安心して眠れる。
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全9室のビジネスクラスはキャビン内の天井が高いのが特徴。グループでエリア丸ごと借り切って利用するのも楽しそう。
次にランクの高いビジネスクラスは男女共用で全9室。キャビンの広さと設備はプレミアムエコノミーとほぼ同じですが、天井が高い分だけゆったりとしたイメージ。
もっともランクの高いファーストクラスは男女共用で全4室。セミダブルサイズのベッド、サイドテーブルを備えたキャビン内には、スーツケースを広げられるスペースがあります。また、プライベートソファとテーブルがある共有スペースは、窓が大きくてホテルのラウンジといった雰囲気。
今回はファーストクラスに滞在しました。キャビンの広さは、ビジネスホテルのシングルルームくらい。ファーストクラス専用ラウンジの窓からはダイヤモンドヘッドとワイキキビーチが眺められ、夜はワイキキの夜景が一望のもと。さらに、プライベートソファの座り心地のいいこと! リモートワーク、読書、夜景を眺めながらまったり過ごすなど、思い思いの時間を過ごせます。
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全4室のファーストクラス。キャビン内も共用エリアもゆったりとしていて、ベッドの下は収納スペースに。
おひとりステイにもってこい! グループやファミリーでエリア貸し切りもOK
最も利用価値が高いのは、おひとりハワイステイ。ひとり旅で最も割高感があるのがホテル代ですが、ここならもっともランクの高いファーストクラスを利用しても、エコノミーホテルの客室をひとりで予約するよりずっと割安。しかもワイキキの中心というロケーションは魅力的です。ザ・バスやトロリーを利用してどこへ行くのも便利なうえ、夜の遅くの外出も安心。全9室のビジネスクラスと全4室のファーストクラスは、エリア丸ごと貸し切れば割引料金が適用されるとのこと。グループやファミリーの場合、それぞれ個室のキャビンで眠れるから、ホテルでオプショナルのベッドをリクエストしたり、コネクトルームを利用するより使い勝手がよく快適かも?
ほかには、離島へ行く前後の宿泊、早朝・深夜のフライト時など、短い滞在時間でシャワーと眠るだけの場所がほしいとき、また急な欠航時にも心強い味方になってくれます。最低3時間から1時間単位でデイユース可能で、シャワーだけの利用や荷物の預かりにも対応してくれます。チェックイン・アウト前後の休憩に使ってもいいですね。
ハワイ初のカプセルホテルの利用方法はさまざま。滞在スタイルの一つに加えれば、もっと気軽にハワイの旅が実現しますよ。
●ファーストキャビン・インターナショナル・ハワイ
First Cabin International Hawaii
2270 Kalakaua Ave., Honolulu
TEL 808-207-5000
チェックイン・アウト/15:00・10:00
※空室があれば有料でレイトチェックアウトが可能
料金/1泊120ドル~、デイユースは1時間20ドル~(最低3時間より)