航空ファンがラスベガスに降り立った時に飛行機を身近に感じることの出来るスポットがあります。観光の隙間の時間で楽しめることから、是非訪問を検討してみてください。
空港南側の滑走路沿いで迫力の撮影体験を
ラスベガス・ハリー・リード国際空港の南側には、航空ファンにとって見逃せない絶好の撮影スポットがあります。East Sunset Road沿いからは、滑走路に進入・離陸する旅客機を間近で見ることができ、その迫力に圧倒されます。背後にラスベガスのアイコンとなる有名ホテルが林立しますので、離陸時に飛行機と絡めて撮るのがオススメです。
ここへの訪問は、レンタカーで移動が多くなると思います。空港で借りるレンタカーはほぼ全社が集まるハリーリード・レンタカーセンターから出発することになり、撮影ポイントはその場所からすぐのところにあります。
特に午前中は順光で、撮影にも適した時間帯です。駐車スペースも比較的確保しやすいため、気軽に立ち寄ることができます。ただし、多くの場所でフェンスが高いので、脚立があればさらに良い写真が撮れます。
アートと航空の融合、AREA15のDC-3に注目
近年話題の複合エンタメ施設「AREA15」では、航空ファンにとってうれしい展示が行われています。敷地内に鎮座しているのは、第二次世界大戦時代の輸送機「DC-3」です。アートインスタレーションの一環として設置されたこの機体は、ヴィンテージ機ならではの風格を感じさせつつ、現代的なアート空間とのコントラストが楽しめます。
夜間はライトアップされ、幻想的な雰囲気も味わうことができます。機体番号はN37906で、サザンフライヤーが所有する1944年製造の機体です。80年の時を経て、ラスベガスの地でお披露目されています。
航空機モデルの宝庫、The Airplane Shopを訪ねて
ハリー・リード国際空港の西側、ウィンディロード沿いには、航空機模型の老舗「The Airplane Shop」があります。この店舗は、航空ファンの間では“聖地”として知られており、数百種にものぼる模型が所狭しと並んでいます。この場所はモデルブランド「Gemini Jets」の本社でもあり、1/200、1/400スケールの旅客機モデルを中心に、軍用機、ヘリコプターまで、多様なラインナップが魅力です。
さすが地元のモデルと思わせるのは、1/200のボーイング737-600型です。世界にもここだけと言われる謎のベールに包まれた超極秘なエアライン。アメリカ空軍の施設エリア51などに従業員を輸送するJANETです。社名も無く赤いチートラインが引かれているだけの機体は、このラスベガスを基地としています。
今回、店舗では社長兼オーナーのエリオットさんにお話を伺うことができました。「私たちの使命は、航空への情熱を共有することです」と語るエリオットさんは、自身も生粋の航空ファン。1990年代から模型業界に携わり、GeminiJetsというブランドで世界中にファンを持つ存在です。「ラスベガスは空港が街の中心にあり、航空に触れやすい都市。だからこそ、この地でショップを続ける意味があります」と語ってくれました。さらに詳しく聞いてみました。
‐アメリカではどのくらいの航空機モデルショップがあるのでしょうか
「アメリカ全土で125ほどになり、ネバダはここを含めて3か所になります」
-どのくらいのモデル数を製作しているのですか。
「5週に1機の頻度で新しい種類の機体を製造し、月産2万機で年産24万機になります」
-スケールはどのサイズが多いのでしょうか?
「Geminiでは1/400と1/200を半々で製造しています。アメリカでは1/200、アジアでは1/400、欧州では半々という傾向があります」
-エアラインの特注モデル製作が得意ですよね?
「勿論、とても多いですよ。アメリカではデルタ、アメリカン、ユナイテッドが多く、海外ではエミレーツがビッグカスタマーです。日本のエアラインはライセンスの関係でなかなか難しいです」
販売はトッドさんが仕切り、SNSを使い情報発信も行います。訪問日は、モデルを買ってくれた人をSNSで紹介する写真を撮っていました。
ラスベガスは航空ファンにとっても魅力的な街です
カジノやショーのイメージが強いラスベガスですが、実は飛行機好きにとっても見どころのある街です。迫力の撮影スポット、アートとしての航空機、そして世界有数の航空模型ショップ。次回ラスベガスを訪れる際は、ぜひ航空ファン目線で街を巡ってみてはいかがでしょうか。
取材協力
The Airplane Shop ⇒ https://www.airplaneshop.com/
Gemini Jets ⇒ https://www.geminijets.com/