日本から直行便のできた中国海南省の海南島。南端に位置する三亜は、美しいビーチと温暖な気候で知られる人気のリゾート地です。その中でも、海棠湾(かいとうわん)に面したリゾートエリアに2018年にオープンしたアトランティス三亜は、世界的なアトランティスブランドの名にふさわしい壮大な施設を誇ります。本記事では、その圧倒的なスケールと、世界有数の水族館を備えたこのホテルの魅力を紹介します。
世界でも有数規模のホテルはアトランティス三亜
世界にはアトランティスホテルは3軒のみで、そのうち2軒はドバイに、1軒は三亜にあります。その希少さ故に、1314室あるホテルと取り巻く施設からなるリゾートの存在感から海南島全体を表現する言葉が中国のハワイから「中国のドバイ」と評されるようになりました。それほどまでに、三亜は全中国人の国内リゾート地として憧れの存在になりつつあるのだと言えます。
アトランティス三亜は、まるで異世界に迷い込んだかのような壮麗な外観を持っています。建物は上階に行くほど床面積が狭まる巨大なタワー型で、ホテルには緑豊かな庭園やラグーンが広がります。敷地内にはウォーターパーク、高級レストラン、ショッピングエリアなどが揃い、訪れる者を飽きさせることがありません
実際に訪問してみた
このホテルを実際に訪問した率直な感想は「けた違いのリゾート」を感じることの出来る空間でした。ロビーに入るとチェックインカウンターの数が多く、人が滞留することはありません。例え、待たされることがあったとしてもロビー横にある水族館の水槽を眺めていれば苦にならず、時間が過ぎていくことでしょう。
世界有数の水族館「ザ・ロストチェンバー」
このホテル最大の魅力の一つが、この広大な水族館「ザ・ロストチェンバー」です。アトランティス伝説をテーマにしたこの水族館には、1万5千トンの水槽の中に8万6千匹の海洋生物が生息し、まるで海の中にいるかのような幻想的な雰囲気を体験できます。特に、高さ8メートルに及ぶ巨大なアクリルパネル越しに眺める海洋生物のシロイルカ、サメ、エイなどの群れは圧巻であり、訪問者を魅了します。
2021年にはこの水槽で110人のプロダイバーがマーメイドの衣装をまとい水中ショーをしたことで世界記録も生まれています。人が水槽にいることで、ほっとした空気が流れるのもホテルの滞在には重要ですね。
海中の夢「アンダーウォータースイート」
アトランティス三亜の特別な宿泊体験として、5部屋のみの特別な「アンダーウォータースイート」があります。この部屋は、寝室の大きな窓が水族館の一部になっており、まるで海中で眠るような感覚を味わうことができます。静かに泳ぐエイやサメが目の前を通り過ぎる幻想的な風景は、他では味わえない贅沢なひとときを提供します。お子様連れのファミリーには特にお勧めです。
145.5㎡の広さのある108号室の「ネプチューンアンダーウォータースイート」を見ることができました。この部屋はベッドルームとバスルームから水槽が見えるのです。自身も浴槽に浸かりながら魚を眺めるなど、他では出来ない体験です。
水族館好きな人であれば、ベッドから一晩中魚の生態を見ることが可能です。目が覚めても目の前に魚が群泳している状況だと睡眠不足は間違いなしですね。自分の好きな態勢で堪能できる水中世界は生涯記憶に残る楽しい旅の思い出になるはずです。
空の上のスイートルームへ
非日常を高層階で味わいたい場合には、シグネチャースイートで51階と52階にあるロイヤルスイート(564㎡)を試してみるのも良いかも知れません。大きな窓からは美しい南シナ海の絶景が広がります。眼下には、ホテル敷地内のウォーターパークや海棠湾に点在する、他の世界的チェーンのリゾートホテルが並ぶ様子も見て取れます。この場合、水槽はロビーに降りて見ることにしましょう。
そして、アトランティス・三亜の最大のスイートはベッドルームが3室もあるインペリアルスイート(1061㎡)になります。ここなどは広すぎて落ち着かないかもしれません。ペントハウスの滞在は、三亜の王様にでもなった気分でしょう。1泊しかないのであれば、部屋の中で足を踏み入れることの無い場所がいくつかありそうです。
充実したエンターテインメントとレストラン
ホテル内には、ウォーターパーク「アトランティス・ウォーターワールド」も併設されており、36ものウォータースライダーや流れるプールなど、多彩なアトラクションを楽しむことができます。
ホテルには10軒のレストランがあり、中華料理、シーフード、イタリアンなど世界各国の美食を堪能できます。特に、ミシュラン星付きシェフによるレストランは、グルメな旅行者にもお勧めです。自信を持って世界の人を中華の世界に引き込むことのできる「松鶴楼」は1757年に創業した老舗。海南・広東料理を食べることが出来ます。
日本食の「四葉」は中国版のミシュランと呼べる「黒真珠」を受賞しています。枯山水と苔石のある庭園が食事をより和の世界へ引き込んでくれます。
夢のホテルのまとめ
アトランティス三亜は、単なるリゾートホテルにとどまらず、水族館、ウォーターパーク、巨大なバンケット施設を備えた総合的なエンターテインメント空間です。家族旅行やカップル、ラグジュアリーな滞在を求める旅行者にとって、ここはまさに夢のような場所になります。海南島を訪れる際は、ぜひ一度体験してみる価値がありそうです。
今回紹介した三亜を有する海南島の玄関口「海口美蘭国際空港」は、2025年4月1日から現在の運航している海南航空での成田空港の週1便に加え、関西空港の週3便の同航空直行便の開設が始まり、より便利にアクセスができるようになります。
画像:特記以外は筆者撮影
取材協力
・アトランティス三亜:https://www.atlantissanya.com/
・中国駐東京観光代表処:https://www.cnto-tokyo.jp/
・中国駐大阪観光代表処:https://www.cnta-osaka.jp/
・海南省旅行文化広電体育庁:http://jp.explorehainan.com/