旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2024年11月24日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

OMOレンジャーの案内で、ディープに楽しむ「金沢21世紀美術館」~伝統文化に触れる石川の旅⑤

案内役は、OMOレンジャーのほりまろさん。「金沢のことなら、おまかせ!」という、頼りになる存在。zoom
案内役は、OMOレンジャーのほりまろさん。「金沢のことなら、おまかせ!」という、頼りになる存在。
“テンションあがる「街ナカ」ホテル”がコンセプトの「OMO(おも) by 星野リゾート」。
北陸随一のグルメタウン、金沢片町に立つ「OMO5 金沢片町 by 星野リゾート」では、この街をこよなく愛するスタッフが案内してくれるガイドツアーがいくつか用意されています。私が選んだのは、「金沢21世紀美術館お散歩ツアー」。現代アートを展示し、日本を代表する美術館まではホテルから歩いて約5分の場所にあります。

OMOオリジナルツアーは、ディープなのに無料!
金沢市の中心部に位置する「金沢21世紀美術館」(以下、美術館)の創設は2004年。目の前が金沢市役所、日本三大名園の一つに数えられる「兼六園」も近く、まさに金沢の中心といえる場所です。水をたたえたように見えるレアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》がよく知られていますが、そのほかにも見どころがいっぱい。敷地全体が緑地公園になっていて、散策は自由。さらに館内は有料の展覧会ゾーンと無料の交流ゾーンに分かれ、特色ある展示会を開催するほか、建築と一体化したアート作品を鑑賞することができます。
ツアー案内役は、前日の「生らくがん作り体験」でもお世話になったOMOレンジャーの“ほりまろ”さん。ホテルから美術館までのわずか数分の間にも、街の歴史、散策後のランチや夜に訪れてみたい居酒屋など、おすすめをいくつも紹介してくれました。
円形の建物の外には美術館のシンボル、球体のパビリオン《まる》が見えます。妹島和世+西沢立衛/SANAA《まる》2014年。zoom
円形の建物の外には美術館のシンボル、球体のパビリオン《まる》が見えます。妹島和世+西沢立衛/SANAA《まる》2014年。
美術館の建築コンセプトは、“まちに開かれた公園のような美術館”。交流エリアのオープンは午前9時。有料チケットが必要な展覧会ゾーンの開館は午前10時からなので、その前に無料エリアを楽しみます。まず目を引くのが、ステンレスの鏡面の球体が16個集まった屋外展示で、球体のパビリオン《まる》。その隣で地面からニョッキと生えているように見えるのが、フロリアン・クラール《アリーナのためのクランクフェルト・ナンバー3》。12個のチューバ状の管には仕掛けがあり、ぜひその楽しさを体験してみてください。

中庭のような空間で正方形の天井が切り取られているのが、ジェームズ・タレル《ブルー・プラネット・スカイ》。お天気と時間帯によって光が変わり、ほりまろさんいわく、「一日中見ていても飽きません」。晴れた日はもちろんいいのですが、雨の日に四角形から降り注ぐ雨を眺めていると、気分が落ち着くのだそう。夕刻、空の色が青から茜色、濃い青へと変わっている様子を眺めるのもよさそうです。
加賀友禅をモチーフにしたマイケル・リン《市民ギャラリー2004.10.09-2005.03.21》2004。ここはロッキングチェアでくつろげるスポットになっています。zoom
加賀友禅をモチーフにしたマイケル・リン《市民ギャラリー2004.10.09-2005.03.21》2004。ここはロッキングチェアでくつろげるスポットになっています。
このツアーは、「もっと美術館の魅力を伝えたい」との思いから、OMOと美術館のスタッフが試行錯誤を重ねながら考案したもの。美術館設立までの背景やコンセプト、パンフレットには載っていないディープな話を聞きながら鑑賞することで、このツアーでしか体験できない魅力を満喫できます。ちなみに展覧会エリアの人気スポット《スイミング・プール》地下部の入場は予約制。お散歩ツアーが終わる時間に合わせ、予約しておくことをおすすめします。

◎金沢21世紀美術館
https://www.kanazawa21.jp/
◎金沢21世紀美術館お散歩ツアー
無料(宿泊者限定) ※前日までに要予約
昭和レトロな飲食街で見つけたチェコ料理店へ
金沢にはひがし茶屋街、西茶屋街など、その名を知られた飲食店街がいくつかありますが今回、ディナーに出掛けたのは昭和レトロな風情漂う「金沢新天地飲食街」。戦後まもなく発足した飲食店街で、迷路のような路地に隠れ家的なお店があり、地元の人が行きつけにしている店が多いといいます。
歴史ある居酒屋が軒を連ねる、金沢新天地飲食街。zoom
歴史ある居酒屋が軒を連ねる、金沢新天地飲食街。
OMOレンジャーのおすすめで訪ねたのが、チェコ料理「DUB(ドゥブ)」。カウンターだけのこじんまりとした店は、おひとりディナーにぴったり。可愛らしい東欧の小物や、オーナーシェフ自ら現地で買い付けてきた食器にも目を奪われます。料理とともに、チェコビールとシェフとのおしゃべりを楽しみました。
歴史ある居酒屋が軒を連ねるなか、チェコ料理の「DUB(ドュブ)」は、地元の女性に人気のレストラン。zoom
歴史ある居酒屋が軒を連ねるなか、チェコ料理の「DUB(ドュブ)」は、地元の女性に人気のレストラン。
◎DUB(ドゥブ)
TEL 080-6366-3322(予約をおすすめ)

食はもちろんのこと、歴史や文化、伝統工芸など、お楽しみに事欠かない金沢。歩いて行けるエリアにバラエティに富んだ飲食店が集まっていて、この街で暮らす人がうらやましくなってきました。思い立ったら新幹線に飛び乗って行けるアクセスの良さも魅力。足しげく通い、自分だけのお気に入りスポットも見つけてみたいものです。

◆OMO5 金沢片町 by 星野リゾート
石川県金沢市片町1-4-25
TEL 050-3134-8095(OMO予約センター)
1泊1室16,000円~(税込み、食事別)
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo5kanazawakatamachi/
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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