旅の扉

  • 【連載コラム】coffee x
  • 2024年11月18日更新
旅先のカフェで想うこと
カフェエッセイスト:ベルナドン(安齋)千尋

Coffee x Chocolat des Princes

Grêlons du pilatzoom
Grêlons du pilat
丁寧に焙煎されたコーヒーにChocolat des Princesのチョコレートはいかがでしょうか。当店自慢の、Grêlons du pilatは1976年にフランスのベストチョコレートに選ばれ、120年以上続く伝統のレシピで作られたガナッシュの口溶けと、工場で挽いたヘーゼルナッツをさくらんぼのブランデーに漬けた芳醇な香り、さらにガナッシュを包むミルクチョコレートが口の中でカランと砕ける幸せが絶品です。今回のCoffee x は、私がポップアップストアの店長をつとめる小さなチョコレート屋さんを紹介します。
Galerie Lafayette Limoges店のポップアップストアzoom
Galerie Lafayette Limoges店のポップアップストア
1897年SaintーEtienne市に創業したショコラトリーChocolat des Princesでは、現在9人のショコラティエが丁寧に手作りしています。仕事を受けるにあたって、私は1泊2日でチョコレート工場に研修に行きました。チャーリーがいたら、、、と心はずむ工場見学では、朝早くから煎ったアーモンドやヘーゼルナッツを挽くいい香りと、プラリネやガナッシュを伝統的なレシピで作っていく工程、おばちゃんたちが最後の仕上げの粉砂糖のお化粧を手作業で進める様子にうっとりです。プラリネひとつとっても、素材の味と塩梅良く加えられたカカオバターと砂糖でツヤツヤ。全ての工程で味見をさせてくれて、フランス語がぎこちない私にも伝えようとしてくれるレシピと素材への自信とチョコレートに込められた想いに感動したのでした。また先代のオーナーはあのポールボキューズの甥にあたり、自分が美味しいものを繋ぐことに誇りを感じていることもなんだか素敵なストーリーです。
プラリネを作るショコラティエzoom
プラリネを作るショコラティエ
さて、フランスでの初めての仕事は、夫の友人である女性シェフが推薦してくれたものです。今までのキャリアとは違うし、年齢にあった仕事ではないのかもしれないけど、心のこもったチョコレートを売るなんて夢があって心躍るアイデアで、しかも店長という立場で任される案件に魅力があり、引き受けることにしたのです。初めての海外生活で挑戦したロンドンのベーカリーカフェで働いていた20代の自分と、ぶち当たる言葉の壁による悔しさは笑ってしまうくらい同じで、初日は昼休みにサンドイッチとコーヒーを飲みながら自分にがっかりしましたが、この機会を成功に終わらせるために頑張れ自分!ギャラリーラファイエットLimogesのポップアップストアは、11月中旬から12月31日までです。
カカオバターから丁寧に作られる至福の香りzoom
カカオバターから丁寧に作られる至福の香り
私はここに書いたことをフランス語で伝える練習をする日々ですが、繊細なチョコレートは手作業でひとつづつ箱詰めされて、金色のチョコレートの王子様の紋章をつけて待っています。どうかたくさんのお家に、このクリスマス感動が届きますように☆
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Chocolat des Princes https://www.chocolatdesprinces.fr/

Boutique de la chocolaterie

1220, route de Bayard
ZA de Châteaubon
42580 La Tour-en-Jarez
Tel : 04 77 91 15 30

カフェエッセイスト:ベルナドン(安齋)千尋
When you direct is the only time you get to have the world exactly how you want it – Sofia Coppola.

1984年東京生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業
フランス在住コラムニスト、本業はサーキュラーエコノミーコンサルタント

外国で生活することに憧れ、どこにいても埋もれないようにと、京都にある柊家旅館で仲居をしながら日本を修行しました。2010年ロンドンに始まり、たくさんの宝物の出会いを経て、現在フランスはパリから5時間の小さな村に住んでいます。日々の幸せはカフェにあり。コーヒーを飲みながら、季節のこと、映画のこと、やっぱり気になる国際政治、暮らすように旅をする、をテーマに日常のキラキラした瞬間を書き留めています。
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