旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2024年9月21日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

客室を一新したハワイの「シェラトン・プリンセス・カイウラニ」は、モダンとレトロの両方を楽しめるホテル

ワイキキの中心にありながら、どこかオールドハワイの雰囲気を味わえるプールサイド。zoom
ワイキキの中心にありながら、どこかオールドハワイの雰囲気を味わえるプールサイド。
ロコの人たちが親しみを込めて“PK(ピーケー)”と呼ぶ「シェラトン・プリンセス・カイウラニ」の誕生は1955年。ハワイ統一を果たし、ハワイ王国を建国したカメハメハ大王を讃えるキング・カメハメハデーの6月11日に開業しました。現在は高層のビルが立ち並ぶワイキキですが、当時はワイキキで最も高層のホテルとして話題になったのだそうです。ワイキキの中心にありながら比較的リーズナブルな宿泊料金に加え、どこか懐かしさを感じる雰囲気も人気の理由。そのホテルが2024年、客室のリノベーションを完了し、改めて注目度が高まっています。

美貌の王女ゆかりのホテルは、ロビー周辺のレトロ感が素敵!
ホテル名の由来になったカイウラニ王女は、カラカウア王の妹・リケリケ王女とスコットランド人実業家の父の間に生まれた一人娘。“王国最高の美女”と呼ばれるほど美貌の女性でした。彼女の邸宅跡に建てられたホテルがあるカイウラニ通りと、クヒオ通りの交差点のバス停付近には、彼女の像が建てられているので、その美しい佇まいをぜひ目で見て確認してください。
左上/エントランスには、かつてカイウラニ王女が腰かけたと伝わるベンチが残る。右上/カラカウア通りに面した小さなゲート。左下・右下/王女の肖像画や王室ゆかりの品々が並ぶパブリックスペース。片隅に卓球台も!zoom
左上/エントランスには、かつてカイウラニ王女が腰かけたと伝わるベンチが残る。右上/カラカウア通りに面した小さなゲート。左下・右下/王女の肖像画や王室ゆかりの品々が並ぶパブリックスペース。片隅に卓球台も!
ホテル内に一歩足を踏み入れると、古き良きハワイを感じるレトロ感に癒されます。ロビー、エレベーターホールなどパブリックスペースはどこも広々としていて、チェックインの前後にくつろげるスペースが豊富。カイウラニ王女をはじめとしたハワイの王族の肖像画や写真、歴史を物語る展示品、書籍や写真集を眺めて過ごすのも楽しいもの。卓球台が置かれているスペースもあり、腕が鳴る人もいるはずです。

メインエントランスはカイウラニ通りという小さな通りに面していますが、滞在中はプールサイドからカラカウア通りに抜けるこじんまりとしたゲートを利用するのがおすすめ。目の前がモアナサーフライダーという便利なロケーションにありながら、ゲートをくぐると空気が一変。夕暮れになるとプールサイドから流れてくるライブのハワイアンミュージックにも耳を傾けたくなります。

“ワイキキのファーストレディー”の向こうにワイキキビーチを一望できる客室
海岸をイメージし、スカイブルーの壁紙を中心に一新されたのは、アイナハウタワーの客室。ビーチから1ブロック離れているにもかかわらず、80%以上の客室から海が見えることが自慢です。タワーオーシャンビューからは、モアナサーフライダーとその背後のワイキキビーチを眺められ、爽快感抜群! 客室のスペースもゆったりしていて、例えば2人で滞在し、大きなサイズのスーツケースを広げても余裕の広さ。この広さとロケーションのよさで300ドル台から泊まれるホテルは、ワイキキじゅうを探してもそう多くありません。
リノベーションが終わったばかりの客室は、ブルーを基調にした爽やかなインテリア。zoom
リノベーションが終わったばかりの客室は、ブルーを基調にした爽やかなインテリア。
オーシャンビューの客室からは、ワイキキビーチを一望。zoom
オーシャンビューの客室からは、ワイキキビーチを一望。
ハワイのベストフードに選ばれたバーでお得なハッピーアワーを
ホテル滞在中にぜひ訪れたいのが、朝食からディナーまで楽しめるオールデーダイニングの「スプラッシュ・バー」。地元誌「ホノルルマガジン」が読者の投票によりハワイのベストレストランを選ぶハレアイナ賞で、バーフード部門の金賞を2年連続で獲得していることもあり、料理の美味しさはお墨付き。午後3時から5時の間のハッピーアワーなら、その料理をお得な価格で味わえます。
時間を選ばず利用できるオールデーダイニングの「スプラッシュ・バー」。zoom
時間を選ばず利用できるオールデーダイニングの「スプラッシュ・バー」。
ビールにぴったりなのは、チリガーリック味の枝豆、フィンガーフード感覚で食べられるミニタコス、トリュフ風味のフライドポテト、豪華なメニューでは1皿でいろいろな味を楽しめるサンプラー・プレートなど。2~3人でシェアして食べても十分なボリュームがあるので、早めのディナーにおすすめです。ドリンク類は、コナ・ブリューイングのドラフトビールが2ドル割引になるほか、特製カクテルが登場します。

ハッピーアワーメニューは7ドルから。左上/ガーリック味の枝豆7ドル、右上/スマッシュ・スライダー・タコス11ドル、右下/「ダ・シート・パン」サンプラー・プレート30ドル。zoom
ハッピーアワーメニューは7ドルから。左上/ガーリック味の枝豆7ドル、右上/スマッシュ・スライダー・タコス11ドル、右下/「ダ・シート・パン」サンプラー・プレート30ドル。
無料アクティビティ&姉妹ホテルのプログラムも楽しんで!
滞在中のお楽しみが、ウクレレレッスン、レイメイキングなどの無料アクティビティ。さらに、姉妹ホテル「モアナサーフライダー」の朝ヨガに参加できるほか、「シェラトン・ワイキキ」「モアナサーフライダー」のレストラン利用料金をお部屋にチャージして支払うことが可能です。
モダンな客室へとリノベーションが着々と進んでいるホテルですが、随所に感じられるレトロな香りはほかのホテルにはない味わい。プリンセスゆかりのホテルで、古き良きハワイに想いを巡らせる時間もいいものですよ。

◆Sheraton Princess Kaiulani
シェラトン・プリンセス・カイウラニ

120 Kaiulani Ave., Honolulu
TEL 808-922-5811
料金:ワイキキビュー249ドル~、タワーオーシャンビュー324ドル~ 全1152室
チェックイン15:00/アウト11:00
Splash Bar
スプラッシュ・バー
営業時間:6:30~21:00(バーは~22:00、ハッピーアワーは15:00~17:00)
https://www.marriott.com/ja/hotels/hnlks-sheraton-princess-kaiulani/overview
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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