室内の光を完全に遮断した純度100%の暗闇の中で、視覚以外のあらゆる感覚やコミュニケーションを楽しむ「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」を体験されたことはありますか?視覚障害者のアテンドの案内により、暗闇の中で数名の参加者とともに様々なプログラムを体験するソーシャルエンターテインメントです。
東京の日常でまっ暗闇を体験することはまずないので、ここに足を踏み入れること自体、ドキドキですが、暗闇をものともせず、楽しく参加者を案内してくれるアテンドさんに案内されるうち、聴覚や触覚、嗅覚、味覚など、普段、自分があまり意識していない自分のからだの感覚が研ぎ澄まされてくるのが不思議で、私はこれまで何回も参加しています。
見知らぬ参加者の方々とも、90分間の運命共同体になったかのようになぜか盛り上がる楽しい体験でもあります。
さて、毎年夏は、夏季限定プログラム「暗闇の夏祭り」が開催されていますが、今年は1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」を受け、能登地方の伝統芸能や味覚を楽しむことのできるプログラムに変更し、開催中(〜8月31日まで)。
7月15日(月・祝)には石川県輪島市名舟町に伝わる無形文化財の和太鼓、御陣乗太鼓も会場にて特別実演される予定です。
3連休の最終日、おでかけになってみてはいかがでしょうか?
「暗闇の夏祭り」に込めた想いを、主催する一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティはこう話しています。
「震災前の美しい景色や文化を感じてほしい」「私たちにできる支援は、美しい能登の景色や文化を、多くの皆さんに五感で感じていただき、ゲストそれぞれが能登に思いを馳せるきっかけの場を作ることだと考えました。プログラムの実現に当たっては、石川県で復興支援の活動を続ける松中権氏、石川県輪島市の御陣乗太鼓保存会、七尾市にある中央茶廊 窪丈雄氏、のと未来トークの皆様にご協力いただきました」
収益の一部は能登復興のための支援金として活用されるそうです。
能登の夏祭りと言えば、「御陣乗太鼓」。輪島市名舟町に伝わる郷土芸能で、1577(天正5)年、上杉謙信の軍勢が名舟に攻め込んだ時に、鬼や亡霊の面に海藻の髪を振り乱しながら太鼓を打ち鳴らす奇襲を仕掛け、上杉軍を追い払ったとされる勇猛果敢な太鼓です。
真っ暗闇の夏祭りで、御陣乗太鼓は参加者の胸にどんなふうに響くでしょう。
体験の内容はネタバレになるので秘密ですが、私が参加した回の様子を少しだけ披露すると、参加者には、たまたまご両親が能登出身の男性もいれば、一度も能登半島のある石川県を訪れたことのない女子もいました。私は何度か夏と冬に旅行したことがあります。そんなバラバラなバックグラウンドを持った人たちとの会話は、知らない者同士、誰が話しているのかも見えないし、ならば気軽に声を出してみようかなと思えるからか、意外に盛り上がるものだなぁと感心します。
もちろん元気なアテンドさんのリードが上手なのでしょう。
能登で知っていることを挙げてみたら、それぞれさまざまなイメージや思い出が出てきました。
御陣乗太鼓はもちろん、朝市のにぎわい、新鮮なお魚、子供の頃に夏休みに行った海と島、美しい輪島塗、羽咋市の塩田、千里浜なぎさドライブウェイ・・・。出てくる、出てくる。能登はやはり魅力あふれる場所です。
なかに、「金沢!」と言った人も(笑)。即座に、能登の方に「金沢から能登まで車で3時間かかります」と指摘され、一同大爆笑。
お楽しみは他にもいろいろ。美味しい能登の味覚もあり! 童心に返り、あっという間の90分。能登の夏祭りを旅した気分が味わえること請け合いです。
そして、自分にも、能登に何かできることがあるかもしれないと考える体験でした。
*能登応援企画「暗闇の夏祭り」開催概要
【開催期間】7月9日(火)〜8月31日(土) ※一部、休演日あり
【開催場所】
ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」(東京都港区海岸1丁目10−45 アトレ竹芝 シアター棟 1F)
https://maps.app.goo.gl/gBBAfXjmVUeTST4z7
【体験時間】約90分
【料金(税込)】大人 3,850円 /学生 2,750円 / 小学生 1,650円
【WEBサイトより事前予約制】
https://did.dialogue.or.jp/
*特別企画 能登半島/輪島市名舟町「御陣乗太鼓」実演について
【場所】
ダイアログ・ダイバーシティミュージアム 「対話の森」 (東京・竹芝)
【日程】7月15日(月・祝)15時/18時(実演15分)
【定員】各回定員40名
【料金】無料
【注意事項】・申し込み多数の場合、抽選。
【申込み】詳細は https://did.dialogue.or.jp/