旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2023年9月22日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

ハワイアン航空・日本路線の機内食リニューアルで、ハワイ気分がぐ~んとアップ!

9月1日からリニューアルしたハワイアン航空の創作ハワイアンメニューの出来立てをシェフズテーブルで試食。zoom
9月1日からリニューアルしたハワイアン航空の創作ハワイアンメニューの出来立てをシェフズテーブルで試食。
ハワイアン航空は名前からもわかるように、ハワイ州を本拠地とする航空会社。日本~ハワイ間は、成田、羽田、関空、新千歳、福岡から定期便が運行しています。その日本路線の機内食が9月1日から一新されました。通常では機内でしか食べられないメニューを、シェフ自らが目の前で調理してくれるシェフズテーブルで味わってきましたよ。

ハワイの有名シェフとのコラボを楽しめる機内食
“乗った瞬間からハワイ気分”を楽しめるハワイアン航空。魅力の一つが、ハワイで活躍する有名シェフとコラボレーションした機内食です。9月1日からリニューアルした機内食を手掛けるのは、東京・目黒でシェフズテーブルスタイルのモダン・アメリカン・レストラン「Mark’s Tokyo」を手掛ける、マーク関田シェフです。
メニューを監修したマーク関田シェフは、日本人の父とイタリア系アメリカ人の母をもつ。zoom
メニューを監修したマーク関田シェフは、日本人の父とイタリア系アメリカ人の母をもつ。
「えっ! ハワイのシェフじゃないんじゃないの?」と思った方もいることでしょう。確かにそうなのですが、関田シェフとハワイ、そして日本の間には、深く強いつながりがあるのです。

「ハワイは第二の故郷」と話すシェフは、日本人のお父さまとイタリア系アメリカ人のお母さまをもち、カリフォルニア州サンフランシスコに生まれました。お父さまは和食の料理人、祖父母は和菓子屋を営んでいといい、日本食はとても身近なものだったのだとか。大学卒業後、いったんは証券会社でキャリアを積んだシェフですが、料理への情熱を捨てきれず、ニューヨークの料理学校で伝統的なフランス料理を学び、料理人へと転身。ミシュランの星付きレストランで腕を磨いたという異色の経歴の持ち主です。

そんなシェフは大学時代から頻繁にハワイを訪れ、アウトリガーカヌーを通じてハワイを体験。そこで、「va'a(カヌー)」がハワイの歴史や食文化に深く係わっていることを知ったのだそうです。日本に移住後は自らのレストランで料理の腕を振るうかたわら、毎年ハワイへも足を運びカヌーレースに参加。さらにローカルの食材の発掘にも余念がありません。
アウトリガーカヌーを通してハワイの歴史や食文化も学んだ関田シェフ。zoom
アウトリガーカヌーを通してハワイの歴史や食文化も学んだ関田シェフ。
日本とハワイ、イタリアのエッセンスが融合したメニュー
今回、試食したのは、日本発のプレミアキャビン(ビジネスクラス)で提供されている関田シェフによる創作ハワイアンメニュー。機内ならぬ、シェフズテーブルスタイルという、なんとも贅沢なシチュエーションで味わう機会に恵まれました。メニュー構成は、かぼちゃのスープ、国産黒豚の煮込み(味噌とハチミツのソース)、季節のお野菜とポテトピューレ、デザートにライエバニラのジェラート(機内ではパンナコッタを提供)という内容。

まず、かぼちゃのスープは、乳製品を使わないヘルシーなもの。昆布とシイタケの和風出汁ベースの優しい味付けで、ハワイアンソルトがアクセントです。メイン料理の豚肉は、ローストした国産肉の肩ロースに、味噌とハチミツのソースを添えてあります。味噌の塩味とハチミツの甘みとコクが豚肉の旨みを引き出していて、付け合わせのお野菜も味が濃い! さらにデザートに使われているバニラは、オアフ島ライエの農園で栽培されているとても希少なもの。シェフ自ら現地の農園を訪ね、取り寄せているものだそうです。
上/かぼちゃのスープ。上右・下左/じっくりローストした国産黒豚。下右/ライエバニラのジェラート。zoom
上/かぼちゃのスープ。上右・下左/じっくりローストした国産黒豚。下右/ライエバニラのジェラート。
機内では和食も提供していますが、ここはぜひハワイアンメニューをリクエストしたいところ。ハワイを代表するカクテル・マイタイやハワイアンビール、マスターソムリエがセレクトしたワインとともに味わってみてください。
また、ハワイ発の帰国便では、ホノルルの人気レストラン「MWレストラン」のウエイド・ウエオカ氏、ミシェル・カー・ウエオカ氏が共同で手掛けるメニューが楽しみ。お二人は機内食の総監修も務めています。乗った瞬間から日本に降り立つ直前まで、ハワイ気分を楽しめるのは、ハワイアン航空ならではの魅力です。

残念ながら機内ではシェフ自ら料理したメニューを味わうことはできませんが、目黒にあるレストランを訪ねれば、シェフ自身のルーツでもある日本とイタリアにハワイのエッセンスが融合したモダンアメリカ料理を味わえます。また、月に2回だけオープンするハワイアンスタイルのサタデーブランチも人気。ハワイに出掛ける前に、ここで気分を盛り上げるのもいいでしょう。
◆Mark's Tokyo
東京都目黒区目黒1-23-14
TEL 03-6417-0664
水曜~日曜 18:00~22:00
https://markstokyo.com
日本発のプレミアムキャビンで提供される、関田シェフ監修の創作ハワイアンメニュー。zoom
日本発のプレミアムキャビンで提供される、関田シェフ監修の創作ハワイアンメニュー。
メインキャビン(エコノミークラス)と、エクストラ・コンフォートではロコモコを提供。zoom
メインキャビン(エコノミークラス)と、エクストラ・コンフォートではロコモコを提供。
ハワイアン航空はハワイで最も歴史あるエアライン
2023年に創設94年目を迎えたハワイアン航空の誕生は1929年。ハワイで最大かつ最も長い歴史を誇ります。日本~ハワイ間とともに、ハワイ州の島間に1日約150便を運航し、ハワイの島々を巡るアイランドホッピングの足にも欠かせないエアラインです。さらに、ハワイと米国本土を運航する航空会社のなかでは、最多の15都市へ直行便を運航。ハワイをベースに、アメリカ本土、クック諸島やオーストラリア、タヒチへのアクセスにも利用できます。
◆ハワイアン航空公式サイト
https://www.hawaiianairlines.co.jp/

◆マウイ島ラハイナの状況について。
今年8月、マウイ島ラハイナが山火事によって大きな被害を受け、ハワイへ旅行することをためらっている人もいることでしょう。2023年9月現在、マウイ島西部へは立ち入ることできませんが、オアフ島、ハワイ島、カウアイ島や、マウイ島でもラハイナ以外の地域(カフルイ、ワイルク、キヘイ、ワイレア、マケナ、パイア、ハナなど)への旅行には影響はありません。ハワイへの旅がラハイナへの復興支援にも繋がります。ハワイアン航空では旅行を通してどのようにマウイ島の人々やコミュニティをサポートすることができるかを紹介する旅行ガイド「Travel Pono Maui」を公開していますので、ハワイへ旅するときにはぜひ参考にしてみてください。
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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