旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2023年2月14日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

ディープな那覇にリピート確実! ~OMOホッピングの旅 #05「OMO5沖縄那覇(おも)by 星野リゾート」

左/沖縄の建築でよく目にする、「花ブロック」をモチーフにした外観。右上/宿泊者以外も利用できる「OMOカフェ」。右下/宿泊者限定スペースの「ゆんたくライブラリー」。zoom
左/沖縄の建築でよく目にする、「花ブロック」をモチーフにした外観。右上/宿泊者以外も利用できる「OMOカフェ」。右下/宿泊者限定スペースの「ゆんたくライブラリー」。
2月の沖縄は、本州の春から初夏の陽気。しかも沖縄には針葉樹が少なく、花粉症の心配もほとんどありません。街歩きにぴったりのこの季節におすすあめなのが、ディープな那覇を楽しむ旅。「OMO5沖縄那覇(おも) by 星野リゾート」に滞在し、いままで知らなかった那覇の魅力を発見してきました。

知られざる那覇で、ちむどんどん体験♪
沖縄県最大の都市でありながら、琉球王朝時代からの史跡や文化が色濃く残り、東南アジアのような異国情緒も漂う那覇。「テンションあがる『街ナカ』ホテル」がコンセプトの「OMO by 星野リゾート」5施設目のホテルとしてオープンしたのが、「OMO5沖縄那覇」です。ホテルがあるのは「ゆいレール」県庁前駅から徒歩5~6分の場所。この辺りはオフィス街と沖縄最大の繁華街が隣接し、那覇滞在の拠点にもってこいのロケーションです。
「ご近所マップ」を見れば、那覇の見どころが一目瞭然。おすすめスポットともに、過去に滞在したゲストの口コミも役に立ちます。zoom
「ご近所マップ」を見れば、那覇の見どころが一目瞭然。おすすめスポットともに、過去に滞在したゲストの口コミも役に立ちます。
「OMO5沖縄那覇」では那覇の街全体を「バザール(市場)」としてとらえ、ディープな那覇文化に“ちむどんどん”するような体験を提案しています。“ちむどんどん”とは、沖縄地方の言葉で“胸がドキドキ、ワクワクする”という意味。沖縄へは何度もリピートしている人も、ディープな那覇にテンションが上がるに違いありません。
「OMO」といえば、旅のプランニングやリラックスタイムに利用できるパブリックスペース「OMOベース」がおなじみ。壁面に飾られた「ご近所マップ」を見れば、近所にどんなスポットがあるのか一目瞭然です。隣接する「OMOカフェ」では、朝食のほかにドリンクや南国らしいトロピカルパフェを提供。宿泊者以外の人でも利用できることから、ご近所さんとの交流スペースになっています。いっぽう、沖縄の伝統工芸品が飾られた2階の「ゆんたくライブラリー」は宿泊者限定。琉球ガラスやシーサー、やちむん(沖縄伝統の焼き物)のほか、沖縄の文化・芸能に関する本が100冊以上並びます。チェックアウト前後にくつろいだり、おしゃべりを楽しんだり、ワーケーションの利用もOK。出張のつどリピートしているビジネスマンや、1カ月近く長期滞在するゲストもいると聞き、使い勝手と居心地のよさに納得しました。

心地よくて機能的。靴を脱いでくつろげる客室
「やぐらルーム」「ダブルルーム」「ツインルーム」の3タイプある客室は、靴を脱いでくつろげる和紙畳敷き。バスとトイレが別々になっているのも都市型ホテルとしては珍しく、リラックスして過ごせます。グループやファミリーには、最大4人まで滞在できる「やぐらルーム」がおすすめ。屋根裏部屋のような中2階の寝室は、まるで秘密基地のよう。「やぐらルーム」の浴室は洗い場があるジャパニーズスタイルなので、バスタイムもゆったりできますね。
3タイプある客室からお好みを。足を延ばしてくつろげるソファースペースも。上/ツインルーム、下/やぐらルーム。zoom
3タイプある客室からお好みを。足を延ばしてくつろげるソファースペースも。上/ツインルーム、下/やぐらルーム。
ディープな那覇の街歩きを楽しむ、「裏国際通りさんぽ」
「OMO」滞在で楽しみなのが、「ご近所ガイド OMOレンジャー」によるオリジナルのアクティビティ。これまでいくつかのホテルで利用してみて、そのディープさとユニークな内容にすっかりファンになってしまいました。那覇にはこれまで10回以上訪れていて、いつもそれなりに楽しいのですが、最近は訪れるスポットが決まってしまい少々マンネリ気味。脱定番を期待して参加したのが、ディープな那覇の街歩きを楽しめると評判の「裏国際通りさんぽ」です。

沖縄一の繁華街・国際通りは、那覇観光の定番中の定番。そこから少し離れ、迷路のように入り組んだ商店街、通称「裏国際通り」を巡ります。表通りのショップに並ぶものとは少し異なる見慣れないお菓子、市場に飛び交う聴き取れない言葉、先が見通せない路地などは異国情緒たっぷり。一瞬、アジアの市場街を訪ね歩いている錯覚に陥ることも。一人で入るのがちょっと不安になってくる路地や雑居ビルも、OMOレンジャーの案内があるから安心。落花生で作る沖縄伝統のジーマーミ豆腐、カットフルーツなどの試食もでき、商店街では店主さんとのおしゃべりも楽しめます。ツアー終了後はOMOレンジャーと一緒にホテルに帰ってもよし、現地解散して気になるスポットに再び繰り出してもよし。私は女性一人でも入りやすいお店を何軒か教えてもらい、おひとりハシゴ酒を楽しみました。
◆裏国際通りさんぽ
時間:16:00~17:00 日曜以外毎日実施(天候により中止の場合あり)
料金:無料
※前日22:00までに要予約(末尾の公式サイトより)
今まで知らなかった那覇の街を楽しめる「裏国際通りさんぽ」。OMOレンジャーの案内で、地元の人とのコミュニケーションも楽しい。zoom
今まで知らなかった那覇の街を楽しめる「裏国際通りさんぽ」。OMOレンジャーの案内で、地元の人とのコミュニケーションも楽しい。
泡盛、駄菓子、ローカル食材の数々にワクワクが止まらない!「スーパーマーケットレンジャー」
旅先ではローカルのスーパーを訪ねることが楽しみのひとつ。今回、最も期待していたのが、沖縄のローカルスーパーで食文化を体験する「スーパーマーケットレンジャー」です。スーパーに並んでいるものを見れば、その土地の食文化や生活習慣などが見えてきます。ローカル事情に精通した案内人がいると、自分では気が付かない商品や使い方なども教えてもらえ、楽しさも数倍に跳ね上がります。

ツアーで訪ねたのは、県内に20店舗を展開する「フレッシュプラザ ユニオン」の前島店。品ぞろえの豊富さと低価格が魅力の地域密着型のスーパーで、しかも24時間営業。種類が豊富な泡盛、できたての温かいものが1日に数回入荷する島豆腐やおそうざい、本土のものと少しサイズが違う牛乳やペットボトルドリンクなど、教えてもらわなければ気が付かないポイントがたくさんあり、お財布のひもが緩みっぱなし。初めて知った「ツナ缶の秘密」も興味深く、OMOレンジャーのリサーチ力に驚かされました。沖縄に何度も行っている人にこそ、体験していただきたいツアーです。
◆スーパーマーケットレンジャー
時間:8:45~10:00
料金:1,000円(オリジナルエコバッグ付き)
※前日22:00までに要予約(末尾の公式サイトより)
沖縄の食文化に精通した OMOレンジャーが案内してくれる「スーパーマーケットレンジャー」。「適正診断」でお土産探しもばっちり!zoom
沖縄の食文化に精通した OMOレンジャーが案内してくれる「スーパーマーケットレンジャー」。「適正診断」でお土産探しもばっちり!
沖縄の守り神を見付けて歩く「那覇シーサーさんぽ」
沖縄に古くから伝わる守り神のシーサー。街のあちこちに飾られたシーサーを訪ね歩くのが、「那覇シーサーさんぽ」です。那覇の街では門扉や屋根の上、ビルの壁面など、さまざまな場所で見かけるシーサー。その歴史や由来を教わりながら、思いがけない場所から顔をのぞかせるシーサーを探し歩いた後は、作家さんの工房へ。今回は、サンゴ漆喰を使ったシーサーのほか、絵画制作、ミュージシャンのCDジャケット制作を手掛けたりと幅広く活躍中の宮城光男さんの工房兼ショップを訪れました。現在、2019年の首里城火災で出たがれきを利用して「巨大首里城福光シーサー制作プロジェクト」を立ち上げている宮城さん。ユニークなシーサーを作り続ける理由とともに、作品作りに対する熱い想いを直接聞くことができました。シーサー作りを体験できるお店はいくつもありますが、その種類や歴史に秘められたエピソードまで、知ることができる機会はなかなかありません。このツアーを体験し、シーサーを見る目が変わるとともに、ますます愛着がわきました。
◆那覇シーサーさんぽ
時間10:30~12:00(天候により内容が変更になる場合あり)
料金:無料
※前日17:00までに要予約(末尾の公式サイトより)
雑学も学べる「那覇シーサーさんぽ」。宮城さんの工房には見る者を元気にしてくれるユニークなシーサーがいっぱい!(右下)。zoom
雑学も学べる「那覇シーサーさんぽ」。宮城さんの工房には見る者を元気にしてくれるユニークなシーサーがいっぱい!(右下)。
リゾートステイが目的だったり、何度も沖縄を訪れていると素通りしてしまいがちな那覇ですが、ディープな魅力を知れば、またリピートしたくなるに違いありません。「OMO5沖縄那覇」をベースに、那覇の新しい魅力を発見する旅を楽しんでみてはいかがですか。

●OMO5沖縄那覇(おも) by 星野リゾート
沖縄県那覇市松山1-3-16
TEL 050-3134-8095(OMO予約センター)
チェックイン:15:00/チェックアウト:11:00
料金:1泊1室16,000円~(税込み・食事別) 全190室
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo5okinawanaha/
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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