企画する鉄道旅行の道中に味わうのは神戸牛か、納豆か、それとも京うどんか?旅行会社などでつくる「鉄旅(てつたび)オブザイヤー実行委員会」は11月1日、日本一の鉄道旅行を選ぶ賞「
▽“オールスター戦”の様相
鉄旅オブザイヤーは東日本大震災からの復興と、鉄道を活用した旅行需要喚起を目指して11年度に始まり、22年度で12回目。後援にはJR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州のJR旅客6社全てと、民営鉄道会社でつくる日本民営鉄道協会、旅行業界団体の日本観光振興協会、日本旅行業協会、全国旅行業協会が入っている。鉄道と旅行業界の主要企業・団体が名を連ねる“オールスター戦”の様相だ。
▽23年度のDC開催地が募集対象
ベストアマチュア賞に輝くと、22年4月19日水曜日に鉄道博物館(さいたま市)で開催予定の授賞式で表彰状と賞金5万円、JR協賛による記念品が贈られる予定だ。
募集するのはJR旅客6社と地元自治体が開催する大型観光企画「デスティネーションキャンペーン」(DC)が23年度に開催される兵庫県(23年7~9月)、茨城県(23年10~12月)、京都市(24年1~3月)。それぞれのDC開催期間以外のプランを応募するのも可能で、1泊2日以上のプランについては宿泊地域も記すことが必要だ。
▽商品化されたベストアマチュア賞も
詳しい応募要項は公式ホームページの「鉄旅オブザイヤー」で見られる。応募者は、「鉄旅オブザイヤー応募要項」に設けた応募用紙をダウンロードし、メールで応募する。
対象は未発表作品に限られる。もしもプランが旅行商品化された場合は著作権を放棄し、利益還元はしないのが応募条件となる。20年度にベストアマチュア賞を最年少で受けた小学生、東浦拓斗さんの企画は、旅行商品「今話題の(バス兼列車のデュアル・モード・ビークル)DMVや志国土佐 時代の夜明けのものがたりに乗車!『こんな旅したかった』四国鉄道の旅」として旅行会社クラブツーリズムが22年4月に発売した。
一般部門の「最終審査員」は、いずれも熱心な鉄道ファンとして有名なフリーアナウンサーの久野知美さん、ホリプロの南田裕介マネージャー、お笑い芸人「ダーリンハニー」の吉川正洋さんの3人が務める。
▽4部門の中からグランプリ選出
併せて鉄旅オブザイヤー実行委員会は、旅行会社が22年1月~12月に催行、または実施予定の日本国内を目的地とする企画旅行を対象とした旅行会社部門も募る。
団体旅行を対象とした「エスコート部門賞」、個人旅行の「パーソナル部門賞」、DC開催地へのツアーを対象にした「DC部門賞」、鉄道愛好家向けの「鉄っちゃん部門賞」を一つずつ選出。これら4部門の中から最高賞「グランプリ」1商品を授賞式当日に選ぶ。
これら以外の1商品に「審査員特別賞」も授与する。
実行委員会による一次審査を通過した応募作品を、大塚を含めた10人の審査委員が採点する。審査委員長は「旅と鉄道」名誉編集長の芦原伸・日本旅行作家協会専務理事が務める。
▽22年度もグランプリを「事前予想」
旅行会社部門の4部門の受賞商品が事前に公表され、授賞式当日の投票でグランプリを選ぶ方式に変わった20年度以降、大塚は共同通信社と全国の新聞でつくるニュースサイト「47NEWS」や「Yahoo!ニュース」などで連載している鉄道コラム「鉄道なにコレ!?」で20年度、クロスエフエム(福岡県)の栗田善太郎さんがナビゲーターを務める番組「Urban Dusk」で21年度にそれぞれグランプリを事前に予想して的中させた。
大塚は「22年度もグランプリを公開した形で事前予想し、誠に微力ながら授賞式への注目度を少しでも高められればいいと考えています」と打ち明ける。その上で、22年度で自身は10年目となる審査委員を「引き続き報酬を辞退して引き受ける」ことで「優れた鉄道旅行商品の数々を顕彰し、それらが手本となって良いツアーが世に送り出されていくことで、新型コロナウイルス禍の打撃を受けた鉄道と旅行業界、地域経済が回復するお手伝いをできれば幸いです」とコメントした。
(連載コラム「“鉄分”サプリの旅」の次の旅をどうぞお楽しみに!)