カナダ10州の中で最大の面積を持つのがケベック州。モントリオールは州都ケベックシティ以上の規模を持つカナダ第二の都市です。街の東南を流れるセントローレンス川と西に占めるモン・ロワイヤル公園に挟まれた場所がモントリオールのダウンタウンです。
ノートルダム大聖堂からウォーキングツアーへ
街の中心地は旧市街で、ノートルダム大聖堂を起点に広がります。ここは1989年にカナダ国立史跡に認定されました。街の中の最重要建造物だと言えます。この街を知るためにウォーキングツアーに参加してみました。大聖堂前のダルム広場がツアーの待ち合わせ場所になっています。
参加したイーストツアーでは、ツアーガイドが10名ほどの参加者とともに時折笑いを交えながらオールド モントリオールの東部地区の主要な史跡を解説しながら進みます。途中、おしゃれな装飾の店や、看板などを見つけながら歩くのも楽しく、カナダ最古の金融機関となるモントリオール銀行博物館など、ちょっと見ただけでは分からない建物に入ることができるのも興味深いところです。
街中に芸術作品が!
ウィスパーズと名付けられた会話に夢中になる3人の女性のブロンズ像は、彫刻家アイミー・ベランガーの作品で、2006年から設置されています。ぬくもりが伝わる楽しい街のアイコンです。1860年代の倉庫を改修しオフィスやアパートとなったクール・ル・ロワイエ、石畳のサン・ポール通り、旧市街を象徴するお洒落なテラス席が並ぶカフェのあるジャック・カルティエ広場、建築物の宝石と言われる程の美しい市庁舎、緑の芝の公園であるシャン・ド・マルスなどを通りながら旧港にあるマルシェ・ボンスクールで終わります。
ジャック・カルティエ広場
街の中は花と緑が多く、街全体が非常にお洒落です。その中でもモントリオール市庁舎前のジャック・カルティエ広場は人通りも多くひときわ華やかです。緩やかな坂道の左右にテラス席のあるレストランが軒を連ねます。
トラットリアへ
ツアーのあと、ジャック・カルティエ広場を散策し、トラットリア「Gio」に入ってみました。テラス席にも多くの人がいたのですが、当日は肌寒く、店内に留まることにしました。黒が基調の重厚な店内は、広場を行きかう人々の様子を店内から見渡せるいい位置にあります。
パスタやピザがメニューの多くを占める中、メインにサーモンのグリルを選びました。これが大正解。パリパリに焼かれた皮と、ふっくらと身の厚いサーモンにアスパラやパプリカがふんだんに添えられており、ソースとともに食べると口の中で香ばしさが広がります。
そのまま旧港を目指し、銀のドーム屋根が光るマルシェ・ボンスクールでショッピング。クラシックとモダンの入り混じったブティックが集合した内装も楽しめます。
ノートルダム大聖堂で「Aura」を鑑賞
ノートルダム大聖堂では、夜間に「Aura」というプロジェクションマッピングを行っています。チケットを提示し聖堂内に一歩足を踏み入れると、世界最大級のパイプオルガンや色鮮やかなステンドグラス、祭壇のあるアプスが美しい青い光で輝いており、そのあまりの美しさに圧倒されます。
投影されるキャンバスは、大聖堂内の天井と側廊。フランスゴシックリバイバル様式の立体的な建築物に映し出されます。思わず息をのむような美しい光とともに演出される音響は、大聖堂の中で美しく反響し、綺麗な音の広がりを出しています。およそ25分のショーは、今までに体験したことのない音と光の広がりに満足感でいっぱいになります。
タイムアウトマーケット
タイムアウトは1968年創業の世界的メディア・エンターテインメント企業です。彼らが作るのは世界でも最高水準の味をひとつ屋根の下に集結させた場所。世界7拠点に広がったタイムアウトマーケットです。グルメ雑誌の編集者が味をキュレーションして文化的に融合させた街とでも言いましょうか。メトロのマクギル駅の近くで3800㎡の敷地の中にモントリオールを代表する16のレストランと3つのバーが集まり、大きなフードマーケットを構成しています。
建物に入ってみると、モノトーンでまとめられたスタイリッシュな空間が広がっており、若者の多い活気あふれる場所でした。複数人数で出掛けても、それぞれが気に入ったレストランでメニューを決めることができるフードコート形式で、多くのグループ客を見掛けたのも納得です。
イタリアンのイル・ミリオ
フォーやバインミーなどのベトナム料理、バターチキンやカレー、目を見張るばかりの大きなピザ、豪快なチキンのグリル、様々なシーフードなど、美味しそうなものばかりが並ぶ中、散々迷って選んだのはイタリアンを提供する「イル・ミリオ」のシーザーサラダに、ピスタチオとエビのリングイネ。ピスタチオの濃厚なソースが麺によくからみます。
カクテルなどのバーもあり、子供は入ることのできない落ち着いた空間になっている席もありました。その中で、目の前にクライストチャーチ大聖堂が見える窓側の席に座ってみました。美味しい食事をしながら、景色を眺めるのは至福の時です。
モントリオールで食べたい、飲みたい物が必ず見つかるというこの場所は美食家ならずとも行ってみたい場所です。
サミット・サークル展望台で街を一望
モントリオールを離れる前に美しい景色を目に焼き付けようと出掛けたのは、モン・ロワイヤル公園南側にあるサミット・サークル展望台です。高台の高級住宅街を抜けて、駐車場に車を置いて徒歩2~3分で展望台は現れます。展望施設だけの簡易な場所ですが、市街地と奥に広がるセントローレンス川も遠望できる素敵な場所です。ここでも緑の多い街であることを再認識させてくれます。
美しい街、モントリオールを再訪したいと願いつつ次の目的地のケベックシティを目指しました。
取材協力:【ツーリズム・モントリオール】⇒ https://www.mtl.org/en