旅の扉

  • 【連載コラム】「“鉄分”サプリの旅」
  • 2021年11月4日更新
共同通信社ワシントン支局次長・鉄旅オブザイヤー審査員:大塚圭一郎

夢の鉄道旅行プランを待っています 「鉄旅オブザイヤー」、クリスマスイブの12月24日まで

△JR九州の観光列車「或る列車」(長崎市で筆者撮影)zoom
△JR九州の観光列車「或る列車」(長崎市で筆者撮影)

 「こんな鉄道旅行ツアーがあったらいいな」という夢の旅行プランを待っています―。旅行会社などでつくる「鉄旅(てつたび)オブザイヤー実行委員会」は、日本一の鉄道旅行を選ぶ賞「鉄旅オブザイヤー」の2021年度の募集を始めた。一般個人や団体から鉄道を利用した旅行プランを募る一般部門の締め切りは21年12月24日金曜日となり、最高賞「ベストアマチュア賞」を1点選ぶ。

△2022年度のDC開催地、岡山県の路面電車「岡山電気軌道」の車両(岡山市で筆者撮影)zoom
△2022年度のDC開催地、岡山県の路面電車「岡山電気軌道」の車両(岡山市で筆者撮影)

 ▽「鉄道旅行のアカデミー賞」
 鉄旅オブザイヤーは東日本大震災からの復興と、鉄道を活用した旅行需要喚起を目指して11年度に始まった。後援にはJR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州のJR旅客6社全てと、民営鉄道会社でつくる日本民営鉄道協会、旅行業界団体の日本観光振興協会、日本旅行業協会、全国旅行業協会が入っている。
 鉄道と旅行業界の主要企業・団体が名を連ねるオールスター選となっており、テレビ番組で「鉄道旅行のアカデミー賞」と紹介されたこともある。

△岡山電気軌道の列車「おかでんチャギントン」(岡山市で筆者撮影)zoom
△岡山電気軌道の列車「おかでんチャギントン」(岡山市で筆者撮影)

 ▽22年度のDC開催地への旅行を募集
ベストアマチュア賞の受賞者には、22年4月20日水曜日に鉄道博物館(さいたま市)で開催予定の授賞式で表彰状と賞金5万円と、JR協賛による記念品を進呈する。
 募集するのはJR旅客6社と地元自治体が開催する大型観光企画「デスティネーションキャンペーン」(DC)が22年度に開催される岡山県(22年7~9月)、西九州新幹線の武雄温泉(佐賀県)―長崎間の部分開業に合わせて実施される佐賀県と長崎県(22年10~12月)、京都市(22年1~3月)。ただ、DC開催期間以外のプランを応募するのも可能で、1泊2日以上のプランについては宿泊地域も記す。

△22年度のDC開催地、長崎県の路面電車「長崎電気軌道」の200形(長崎市で筆者撮影)zoom
△22年度のDC開催地、長崎県の路面電車「長崎電気軌道」の200形(長崎市で筆者撮影)

 ▽応募用紙のダウンロードを
応募者は、「鉄旅オブザイヤー応募要項」に設けた応募用紙をダウンロードし、メールで応募する。対象は未発表作品に限り、プランが旅行商品化された場合は著作権を放棄し、利益還元はしないのが応募条件となる。
一般部門の「最終審査員」は、いずれも熱心な鉄道ファンとして有名なフリーアナウンサーの久野知美さん、ホリプロの南田裕介マネージャー、お笑い芸人「ダーリンハニー」の吉川正洋さんの3人が務める。

△「鉄旅オブザイヤー」20年度の授賞式(さいたま市の鉄道博物館、鉄旅オブザイヤー実行委員会提供)zoom
△「鉄旅オブザイヤー」20年度の授賞式(さいたま市の鉄道博物館、鉄旅オブザイヤー実行委員会提供)

 ▽4部門の中からグランプリ選出
 併せて鉄旅オブザイヤー実行委員会は、旅行会社が20年11月~21年12月に催行、または実施予定の日本国内を目的地とする企画旅行を対象とした旅行会社部門も11月22日月曜日~12月24日に募集。
 団体旅行を対象とした「エスコート部門賞」、個人旅行の「パーソナル部門賞」、DC開催地へのツアーを対象にした「DC部門賞」、鉄道愛好家向けの「鉄っちゃん部門賞」を1点ずつ選出。これら4部門の中から最高賞「グランプリ」1商品を受賞式当日に選ぶ。これらの他に「審査員特別賞」も1点授与する。

△「鉄旅オブザイヤー」の審査員を務めている筆者(長崎県佐世保市)zoom
△「鉄旅オブザイヤー」の審査員を務めている筆者(長崎県佐世保市)

 ▽外部審査員に本コラム執筆者も
 実行委員会による一次審査を経て、10人と1団体の外部審査員が採点する。「旅と鉄道」名誉編集長の芦原伸・日本旅行作家協会専務理事が審査委員長を務め、審査委員には本コラム「“鉄分”サプリの旅」執筆者の大塚圭一郎・共同通信社ワシントン支局次長らが入っている。
 大塚は「優れた鉄道旅行を表彰し、旅行業界の発展にも寄与してきた鉄旅オブザイヤーの審査員を引き続き務めさせていただくことになったことは誠に光栄で、身の引き締まる思いです。13年度に審査員に加えていただいて以来、誠に微力ながら毎年気概を持って採点させていただいています。21年度は新型コロナウイルス禍からの脱却に向け、鉄道や旅行業界に光明をもたらすような企画を高く評価したいと考えています」とコメントした。
 詳しくは公式ホームページ、「鉄旅オブザイヤー」まで。
 (連載コラム「“鉄分”サプリの旅」の次の旅をどうぞお楽しみに!)

共同通信社ワシントン支局次長・鉄旅オブザイヤー審査員:大塚圭一郎
1973年4月東京都杉並区生まれ。国立東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒。1997年4月社団法人(現一般社団法人)共同通信社に記者職で入社。松山支局、大阪支社経済部、本社(東京)の編集局経済部、3年余りのニューヨーク特派員、経済部次長などを経て、2020年12月から現職。アメリカを中心とする国際経済ニュースのほか、運輸・観光分野などを取材、執筆している。

 日本一の鉄道旅行を選ぶ賞「鉄旅オブザイヤー」(http://www.tetsutabi-award.net/)の審査員を2013年度から務めている。東海道・山陽新幹線の100系と300系の引退、500系の東海道区間からの営業運転終了、JR東日本の中央線特急「富士回遊」運行開始とE351系退役、横須賀・総武線快速のE235系導入、JR九州のYC1系営業運転開始、九州新幹線長崎ルートのN700Sと列車名「かもめ」の採用、しなの鉄道(長野県)の初の新型車両導入など最初に報じた記事も多い。

共同通信と全国の新聞でつくるニュースサイト「47NEWS」などに掲載の鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」(https://www.47news.jp/culture/leisure/tetsudou)の執筆陣。連載に本コラム「“鉄分”サプリの旅」(https://www.risvel.com/column_list.php?cnid=22)のほか、47NEWSの「鉄道なにコレ!?」がある。

共著書に『平成をあるく』(柘植書房新社)、『働く!「これで生きる」50人』(共同通信社)など。カナダ・VIA鉄道の愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。FMラジオ局「NACK5」(埼玉県)やSBC信越放送(長野県)、クロスエフエム(福岡県)などのラジオ番組に多く出演してきた。東京外大の同窓会、一般社団法人東京外語会(https://www.gaigokai.or.jp/)の元理事。
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