旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2021年7月29日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

気分はパリの昼下がり。帝国ホテル 東京で楽しむ『リサとガスパール』のアフタヌーンティー

フランス・パリから帝国ホテルへやってきた、人気絵本のキャラクター『リサとガスパール』のオリジナルアート。©2021 Anne Gutman & Georg Hallensleben /Hachette Livrezoom
フランス・パリから帝国ホテルへやってきた、人気絵本のキャラクター『リサとガスパール』のオリジナルアート。©2021 Anne Gutman & Georg Hallensleben /Hachette Livre
フランス生まれの絵本、『リサとガスパール』を知っていますか?

パリをはじめ、世界を旅するキュートなキャラクター、『リサとガスパール』がこの夏、帝国ホテルに滞在中とか? そんな楽しいストーリーをもとに催されているのが、帝国ホテル 東京で開催中の企画『リサとガスパール 帝国ホテルにやってくる!』です。

フランスの人気絵本『リサとガスパール』とは?

フランス・パリで暮らすリサとガスパールは、ウサギでもない、犬でもない、とびっきりキュートなキャラクター。アン・グットマンさん、ゲオルグ・ハレンスレーベンさんご夫妻によって、1999年に誕生しました。
パリを旅した気分を味わえるメニューは、すべて今回の企画のために料理長が考案したもの。ふわふわの白いボディは、リサ。zoom
パリを旅した気分を味わえるメニューは、すべて今回の企画のために料理長が考案したもの。ふわふわの白いボディは、リサ。
好奇心いっぱいで、おしゃまな女の子が白いボディのリサ、優しくてナイーブな男の子が黒いボディのガスパール。仲良しでいたずら好きの二人がパリを舞台に繰り広げる日常の大冒険を描いたシリーズは、世界中で累計200万部を超えるベストセラーになっています。2000年には日本でも紹介され、またたく間に人気に。小さな子どもはもちろんのこと大人のファンも多く、テーマパークのアトラクションになっていたり、日本デビュー20周年を記念する絵本の原画展も開かれたりしました。

その人気絵本の作者と、本場のフランス料理を学ぶため、パリで13年間を過ごした経験を持つ帝国ホテル東京料理長・杉本雄氏とのコラボレーションで実現したのが、この企画。8月31日までの期間中、『リサとガスパールのアフタヌーンティー 旅“TABI”PARIS-TOKYO』のほか、デザートやカクテル、オリジナルストーリーをもとに描きおろされた原画も楽しめます。

オンライン・セッションから生まれたアフタヌーンティー

『旅“TABI”PARIS-TOKYO』と名付けられたアフタヌーンティーは、すべてこの企画のために作られたオリジナル・メニュー。料理長の杉本氏が、アンさん・ゲオルグさんご夫妻とのオンライン・セッションからインスピレーションを得て考案されたものです。杉本氏はパリ滞在中に暮らした街や、修行中のレストランへ毎日歩いた通り、忘れられない味の数々などをご夫妻に語り、自身の思い出とお二人への想いを込めて完成させたそうです。
作者ご夫妻と料理長のオンライン・セッションにより、メニューが完成。zoom
作者ご夫妻と料理長のオンライン・セッションにより、メニューが完成。
試食会では、そのセッションの様子がビデオで紹介されました。パリ時代の思い出を語る杉本氏の表情がとても楽しそうだったのが印象的。ご夫妻と共通の話題も多く、アンさん、ゲオルグさん、そして杉本氏の3人の想いがひとつになって完成したことが伝わってきました。

伝統的なパリのお菓子と、作者へのオマージュが伝わってくるメニューの数々

メニューの一部をご紹介。『ヘーゼルナッツのサントノーレ』は、パリの大通りにあるスイーツ店で生まれたことから名前が付けられた『サントノーレ』をアレンジ。長いサントノーレ通りを散歩するリサとガスパールをイメージし、スティック状のパイに仕立ててあります。600~700層にも折りたたんだ生地は、サクサクの歯ざわりと繊細な食感。口の中でほどけながら、バターの香りとヘーゼルナッツの香ばしさが広がっていきます。
左/『リサとガスパールのアフタヌーンティー 旅“TABI”PARIS-TOKYO』7,150円(写真は二人分、税込み・サ別)。右/ランデブーラウンジでは、スイカのカクテル(上)と、リサとガスパールに見立てた伝統菓子の『シブースト』(下)を味わえる。zoom
左/『リサとガスパールのアフタヌーンティー 旅“TABI”PARIS-TOKYO』7,150円(写真は二人分、税込み・サ別)。右/ランデブーラウンジでは、スイカのカクテル(上)と、リサとガスパールに見立てた伝統菓子の『シブースト』(下)を味わえる。
杉本氏のパリ時代の思い出から生まれたのが、フランスの伝統菓子『カヌレ』。当時、暮らしていたアパルトマンの近くにカヌレで有名な老舗パティスリーがあり、その前を何度も通っていたのだとか。偶然にも、リサが住んでいる現代美術館もこの近所にあり、それぞれの想いがこもったスイーツになりました。

杉本料理長と一緒に料理をするリサとガスパールを描いたオリジナルアート。宿泊プランでは、ポストカードとなって3枚セットで特典に付く。©2021 Anne Gutman & Georg Hallensleben/Hachette Livrezoom
杉本料理長と一緒に料理をするリサとガスパールを描いたオリジナルアート。宿泊プランでは、ポストカードとなって3枚セットで特典に付く。©2021 Anne Gutman & Georg Hallensleben/Hachette Livre
ほかにも、『リサとガスパールのクッキングブック』のレシピをもとに作られたミートボールを、作者ゲオルグさんの出身地であるドイツの伝統料理にアレンジしたものや、クロワッサンを使ったパリジャンサンドなど、一つひとつのストーリーを辿ると街並みやお店が思い浮かんできて、まさにパリを旅する気分です。

描きおろしのオリジナルアートも必見!

このアフタヌーンティーを楽しめるのは、本館17階の『インペリアルラウンジ アクア』。1階の『ランデブーラウンジ』では、『リサとガスパールのシブースト』(3,000円、コーヒーまたは紅茶付き)や、スイカを使った『リサとガスパールのカクテル été2021』(アルコール2,200円、ノンアルコール1,980円)を提供しています。また、アフタヌーンティーとシブーストの両方を楽しめるうえ、オリジナルポストカードなどの特典が付く宿泊プランも用意されています。

オリジナルストーリー『リサとガスパール 帝国ホテルへやってくる!』をもとに、描きおろされた作品も必見です。帝国ホテルのメインロビーに季節ごとに飾られる装花を見た二人が、きれいなバラに思わずいたずらをするという、ユーモアあふれるストーリーになっています。

メニューからも、オリジナルアートからも、杉本氏と作者ご夫妻の信頼関係と絆のようなものが伝わってきて、これがオンライン・セッションから生まれたとは思えません。いえ、実際に会うことがかなわないこの時期だからこそ、より強く互いの想いが繋がったのかもしれません。 
1階のランデブーラウンジに展示されるオリジナルアート。ロビーのバラにいたずらをするリサとガスパールの表情に、見ているこちらも楽しくなってくる。©2021 Anne Gutman & Georg Hallensleben/Hachette Livrezoom
1階のランデブーラウンジに展示されるオリジナルアート。ロビーのバラにいたずらをするリサとガスパールの表情に、見ているこちらも楽しくなってくる。©2021 Anne Gutman & Georg Hallensleben/Hachette Livre
この夏、海外への旅はまだ難しそうですが、アフタヌーンティーを味わいながら、パリを旅する気分を楽しんでみたいものです。

■『リサとガスパール 帝国ホテルにやってくる!』
期間: 2021年8月31日(火)までの開催
場所: 帝国ホテル 東京  
    東京都千代田区内幸町1-1-1
    ◆インペリアルラウンジ アクア(本館17階)TEL 03-3539-8186
     11:30~20:00(L.O.18:00)
    ◆ランデブーラウンジ(本館1階)TEL 03-3539-8045
     11:00~20:00(L.O.19:30)
    ◆宿泊プラン(客室予約課) TEL 03-3504-1251
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
risvel facebook