旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2021年7月26日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

フランスのバスク地方を知るシェフが創るステーキ 東武ホテルレバント東京の「簾」

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パリを思わせる「簾(れん)」からの眺望

極上のフレンチに舌鼓
おこもりステイで、ゆっくりと過ごした「東武ホテルレバント東京」。最上階24階にあるスカイツリー®ビューレストラン「簾」で、ディナーの時間を過ごしました。

エレベーターを降り、店内に一歩足を踏み入れると、静かで広々としたラグジュアリーな空間が広がっていました。大きな窓からは、どこからでも東京スカイツリー®の全容を見ることができる非常に贅沢な気分になれるレストランです。

日本料理と炭火窯焼フレンチの「簾」でフレンチの料理長をつとめるのは、シェフの柴谷邦彦氏です。フランスで修行ののち、都内の料理店でシェフを勤め、その後、東武ホテルレバント東京に移りました。柴谷シェフが一番影響を受けたのはバスク地方での修行だそう。その時の経験がベースになって今があると言います。

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フレンチの調理長 柴谷邦彦氏

コースが始まる
この日は炭火窯焼フレンチのディナーコースです。まずは、驚きのヴィシソワーズのアイスクリームでメニューが始まります。しっかりと冷えた器に入れられたジャガイモと洋ネギのアイスクリームは見るからに食欲をそそります。口に入れるとひんやりと冷たく、添えられたキャビアの塩気も相まって胃が刺激され、これからの料理が楽しみになる素晴らしい演出でコースがスタートしました。

続く生ハムメロンも想像していた形とは全く違っており、驚かされます。使われているメロンは二種類。静岡メロンの上に500日掛けて作るという自家製の綺麗な生ハムが並べられ、その上に丸いオレンジ色の夕張メロンが飾られ非常に贅沢です。

フォアグラと椎茸のドーム仕立てでは、表面はカリッと焼き上げられ歯触りも楽しいパイ生地とフォアグラ、赤ワインソースの濃厚な味わいが口に残ります。そしてこの日の魚料理は山口県萩産のアマダイの蓑笠焼き。魚は豊洲市場にシェフ自らが出向いて選んでいるといいます。パリパリに焼いたウロコと白身魚の上品さにバジルと完全無農薬のトマトを使ったソースが絡みます。

フレンチコースの前半ですzoom
フレンチコースの前半です

存在感のあるステーキ
ここで、メインの肉料理の登場です。ワゴンに載せられた肉のかたまりをまず目で確かめます。シェフが目の前で切り分けてくれる肉の切り口が見るからに美味しそう。和牛ランプ肉の炭火窯焼は、細かくサシの入った美しい塊となって皿の上で圧倒的な存在感を放ちます。口に入れると炭火の香ばしさがしっかり伝わり、非常にジューシーな極上の焼き加減。シェフの腕を感じます。大満足したところで、これもシェフ自慢の牛ほほ肉が入った一品、締めのとろける一口カレーが提供されました。

メインの黒毛和牛ランプ肉と牛ほほ肉の一口カレーzoom
メインの黒毛和牛ランプ肉と牛ほほ肉の一口カレー

デザートはお花畑
デザートにはチーズケーキ、プリン、ホワイトチョコレートのロールケーキ、ティラミス、チョコレートケーキの5種のスイーツと2種のアイスクリーム、3種のソルベが用意され、お腹の具合で全種類のチョイスも可能。更に、木箱の和皿に入った3種の小菓子で締めとなりました。最後まで妥協のない素晴らしいコースでした。

デザートのオンパレードzoom
デザートのオンパレード

シェフの話を聞く
柴谷シェフに話を聞くことが出来ました。一番の売りであるメインの肉料理については、「栃木県のA5ランクの黒毛和牛ランプ肉を使用しています。炭火の上に串で刺して、直に炙っていますので、焼き目が非常に薄く仕上がります。中はじっくりと余熱を利用して30分かけて焼いていますので、綺麗なピンク色に仕上がり、食べた後、肉汁が皿には全く残らないという特徴があります」。と教えてくれました。締めの一口カレーは、「フレンチの店を出しているときからのメニューです。牛のほほ肉を極限まで柔らかく煮込んで仕上げました」。某人気元サッカー選手もお気入りの一品だとか。

また、「今はコロナ禍の影響を受けて、この一年間全く入らない状況ではありますが、普段はイタリアからロバの肉を仕入れています」とのこと。錦糸町でロバを食べよう!というフレーズから「錦ロバ」という愛称で販売したところ、これが大変人気だったそう。「大変美味しいです。奥深く、牛肉よりも美味しいと仰る方もいます。手に入るようになったら、是非食べに来てください」と勧めてくれました。

目の前でカットされるステーキzoom
目の前でカットされるステーキ

フランスに思いを馳せる
いつの間にか店内は適度に照明が落とされ、窓からの景色はすっかり都心の煌めく夜景に変わっていました。光の洪水の中に起立する東京スカイツリー。この日は、水色のネオンがタワーを包んでいました。ふと、以前パリのレストランでも、このようにエッフェル塔を眺めながら食事したことを思い出しました。柴谷シェフの作り出すこだわりのフレンチで、都心に居ながらにしてフランスに旅立ったような気分にさせてくれました。

取材協力:
東武ホテルレバント東京 スカイツリー®ビューレストラン「簾(れん)」
⇒ https://www.tobuhotel.co.jp/levant/restaurant/ren/

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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