旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2021年6月22日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

スペインのおもてなしを銀座で ACホテル・バイ・マリオット東京銀座

歌舞伎座にも近い銀座6丁目、ホテルの入口zoom
歌舞伎座にも近い銀座6丁目、ホテルの入口

銀座にスペインの香り
「ホテルには自宅以上の場所になれるチャンスがある」と言ったのはスペイン発祥のACホテルの創業者アントニオ・カタランです。コロナ禍で気軽に海外に行けない中、テレワークの気分を変えようと スペインのテイストを感じるホテルでワーケーションステイをしてみました。

「ACホテル・バイ・マリオット東京銀座」は2020年7月に日本初上陸し、まもなく1年を迎えます。銀座6丁目のギンザシックス南側、昭和通りに面した東銀座駅に直結すると言ってもいいほどの至便な場所。モダンクラシックなデザインが銀座の都会の中で光ります。

パート ド フリュイでおもてなし
手指消毒を行い、体温測定をしてチェックインカウンターヘ。外から気になっていたのは切子面で構成されたダイアモンドに見える彫刻。館内各所にあるという装飾美術品ですが、ロビーからいきなり圧倒されます。

今回は「おこもりステイプラン」で夕・朝食付きでスタンダードツインの部屋を選んでいます。館内の施設説明を受け、エレベーターに向かおうとすると、「ヨーロピアンゼリーは如何ですか?」見ると木箱に宝石のようにゼリーが綺麗に並べられています。パート ド フリュイというお菓子は、ホテル独自のヨーロピアンスタイルのおもてなしだそうです。

エレベーターはカードキーをかざすと、ボタンを触ることなく目的階のランプが点灯します。

部屋と館内
部屋に入ると、シンプルかつ洗練された空間が広がっていました。ブラインドを上げると窓の外は銀座の街並みが見えているものの、静かであり都会の真ん中にいることを忘れてしまいそうです。

壁に向かってデスクがあるだけでなく、窓側に沿ってベンチのように座ってテーブルで作業ができるようにもなっています。Wi-Fiは高速の上に接続が簡単です。ホテルのIDを選択するだけでパスワードは不要となり、館内どこにいてもデータを気にせず使えます。

アメニティも揃う洗練された部屋zoom
アメニティも揃う洗練された部屋

少し疲れたら、広々としたベッドでひと休み。大きな窓からは、空と雲。贅沢な時間です。一区切りできたところで一階の「銀座の記憶」と名付けられたアクセサリーの並ぶライブラリーへ。スタイリッシュな調度品に囲まれて仕事ができ、また気分が変わります。リモート会議もここでなら楽しそう。すぐ隣のACキッチンで珈琲を注文することもできるので動線も抜群です。

気分転換に屋上のルーフテラスへ。ゆったりとしたソファに座り風にあたります。ホテル南側が開け眺望が広がっており、東京タワーも望めます。縦長の広い大きなガラスに囲まれた空間の為、強い風を受けることもなく、ビル群や東京タワーなどが望めます。また床との空間から都会の乾いた空気が流れ込み、気持ち良く髪を揺らしてくれます。ここでも気持ち良く仕事ができそうです。普段であれば、酒類の提供される場所になるのでしょうが、今は誰もが休めるソファが並ぶラウンジです。

テレワークできる場所が多い ライブラリー(上)とルーフトップテラスzoom
テレワークできる場所が多い ライブラリー(上)とルーフトップテラス

おこもりステイの夕食時間
部屋で大きなバスタブにゆったりと浸かり、お腹が空いたなと思うとほぼ同時に部屋の内線が鳴りました。「お食事をお持ちしてもよろしいでしょうか」。ほどなく色鮮やかなタパスがメインとなったシェフ特製プレートが、チェックイン時に選んだスパークリングワインと共に届けられました。

ルームサービスでの食事の最大のメリットは、コロナ禍でも周りを気にせず、自由な時間でお酒も楽しめることです。スペインのバルをイメージしたという特製プレートは、タパス盛り合わせ、メイン、デザートがテーブルの上に乗りきらないほど。タパスはかぼちゃのムース、パテ・ド・カンパーニュ、オリーブ、生ハム、チーズ盛り合わせなどが載ります。メインプレートはサーモンのクロワッサンサンド、キッシュ、フライドポテトなど。そしてデザートは目にも鮮やかな6種類。スペインのスパークリングワイン、シャロック カバ ブルット ナトゥーレを飲みながら、自然に以前旅したスペインの話題に。時間を気にせず想い出話に花が咲きました。

部屋でのんびりスペインのバル気分zoom
部屋でのんびりスペインのバル気分

快眠サービス
夜、外出から戻るとロビーで心地よい香りに迎えられ、ラベンダーの小さな香り袋を渡されました。グッドナイトアンドスリープウェルと呼ぶこのサービスは「ラベンダー ターンダウン」と名付けられ、枕の横に置くことで心地よい眠りに誘う効果があるのだとか。

目覚めの運動
爽やかに目覚めた朝に向かうのは、24時間利用可能なフィットネスセンターへ。隣り合うマシーンは使えないようになっており、感染症対策も万全です。Technogym製のマシーンが並び、一日のスタートに目覚めの運動は気持ちのいいものです。

香りのターンダウンサービス(上)とフィットネスセンターzoom
香りのターンダウンサービス(上)とフィットネスセンター

満足の朝食へ
朝食はロビーフロアのACキッチンで。テラスに面した明るいテーブルを選ぶと同時に珈琲のオーダーを聞きに来てくれました。ブッフェコーナーでは都度、使い捨ての手袋を使用します。手をかざすと空気が噴き出すので、触ることなく装着完了です。また多くのメニューが個別に器に入れられていました。コロナ対策としてのグラスなのですが、花畑のような美しさに気分が高揚します。香ばしいクロワッサンや、垂直面に飾られたドーナツなど、見た目も楽しく、つい食べ過ぎてしまいそうです。

冷ややっこやマグロの山かけ、辛子明太子、目玉焼きなどの日本食も用意され、洋食だけでない幅広いメニューから楽しめます。

朝食でもスペイン旅行気分は続きました。オープンキッチンの近くにベルケル社の生ハムスライサーが置かれ、通常時であれば自身でのスライス体験ができるのだとか。ハモンセラーノは、薄く繊細に切られ、花びらのように皿の上に並びます。

オーダー形式の卵料理は、フラメンカエッグを作ってもらいました。トマトソースで煮込んだパプリカやソーセージなどに、半熟卵を絡めて食べるスペイン南部の郷土料理です。甘酸っぱさがトロッと崩れた卵の黄身で優しい味に変化するのを楽しめます。そしてデザートはスペイン旅行でも食べたナティージャ。爽やかなレモンの香りがするカスタードクリームが可愛い瓶に入っています。

メロンのフレッシュジュースや、カットフルーツも取り分けられており、カラフルな瓶が皿に揃い朝からみなぎる力を貰ったようなパワフルな朝食でした。

ACキッチンでの朝食 スタッフの右手にはフラメンカエッグzoom
ACキッチンでの朝食 スタッフの右手にはフラメンカエッグ

チェックアウトはお昼
ACホテルはチェックアウトが正午に設定されており、食後もゆっくりと仕事の時間に充てることが出来ました。不自由なことが多いコロナ禍ですが、ヨーロッパの風が仕事の時間にも流れ込むような、こんな時間の過ごし方は気分転換にも良く、いい発想が湧き出て来る気がします。シンプルかつ洗練された快適な空間を提供してくれたのでした。

取材協力:ACホテル・バイ・マリオット東京銀座
     ⇒ https://www.tobuhotel.co.jp/acginza/

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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