旅の扉

  • 【連載コラム】旅行が大好きやか!
  • 2019年12月5日更新
亜細亜大学 経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科:小倉ゼミ生

「五感で和を感じるご縁の国、島根県大田市」~古民家風カフェに魅せられて~

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出雲からいざ、世界遺産へ

朝、電鉄出雲市駅周辺でレンタカーを借り、『五感で和を感じるご縁の国、島根県』のテーマの下、私たちのグループは世界遺産にも登録されている石見銀山遺跡へ。出雲市から少し離れているので1時間ほどかかりますが、その道中、真っ青な海にきらきらと光る砂浜、海沿いを過ぎれば、木が青々と生い茂る綺麗な山道とそれはそれはもう言うことなし!!!思わず窓を全開にして走りたくなるそんな道ばかりで移動もとても楽しめました。

風情が残る下町へ

さて、石見銀山に到着し、遺跡の見学が終わったところで下町へ。石見銀山は3つのエリアに分かれており、車で行ける範囲は限られているので、エリアからエリアへの移動はレンタルサイクルがお勧めです。電動か普通の自転車好きなほうを選べるので目的に合わせて選んでみてください。

下町を訪れてみると、昔ながらの古民家が道沿いにずらり。もちろんほとんどが民家ですが、奥へ進んでいくと、窓や戸を開放して住民の方々が雑貨などを売っていたり、レトロな郵便局があったりと街並みを活かしながら建物をさまざまな用途で利用していました。その中でも私は自分の中のテーマを「下町カフェ」と設定し、魅力を発信していこうと思います。
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大森地区の城下町に佇む、群言堂

大森のメインストリートにある「群言堂」の建物は、1989年にこの町に最初に建てられた古民家再生の象徴でもある建物です。もともとは旧商家で、築約150年の歴史を持ち、およそ300坪の敷地面積を有しています。

写真にもあるディスプレイも含め、この町の人々が豊かな田舎の風景に価値が見出される時代がきっとくるということを信じ、長い歳月をかけ少しずつ手を加えていきながら理想の空間を生み出したそうです。

このディスプレイは、群言堂石見銀山本店の玄関スペースに飾られており、開店当初から町の人々の想いを表現し、訪れた人たちを楽しませるために、季節ごとにスタッフや地元のアーティストと協力をしながら畳の間にディスプレイを作っているそうです。

実際に中へ入ってみて、最初に目に入ってきたのがこのディスプレイだったのですが、大きさと鮮やかな飾りに圧倒されました。カフェは奥の部屋にあるのですが、そこへ向かうまでに雑貨が売っていたり、本が売っていたりして、カフェだけというよりは、カフェも含めてのんびりとした生活や暮らしの楽しさを発信している場所という印象を受けました。
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甘いスイーツや深みのあるコーヒーで一息いかが

店内へ進むと、木を基調とした暖かな空間が広がっており、アットホームに自分なりの休憩ができる場所だと思いました。カウンターで談笑する人、コーヒーを飲みながら読書をする人、各々がリラックスタイムを満喫していました。

私はお店の外にある看板でお勧めされていた季節のパフェ『ジンジャー香るかぼちゃと梨の秋パフェ』を注文。何が入っているのか小さな紹介の紙が付いてきて、そのパフェは、かぼちゃのアイスクリーム・梨と生姜のシャーベット・むらさきいもチップス・さつまいものレモン煮・豆乳プリン・米ぬかクッキーが入っていました。全体的にクリーミーな味わいで梨やむらさきいもの甘みとジンジャーの渋みや辛みが引き締まっていてとても美味しくいただきました。

友達はコーヒーを注文していましたが、苦みはあるものの、その苦みの中に深みとコクがあり、それらが相まってあまり強い苦みは感じないそうです。遺跡見学の後の休憩にぜひいかかでしょうか。お昼の時間帯にはランチメニューもあるのでゆっくりランチをした後に遺跡見学も良いですね。
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温泉津のゲストハウス&カフェ『メグルヤ』へ

石見銀山遺跡を後にして、玉造温泉へ向かう途中の温泉津温泉街でまたまた素敵なカフェを見つけちゃいました!そちらがゲストハウスとカフェを営む「メグルヤ」さんです。

こちらのカフェは世界遺産『石見銀山とその文化的景観』の登録を受けた温泉津温泉街にあります。伝統的な日本家屋を肌で感じながら、温泉津ならではのゆったり、のんびりなひとときを過ごすことができます。

日本家屋の建物に、内装はエスニックが基調とされているので、2つの国の融合も味わうことができます。店内には席が2つしかありません。1つは靴を脱いで上がる座敷形式で、そこのテーブルはなんと昔の家の居間にあるような大きな長方形のテーブルです。そして、もう1つの席が小さめの低いテーブルに1人掛けソファが向かい合わせに置いてある席です。

私たちは4人で訪れたので、座敷のテーブルに座りましたが、扇風機とアンティークな家具がたくさんあり、時代をタイムスリップしたような感覚でした。
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自然素材にこだわる

お店のほとんどのメニューがカフェメニューで軽食が主です。自然素材に強いこだわりをも持つお店で、スムージーやピザなどは素材の味がダイレクトに分かります。注文したピザの大きさは小さめなものの、具材やチーズがぎっしり詰まっているので、とてもおいしく、かつ満腹感もあります。木の板で提供されるのも風情を感じました。

果物のスムージーは余計な物は一切使わず、濃い濃い果物のフルーティーな味と香りが一気に広がります。またゲストハウスの他にも、世界中からコレクトした雑貨も販売しているので、エスニックなどが好きな方には雑貨もお勧めです。

好きなことを自由にできる場所

メグルヤでは、ゲストハウスも運営しているので、宿泊も可能です。そして、この場所では、ライブをしたい人、イベントを開きたい人、ワークショップをしたい人、個展を開きたい方などを募集し、ゲストハウスを長期間泊まり込みでの募集もしているので、様々な用途に合わせた使い方ができるところも魅力です。

世界遺産の街にある古民家ですが、防音の設備が整っているので、音が外に筒抜けすることもなく、気軽に楽器も演奏できます。これは、幅広い視野でお店を使っていただけるようにという新しい考え方です。その他にも、アットホームな結婚披露宴、二次会、同窓会の会場としても利用できるそうです。温泉津温泉街を訪れる機会があればぜひメグルヤに足を運んでみてください。
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なぜ、下町カフェ?

2件のカフェはいかがだったでしょうか。このコラムをきっかけに現地へ興味をもっていただければ幸いです。

さて、今回、なぜ私がゼミ合宿で下町カフェに焦点を当てたかというと…。私自身、大学進学をきっかけに上京してきた身なのですが、東京のチェーンのカフェの多さに驚きました。もちろん、数多くあるお店の中から好きな味を見つけ、その味が出かけた先々で楽しめるという点はチェーン店の強みでもあります。しかし、交通の便があまり良いとはいえない島根県、それでも昔の歴史や文化、景観を重んじる島根にはチェーン店ではなく、風情ある景観の中昔から根付き、時の流れの中でひっそりと佇み続ける魅力的なカフェがあるのではないか、ぜひそんなカフェを見つけて訪れてみたい、と思ったからです。

実際、2件のカフェは日本家屋で古民家風のカフェという点は共通していますが、片方は内装を木に、もう片方はエスニック風に、寛げる空間のつくりだし方はまるっきり違っています。そんなカフェの中でも共通点を見つけたり、違った部分を見つけたりすることもすごく楽しかったです。自分にとっても新しい発見だらけで、とても有意義なゼミ合宿でした!

小倉通孝ゼミ2期生  Noa
亜細亜大学 経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科:小倉ゼミ生
亜細亜大学 経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科 小倉通孝ゼミ生による旅のコラム。ゼミの授業を通して訪れた国内外の観光地をフレッシュな学生の視点でレポートします。

亜細亜大学 経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科
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