旅の扉

  • 【連載コラム】地球に優しい旅しよう!
  • 2019年4月22日更新
自然と動物好きなトラベルジャーナリストの旅コラム
travel journalist:平野 美紀

【こだわりグルメ旅】メルボルンからひと足伸ばして、海辺の町「ジーロング」へ!

話題のグルメ・スポットと美しい海辺の景色が点在するジーロング&ベラリン半島zoom
話題のグルメ・スポットと美しい海辺の景色が点在するジーロング&ベラリン半島
メルボルンの街歩きを思う存分楽しんだ後は、さらにおいしいものを探して日帰りトリップに出かけてみませんか?

メルボルン中心部から南西に約75km のところにあるジーロング/ Geelongは、ポートフィリップ湾に突き出したベラリン半島と「世界で一番美しいドライブロード」として知られるグレート・オーシャン・ロードへと続く海辺の町。

近年、ジーロング周辺のベラリン半島には、レストランを併設したワイナリーやクラフト・ビールのブリュワリーなどが増え、グルメなエリアとして、地元で注目を集めています。

そこで、今回は、日本ではまだあまり知られていない話題のグルメ・スポットと美しい海辺の景色を探しに、まずは「ジーロング」へ向けて出発!
ジーロング・ピアと名物のボラードzoom
ジーロング・ピアと名物のボラード
■ジーロング名物「ボラード」巡りで癒される!

ジーロングに到着したら、海を目指して、「ジーロング・ピア(桟橋)」へ。

ピアのある海沿いは、緑豊かな公園と美しいポートフィリップ湾が目の前に広がる絶景スポット。まずは、ジーロングの名物「ボラード」と一緒に記念撮影をパチリ!

「ボラード」とは、船を繋ぎとめておくための杭のこと。ジーロングでは、1980年代にピアを改修する際に出た廃材(木)をカラフルでユニークな「ボラード人形」に仕立て、海沿いに続く公園の散策路に並べて、「ボラード・トレイル」を作りました。

トレイル上のボラードは、全部で100体以上!ひとつひとつがアーティストによる手描きのため、どれも味のある顔つきをしていて、見ているだけでほっこり♪

ピアの近くにはメリーゴーランドや観覧車などもあり、週末や学校休暇のシーズンには、地元の家族連れで大賑わい! また、ジーロング上空を飛ぶヘリコプター遊覧もでており、観光客に人気です。
歴史ある赤レンガの建物が印象的なホワイト・ラビット&リトル・クリーチャーズ・ブリュワリーzoom
歴史ある赤レンガの建物が印象的なホワイト・ラビット&リトル・クリーチャーズ・ブリュワリー
■ビール好きなら外せない!ホワイト・ラビット&リトル・クリーチャーズ・ブリュワリー

ビールを愛するすべての人におすすめしたいのが「ホワイト・ラビット&リトル・クリーチャーズ・ブリュワリー」。

オーストラリア国内でも人気急上昇中のこの2つのクラフト・ビールの醸造拠点となっているのは、ジーロング中心部から約30分のところにある1923年建造の羊毛紡績工場跡。

歴史的な赤レンガ造りをそのまま残した建物内には、醸造所に併設されたレストランとカンティーン(食堂)があり、天井が高く、開放感のいっぱいの空間で、出来立てのビールと共においしい食事が楽しめます。

メルボルン郊外のワイン産地ヤラバレー地区にあるヒールズビルで生まれた「ホワイト・ラビット」は、最初にリトル・クリーチャーズの醸造キットを使ってビール造りを始めたという、いわば、兄弟ブランド。もともと西オーストラリア州フリーマントル生まれの「リトル・クリーチャーズ」が、東海岸への進出とビール愛好者が集える広い場所を求めてジーロングに拠点を作る際、兄弟分のホワイト・ラビットも同じ場所へ引っ越してきました。

リトル・クリーチャーズは、ホップの苦みを生かし、すっきりとしたアメリカン・ペール・エール系が得意。ホワイト・ラビットは、ベルギー・ビールなどに多くみられる木製樽で熟成させた、昔ながらの製法で作られるエール系が得意と、それぞれ異なるテイストのビールが楽しめます。

どちらも人気のビールを少しずつ試せるティスティング・セットがあるので、お好みのビールを見つけてみてください!

White Rabbit & Little Creatures Brewery Geelong
221 Swanston St, Geelong VIC 3220  
TeL:(03) 5202 4050 -White Rabbit / (03) 5202 4009 - Little Creatures

※各レストランの営業時間は以下の通りです。

White Rabbit Brewery, Barrel Hall  
営業時間:日~木11:00-17:00, 金土11:00-21:00

Little Creatures Brewery, The Canteen  
営業時間:月火10:00-17:00, 金土10:00-22:00, 土日8:00-22:00
ポートフィリップ湾の素晴らしい眺めが楽しめるジャック・ラビットzoom
ポートフィリップ湾の素晴らしい眺めが楽しめるジャック・ラビット
■美しい海を一望する丘の上のワイナリー・レストラン、ジャック・ラビット

天気のいい日のランチに出かけてみたいのが、ジーロングの中心部から東へ約30分の湾沿いにあるワイナリー・レストラン「ジャック・ラビット」。気軽に食べたい時はカフェで、コースでしっかり食べたい時はレストランでと、気分に合わせた食事が楽しめます。

ここでの一番の楽しみは、食事に合わせた自家製ワイン。ベラリン半島の丘陵地帯にある100エーカーを超えるブドウ畑では、ソーヴィニヨンブラン、リースリング、ピノグリ、シャルドネ、ピノノワールなど、バラエティ豊かなワインを生産しています。

ジャック・ラビットは、環境へのインパクトを減らし、リサイクルにも主眼に置いた栽培と製造方法で、サスティナブル(持続可能)なワイン造りが自慢のワイナリー。レストランとカフェで提供する料理にも、その心意気が表れています。

食材は、エコロジカル・フットプリント(人間の活動が環境に与える負荷を数値化したもの)を考慮し、運搬時に出る排ガスなどで環境負荷が高くなる遠方のものではなく、地元のものを使うのが基本。地元の旬の食材を一番おいしい時期に、提供するよう心がけているそうです。

ブドウ畑の向こうに見える青く輝く海を眺めながらのランチは、ゆったりとした午後のひとときを過ごすのにぴったりです。

Jack Rabbit Vineyard
85 McAdams Lane, Bellarine VIC 3221
TeL:(03) 5251 2223
営業時間:日~木10:00-17:00, 金土10:00-17:00 / 18:00-23:00
目からウロコの絶品サイダーが飲めるフライング・ブリック・サイダー・コーzoom
目からウロコの絶品サイダーが飲めるフライング・ブリック・サイダー・コー
■女性に人気!果実の香り豊かなほろ酔いが楽しめる絶品サイダー、フライング・ブリック

ビールやワインは苦手だけど、ちょっぴりほろ酔い気分を楽しみたい!という人におすすめなのが、「フライング・ブリック・サイダー・コー」。

サイダーというと、日本では炭酸の清涼飲料水のイメージですが、英国の伝統を受け継ぐオーストラリアでは、リンゴや梨を使って作る発泡性のあるお酒のこと。果実の持つさわやかな味と香り、発泡性(スパークリング)ならではの喉越しの良さが特徴で、女性にはとくに好評です。

ベラリン半島のちょうど中間地点に位置するフライング・ブリック・サイダーは、オーストラリアに数あるサイダー醸造所の中でも、果実本来の持つ清々しい香りと味を生かした絶品サイダーがずらり!

女性に人気のある果実ベースのお酒というと、甘口で好みじゃない…と思われる男性諸氏も多いかもしれませんが、フライング・ブリックのサイダーを飲めば、そんなイメージは吹っ飛ぶかも?

週末には、ピクニック気分で食事ができる気持ちの良い芝生を目当てにやってくる地元の家族連れもたくさん! 最近、造り始めたというワインの出来も素晴らしく、アジア料理を意識したコンテンポラリーでカジュアルなお料理と共に、満足度の高いランチが楽しめます。

Flying Brick Cider Co 
1251 – 1269 Bellarine Hwy Wallington VIC 3222
TeL:(03) 5250 6577
営業時間:日~木10:00-17:00, 金土10:00-23:00
美しい景色が広がるベラリン半島は見どころいっぱい!zoom
美しい景色が広がるベラリン半島は見どころいっぱい!
■ジーロングへの行き方

ジーロングへは、レンタカーが便利ですが、メルボルン中心部のサザンクロス駅から電車で行くこともできます。だいたい20分に1本の間隔で運行され、乗車時間は乗り換えなしで約1時間。

また、うれしいことに、ジーロングへの電車には、メルボルン近郊のトラム乗車等に使うプリペイド式カード「myki」が、そのまま使えます。ジーロング市内のバスにも使えますので、Mykiを使うなら、少し多めの額をトップアップ(入金=チャージ)してお出かけください!

ちなみに、メルボルン~ジーロング間の大人片道料金は、以下の通りです。(2019年4月時点)
 ・ピーク時 $13.40
 ・オフピーク時 $9.38

時刻表はこちら。

地元のおいしいものを目的としたグルメ旅がおすすめのジーロング&ベラリン半島ですが、その他の見どころもいっぱい! メルボルンのリピーターはもちろん、他人とはひと味違った旅をしたい方に、とくにおすすめしたいディスティネーションです。



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travel journalist:平野 美紀
人工物よりも自然に魅せられ、6年半暮らしたロンドンからオーストラリアへ移住。
トラベル・ジャーナリストとして各種メディアへの執筆やラジオ出演などの傍ら、
旅行情報サイトも運営。目下の関心事は、野生動物とエコ。
個人ブログ:http://tabimag.com/blog/
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