旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2018年11月19日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

シカゴブルース、ステップアップ編 【連載】建築&アート、音楽と食を巡るシカゴの旅 Vol.11

アメリカを代表する音楽、ブルース&ジャズをたっぷり楽しめるシカゴ。zoom
アメリカを代表する音楽、ブルース&ジャズをたっぷり楽しめるシカゴ。
ブルース好きの人なら、一度は訪れたい聖地とも呼ばれるシカゴ。シカゴブルース初心者編に続き、今回は少々ステップアップして、地元の人に混じってローカル気分でライブを楽しめるスポット2軒をご紹介します。

ひと晩で2倍楽しい! ふたつのステージがあるKingston Mines
リンカーン・パークに近い『Kingston Mines(キングストン・マインズ)』は、シカゴブルースを代表する老舗ライブハウス。1軒の店内にふたつのステージがあり、毎晩2組のバンドが交代で午前4時(土曜日は5時)まで演奏しています。
シカゴを代表するライブハウス『Kingston Mines』。同じ通りに何軒かのライブハウスが軒を連ねるので、ハシゴもできます。zoom
シカゴを代表するライブハウス『Kingston Mines』。同じ通りに何軒かのライブハウスが軒を連ねるので、ハシゴもできます。
入り口にセキュリティが立っていて、ちょっと物々しい感じですが、店内はとってもカジュアル。ふたつのステージはそれぞれ独立していて客席があり、片方のステージの演奏が終わると、お客さんはもう片方のステージがある部屋にぞろぞろと移動していく様子がとってもユニーク! 前のほうの特等席を陣取って聴きたいと思ったら、片方のステージ演奏が終わる少し前に移動しておくのがポイントです。
ふたつのステージでは、2組のバンドが交代で演奏。この日は、日本人のミュージシャンも登場していました。zoom
ふたつのステージでは、2組のバンドが交代で演奏。この日は、日本人のミュージシャンも登場していました。
アメリカンビール、クラフトビールとともに、ナチョス、チキンウィング、フィッシュ&チップスなどフードメニューも充実しています。ディナーもここでという場合、演奏が始まる21:30までに済ませておくほうがゆっくり食事ができます。
地元の人たちから圧倒的な人気を誇る店。ライブとともにローカル気分も味わえます。zoom
地元の人たちから圧倒的な人気を誇る店。ライブとともにローカル気分も味わえます。
明け方近くまで営業するため、日付が変わる時間にはほかのお店で仕事を終えたミュージシャンがやってくることもあるそう。お目当てのミュージシャンがいるなら、ウエブサイトでアーティスト情報と出演時間をチェックして出かけるといいでしょう。
●Kingston Mines(キングストン・マインズ)
2548 N. Halsted St., Chicago
kingstonmines.com

ドレスアップした大人が集うジャズ・クラブ
シカゴの音楽シーンを語るとき、ブルースとともに欠かせないのがジャズ。ブルースとジャズは、兄弟のような存在と言われ、歌中心のブルースがお兄さんで、バンド演奏が欠かせないジャズが弟分。ニューオリンズ発祥のジャズは、20世紀に入りシカゴで独自の発展を遂げました。
シカゴ川沿いの遊歩道にある『Winter's Jazz Club』。ドリンクがメインなので、食事を済ませてから訪れることをおすすめします。zoom
シカゴ川沿いの遊歩道にある『Winter's Jazz Club』。ドリンクがメインなので、食事を済ませてから訪れることをおすすめします。
そんなシカゴで人気のジャズスポットが、シカゴ川添いのネイビー・ピアに近い『Winter's Jazz Club(ウインターズ・ジャズ・クラブ)』です。ここでは、トラッドジャズと呼ばれる正統派ジャズから、ジプシージャズ、ニューオリンズ・スタイルなど、さまざまなスタイルのジャズをライブで楽しめます。この夜はスタンダードナンバーが多かったのか、いろんなスタイルのジャズがあることすら知らなかった私も耳にしたことがある曲が演奏され、知らず知らずのうちに体を揺らし、音の世界に引き込まれていました。
ジャズに詳しくなくても、この雰囲気の中にいると、その世界観に引き込まれます。zoom
ジャズに詳しくなくても、この雰囲気の中にいると、その世界観に引き込まれます。
お客さんにはドレスアップした大人のカップルが多く、けっして華美ではないのだけれどみなさんセンスが良くて、その雰囲気もとても素敵! 「ジャズの本場で聴いている」気分にたっぷり浸れます。ステージは、19:30~と21:30~の1日2回。開演前に行列ができるほどの人気店なので、ネット等で予約してから訪れるのがいいでしょう。
●Winter's Jazz Club(ウインターズ・ジャズ・クラブ)
465 N. McClurg Court, Chicago
wintersjazzclub.com

ブルースとジャズの本場・シカゴで体験する音と空気は、そこに身を置き耳を傾けているだけで、いつしか心と体にぐいぐいと迫ってきます。そしてライブを体験した後は、街の景色がそれまでよりなじんで見えてくるから不思議。シカゴを旅するなら、夜のライブ体験をぜひともプランに組み入れてみてください。

●協力
シカゴ観光局

http://choosechicago.com/jp
ユナイテッド航空 
www.united.com
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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