旅の扉

  • 【連載コラム】旅行が大好きやか!
  • 2018年10月22日更新
亜細亜大学 経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科:小倉ゼミ生

高知県にある奇跡の清流、仁淀川の日帰り観光のススメ

仁淀川と私zoom
仁淀川と私
四国には、四国三大河川と呼ばれる3つの河川があります。たびたびメディアでも登場する有名どころ「四万十川」、日本三大暴れ川にも入っている激流「吉野川」、そして今回の主役、奇跡の清流こと「仁淀川」(によどがわ)です。

仁淀川は愛媛県と高知県を流れる川で、その特徴はなんといっても水の美しさ!国土交通省が発表している全国1級河川水質ランキングで平成28年まで5年連続で1位に輝き、鮮やかな緑と青が混ざったような唯一無二の水の色は仁淀ブルーと呼ばれています。そんな仁淀川に点在する観光スポットを巡ったので、その様子をお伝えしたいと思います。
高知の川といえばこれ、沈下橋!四万十川の沈下橋が有名ですが、仁淀川にも立派な沈下橋があるのですzoom
高知の川といえばこれ、沈下橋!四万十川の沈下橋が有名ですが、仁淀川にも立派な沈下橋があるのです
朝8時に高知駅の近くでレンタカーを借りて出発。仁淀川の観光は公共交通機関が整っているとは言えないため、効率よく観光するならレンタカーを借りるのをお勧めします。

車を走らせ高知市内を出ると景色は一変してのどかな田舎道。朝日を浴びながら走る土手はなんともいえない気持ち良さで、映画のグリーンマイルばりに体の中から悪いものが出ていくのを感じました。

そして最初の仁淀川ポイント「名越屋沈下橋」(なごやちんかばし)に到着!
人生初の沈下橋。正直ここに来るまでは川で感動することなんてないと思っていました。しかし、実際に現地で目の当たりにするとその考えが間違いだったと気づかされます。大きな川がない地域で育った私は、川のデカさとその壮大さに圧倒されました。

さらに欄干(橋の側面に付いている手すり)が無いため、まるでデカい川を直線で突っ切る道のように見える沈下橋。まさに我が道をゆく漢。沈下橋が醸し出すカッコよさに惚れました。

仁淀川を主軸にして、山!青空!巨大雲!そして沈下橋!!!それだけで構成される視界はこれぞ「日本の夏!!」。興奮さめやらぬままウキウキで次の目的地に移動です。ちなみに沈下橋を車で走ると下に落ちそうでめちゃくちゃ怖いです。運転史上トップ5に入る緊張感でした。
仁淀川を眺めながらのソフトクリーム最高zoom
仁淀川を眺めながらのソフトクリーム最高
次の目的地へ移動中、お昼が近づくにつれ気温も上がってきたため休憩を兼ねてアイスクリームを食べることに。

入ったのは「高知アイス売店」。こだわりの県産食材を使ったスイーツを販売する高知アイスの直売店兼カフェとのこと。カフェの店内は巨大なガラス張りの壁があり、ガラスの向こうにある仁淀川を見ながらスイーツを食べられるようになっていました。また、内装は落ち着いていて照明もすこし暗めなので明るい外の大自然がとても映えるのです。

私が食べたのはこの店の名物ソフトクリーム「土佐ジローのタマゴを使った濃厚なソフトクリーム」。名前の通り高知の地鶏である土佐ジローの卵を使用して作ったソフトクリームなのですが、かなり美味い。最近やたらと多い「味が薄めの甘さひかえめ○○」的な流行をガン無視の濃厚な甘さで小腹を満たすのに最適でした。涼しく落ち着いた空間で夏の川を眺めながらゆっくり濃厚ソフトクリームを食べる。これ以上に大人なソフトクリームの食べ方があるでしょうか。

そんなこんなで居心地が良すぎてなかなか店から出られなかったのですが、本来の目的である仁淀川めぐりのためにダンディ空間をあとにして再出発。

順調に旅は進んでいたのですが、立ち寄った道の駅のトイレの張り紙で想定外の事実が発覚。次の目的地である「にこ淵(にこぶち)」が落石防止の工事のため立ち入り禁止になっているとのこと。水神の化身の大蛇が棲んでいるという神秘的な場所らしく楽しみにしていたので残念。ということで、にこ淵の後に行く予定だった「安居渓谷(やすいけいこく)」へ向かうことになりました。
セミの声と水の音が気持ちいいんですzoom
セミの声と水の音が気持ちいいんです
安居渓谷に向かう道中に川沿いの道を走るのですがそれがまた美しく、どこを撮ってもインスタ映えでした。また山の奥に入っていくにつれてだんだん川の水の色が青色をおびてきていわゆる仁淀ブルーになっていくのも面白いです。

川沿いをドライブしながら安居渓谷での最初の目的地である「みかえりの滝」に到着。この滝の名前の由来は立ち去るときに振り返って見たくなるほどの滝ということらしいですが、滝の見た目というよりは、滝がもたらすその場所の涼しさと水の音が魅力的でその場を去るのが惜しいと思わせてくれました。

渓谷をさらに進み次の目的地「水晶淵(すいしょうぶち)」です。駐車場に車を止めて川に降りると巨大な白い岩の間を仁淀ブルーの水が流れていて、映画アバターやスターウォーズに出てきそうな非日常の世界観ただよう景色でした。そこからさらに徒歩で川上へと進み水晶淵を目指します。巨大な岩が多くあるため所々に川の流れが緩やかなところがあり、川遊びにきている親子や若者が各々の川遊びスポットを見つけて遊んでいるのどかな風景を見て、優しい気持ちになりながら歩き続けていると10分ほどで目的地の水晶淵に到着。
飛び込み欲を抑えるために瞑想しても仁淀ブルーの前では無意味zoom
飛び込み欲を抑えるために瞑想しても仁淀ブルーの前では無意味
美しいーーーーーーー!美!!!美!!!!!
防砂ダムの下に溜まった仁淀ブルーの水は驚くほど透き通っており川の底がはっきり見えるほど。左右の森の茂みの醸し出す神々しい雰囲気はまさにジブリ。仁淀川の魅力を詰め込んだ場所がここにありました。

こんなに綺麗な川に出逢ってしまったら必然的に湧いてくるのは飛び込みたい欲。着替えを車に置いてきたこともあり、かなり迷いましたがこの日の暑さにも後押しされ入水。

海で育った私は川の冷たさに若干引きましたが、やっぱり最高に気持ちいい。泳いで気付いたのですが、ここ見た目よりかなり深いです。奥のほうは足がつかなかったので潜ってみたのですが底の深さは計り知れませんでした。その深さで底が鮮明に見える水晶淵のポテンシャルも計り知れませんでした。
画像じゃ伝わりづらいですが、滝、デカイですzoom
画像じゃ伝わりづらいですが、滝、デカイです
来た道を引き返して車に戻り服を着替えてとうとう最後の目的地「飛龍の滝(ひりゅうのたき)」へ!
水晶淵の駐車場から少し進んだ場所の駐車場に車を止め、徒歩で沈下橋を渡って飛龍の滝につながる山道に入るのですが、その目印となる沈下橋が高さ30センチ長さ1メートルほどのミニミニ沈下橋だということを知らず、名越屋沈下橋のイメージしかなかった私達はこの沈下橋を探すのにかなり苦労しました。

ミニミニ沈下橋発見したときは謎の達成感でテンションがあがっていたのですが、本当の苦労はここからだったのです。実は飛龍の滝までの山道、30分ほど歩かされます。途中容赦なく階段や坂が現れ、蛇や謎の銅像もいます。木陰で涼しく、雰囲気は良いのでインディ・ジョーンズが好きな人は興奮するかもしれませんが、泳いだ後で疲れが溜まっている私はしっかり心折れていました。

真顔で歩くこと30分、ついに到着した飛龍の滝は想像していたより数倍デカく、龍が昇っているような迫力は最後の目的地にふさわしい、まさに過酷な道のりを乗り越えた者にだけ味わえる高揚感を与えてくれました。これには真顔だった私もニッコリ。

そんなわけで、仁淀川の日帰りツアー、細やかなアクシデントはあったものの全体的には大満足。今回の旅で感じた仁淀川観光の注意点は、アブが多いので虫対策をしっかりすることと、森の奥にある場所が多いうえになかなか携帯の電波が安定しないので明るいうちに帰れるような時間配分を心がけることだと思います。しかし、仁淀ブルーは日本にこんなに綺麗な川があったのかと思うほど神秘的で、どれだけアブに刺されようとも私はあの場所に行くときっとまた飛び込んでしまうのでしょう。

小倉ゼミ1期生 Tom
亜細亜大学 経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科:小倉ゼミ生
亜細亜大学 経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科 小倉通孝ゼミ生による旅のコラム。ゼミの授業を通して訪れた国内外の観光地をフレッシュな学生の視点でレポートします。

亜細亜大学 経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科
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