旅の扉

  • 【連載コラム】ヘルシー目線でアジアの旅をスナップ!
  • 2018年10月16日更新
Asian Wellness Journey アジアン・ウェルネス・ジャーニー
ライター・エディター:河辺さや香

心が震える絶景に出逢う、オーストラリア・ノーザンテリトリーの旅

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ウルル(エアーズロック)があることでも有名な、オーストラリア北部の準州「ノーザンテリトリー」。そこには、手付かずの大自然が生み出す、大陸ならではのワイルドな風景が広がっています。今回は最北部にあるカカドゥ国立公園と州都ダーウィンを中心に、見逃せない絶景を5つのポイントに絞って紹介します。
19時には真っ暗に。完全に暗くなると足元が危険なので注意zoom
19時には真っ暗に。完全に暗くなると足元が危険なので注意
①涙が出るほどロマンチック! カカドゥ国立公園は夕陽のベストスポット

ノーザンテリトリーの最北部(トップエンド)観光のハイライトと呼ばれているのが、世界複合遺産に登録されている「カカドゥ国立公園」。2万平方キロメートルにも及ぶ敷地は、とても全て回りきれる規模ではありませんが、ピンポイントで訪れたい場所はいくつもあります。中でも「ウビア」と呼ばれる岩場は、サンセットの名所として有名です。

8月上旬の日の入りは、18時40分ごろでした。赤く燃えるような夕陽が巨大な岩に映る様も美しいですが、日が暮れてからの10分間、いわゆるマジックアワーと呼ばれる瞬間はもっと幻想的! なんとも表現できないピンクとオレンジの空色グラデーションは、きっと脳裏に焼き付くことでしょう。

■ウビア(Ubirr)
https://northernterritory.com/jp/ja/kakadu-and-surrounds/destinations/ubirr

鳥を見るのは、早朝と夕方の時間帯が比較的おすすめzoom
鳥を見るのは、早朝と夕方の時間帯が比較的おすすめ
②広大な大湿原は、まさに鳥たちの天国!

カカドゥ国立公園の中にある「Mamukala Bird Sanctuary(マムカラ・バードサンクチュアリ)」という大湿原では、この地に生息する珍しい水鳥を見ることができます。私が訪れた日は実際に目にすることができませんでしたが、カササギガンやヘビウ、ペリカンなども集まってくるとか。どこまでも続くように感じられるほど広大な湿原は、まさに鳥たちの天国。人間が観察していようと、お構いなしといった感じです。そんな“ワイルドライフ”の中にお邪魔できるのも、ノーザンテリトリーの魅力。

■マムカラ・バードサンクチュアリ(Mamukala Bird Sanctuary)
http://www.kakadunationalparkaustralia.com/mamukala_wetlands.htm

時々川で泳ぐクロコダイルが見えることもzoom
時々川で泳ぐクロコダイルが見えることも
③1時間の遊覧飛行でオーストラリアの原風景を望む

さて、これだけ雄大なカカドゥ国立公園を見るのにはやはり空からが一番。遊覧飛行は絶景を望むのに、最もおすすめしたい方法の1つです。

ずっと同じような風景が続くと思うなかれ!草原、断崖絶壁、湿原や大小の河川、そして鉱山と、その景色は次々と変化します。きっと、ドラマティックな空中ショーを見られることでしょう。

■カカドゥ・エアサービス(Kakadu Air)
https://www.kakaduair.com.au/

現地のガイドさんは、身長170cmくらいなので、このアリ塚はざっと4mくらい!?zoom
現地のガイドさんは、身長170cmくらいなので、このアリ塚はざっと4mくらい!?
④摩訶不思議なオブジェの正体は、なんと巨大アリ塚!

絶景という観点とは少しずれてしまいますが、ノーザンテリトリーでしか見ることのできない不思議なものがあります。それは、「ターマイトマウンズ」という巨大なアリ塚郡です。州都ダーウィンの郊外にある「リッチフィールド国立公園」の入り口付近には、いくつものアリ塚が立ち並ぶ異様な光景が広がっています。

驚いたことにこのアリ塚、1mできるのになんと10年もかかるのだとか!実際に見たアリ塚はどれも4mくらいでしたが、最長で7mのものまで存在するそうです。悠久の歴史から考えると7m(つまり70年もの)はほんの短い時間なのかもしれないですが、70年もの間シロアリがコツコツと作っていると思うのと、気が遠くなる思いです。ノーザンテリトリーを訪れると、スケールの違いに幾度となく圧倒されます。

■MAGNETIC TERMITE MOUNDS
https://northernterritory.com/jp/ja/darwin-and-surrounds/see-and-do/magnetic-termite-mounds


薄っすらと星が輝き始める、日没後15分くらいがベストタイミングzoom
薄っすらと星が輝き始める、日没後15分くらいがベストタイミング
⑤締めくくりは州都ダーウィンのビーチで、再度極上のサンセットを

州都ダーウィンはノーザンテリトリーの玄関口でもあるので、旅の出発・終着点として必ず寄ることになるでしょう。もし運良く乾季(5月〜10月)の木曜日と日曜日にあたったら、ミンディルビーチ沿いの公園で行われる「ミンディルビーチ・サンセットマーケット」を訪れたいところ。しかしそれが叶わなくても、ビーチでのサンセットは見逃せません。

マジックアワーには、「ウビア」で見たやわらかなグラデーションとは違う色のパレットを見ることができます。オレンジ色から闇の色へと移り変わるその様は、吸い込まれそうなほど。やがて黒い影に塗り替えられると、いつのまにか満点の星空に変わります。

夕暮れも星も時々見ているはずなのに、改めてこんなにも美しくドラマティックなものなのかと感動させられます。

■ミンディルビーチ・サンセット・マーケット
https://northernterritory.com/jp/ja/darwin-and-surrounds/see-and-do/mindil-beach-sunset-markets



ノーザンテリトリーにはもちろん様々なアクティビティがありますが、ただそこに身をおいて景色を眺めるだけでも十分な感動があり、尊い経験だと思いました。大自然が生み出す神秘の世界に身を委ねてみてはいかがでしょうか。きっと身体の内側から浄化できるはずです。

■取材協力
ノーザンテリトリー政府観光局
https://northernterritory.com/jp/ja


ライター・エディター:河辺さや香
出版社勤務、北京・上海・シンガポールでの生活を経て、現在は東京を拠点にフリーランスとして活動中。アジア女性ならではのヘルシー&ビューティーなライフスタイルに関心を持ち、漢方養生指導士(漢方スタイリスト)や養生薬膳アドバイザー、他にジュニア野菜ソムリエの資格も持つ。各媒体に旅、食、料理、健康にまつわるトピックスを執筆中。“アジアを旅するライターユニット”Tom☆Yam(http://www.team-tomyam.com/)のメンバー。
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