旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2018年7月26日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

フォトジェニックな機体とローカル気分が楽しい、ノックエア ~ノックスクート&ノックエアでタイは自由自在≪第2回≫

サングラスをかけた鳥が笑っているようにも見える機首のデザイン。さまざまなバリエーションのペイントが目を楽しませてくれます。zoom
サングラスをかけた鳥が笑っているようにも見える機首のデザイン。さまざまなバリエーションのペイントが目を楽しませてくれます。
LCCで行く、おひとりリゾート旅のコラム、第1回の「ノックスクート(Nok Scoot)」に続き、第2回ではバンコク・ドンムアン空港からプーケットまで利用した「ノックエア(Nok Air)」をご紹介します。

タイの国内線LCC・ノックエアの設立は2004年。数社あるタイのLCCのなかでも人気が高く、その理由は格安の運賃はもちろんのこと、鳥をイメージしたユニークな機体のペイントにあります。
どうですか? 見ているこちらも思わず“ニヤリ”としてしまう面構え。「nok(ノック)」とはタイ語で「鳥」という意味。そして鳥は、自由と友情の象徴でもあるのだそうです。

滑走路を行き来する“鳥たち”に目が釘づけ

ノックエアが発着するドンムアン空港は出発ロビーと滑走路が近いため、搭乗を待つ間、いくつものエアラインの飛行機が発着する様子を見ることができます。そのなかでひときわ存在感を放っていたのがノックエア。グリーン、ブルー、パープル、ピンクなどカラフルなペイントカラーに加え、時おりプロペラ機も横切ります。ロビーでは、その姿をカメラやスマホに収めようとする子どもたちや航空機マニアっぽい男性がちらほら。この日、約1時間の待ち時間に目にした機体デザインは10種類以上。なんと、全部で26種類のバリエーションがあるのだそうです。

https://content.nokair.com/en/About-Nokair/Nok-Air-plane.aspx
LCCの拠点となるドンムアン空港は搭乗ロビーと滑走路が近いから、待ち時間の機体ウォッチングが楽しい。zoom
LCCの拠点となるドンムアン空港は搭乗ロビーと滑走路が近いから、待ち時間の機体ウォッチングが楽しい。
お断りしておきますが、私は決して空美ちゃん(飛行機マニア女子)ではありません。しかし、このユーモラスとも、精悍とも思える面構えと機体のペイントに、飛行機が滑走路に出入りするたび、ついつい夢中になってその姿を追いかけてしまいました。これ、飛行機好きの人にはたまらない光景に違いありません。

シートピッチ広めのプレミアムシートで優越感を味わう

機内に入るとまず目に飛び込んでくるのが、ノックエアのシンボルカラーでもある黄色いカバーが付いたシート。ここは「プレミアムシート」と呼ばれ、シートピッチが通常のLCCより2~3cm広めにとってあります。小型機中心の国内線LCCはシートがとても狭くて窮屈な場合が多いのですが、このプレミアムシートは大きなバッグでなければ足元に手荷物を置いても気にならないくらいの広さ。ゆったりと過ごしたい人におすすめです。
前方の黄色いカバーがかかった席が、シーピッチ広めのプレミアムシート。zoom
前方の黄色いカバーがかかった席が、シーピッチ広めのプレミアムシート。
ノックエアのもうひとつの人気の理由が、タイ国内線LCCで唯一ミネラルウォーターを無料提供していること。しかも、鳥をモチーフにしたボトルのデザインが毎月変わり、ノックファンのなかには持ち帰ってコレクションにしている人もいるそうです。
タイの国内線LCCでは唯一、ドリンクを無料提供。鳥をモチーフにしたボトルデザインは毎月変わります。zoom
タイの国内線LCCでは唯一、ドリンクを無料提供。鳥をモチーフにしたボトルデザインは毎月変わります。
約1時間半のフライトでも機内食とショッピングタイムを楽しめる

バンコクからプーケットまでのフライト時間は約1時間20分。その間にとてもスピーディーに軽食とドリンクのサービスが始まります。食事、スナック、ドリンクは前述のボトルウォーター以外有料ですが、プレミアムシートの場合はコーヒー、紅茶などソフトドリンク1品が無料でサービスされます。
ローカル色豊かな機内食。ロゴをあしらったアメニティのデザインも、気が利いてます。zoom
ローカル色豊かな機内食。ロゴをあしらったアメニティのデザインも、気が利いてます。
食事とドリンクのサービスに続き、始まるのが機内販売。ノックエアは公式グッズが充実していることでも知られていて、デザインがなかなかおしゃれ。Tシャツ、傘、キーホルダーなどのノベルティに加え、鮮やかなイエローのスーツケースも。どんなアイテムがあるのか、シートポケットのカタログをチェックしてみると楽しいですよ。

機内アナウンスは英語、タイ語に限られ、日本語はほとんど通じませんが、それがいっそうローカル気分を駆り立ててくれます。何度もタイへ出かけているリピーターから指示されている理由は、こんなところにもあるのでしょう。国内ではバンコク経由でプーケットのほかチェンマイ、チェンラーイ、クラビなど22都市へ、またベトナムのハノイとホーチミン、中国、ミャンマーへ飛ぶ国際線も就航していいます。タイ国内のホッピングはもちろんのこと、バンコク経由でアジア方面への旅行にもとてもリーズナブルで便利です。
安さが魅力のエアラインですが、乗務員の対応はとても親切。よりディープにタイの旅を楽しむには、ぴったりのエアライン。zoom
安さが魅力のエアラインですが、乗務員の対応はとても親切。よりディープにタイの旅を楽しむには、ぴったりのエアライン。
離陸直後、眼下に広がっていたバンコクの街の景色は、いつの間にかジャングルへ、そして一面の海原に変わります。約1時間後、バンガー湾に浮かぶ奇岩群が目に飛び込んできたら、プーケットはもうすぐ。タイ最大の島であり、「アンダマン海の真珠」と呼ばれる美しい海岸線を持つ島が待っています。

次回は、プーケットで滞在した「プーケット・マリオット リゾート&スパ・ナイヤン・ビーチ(Phuket Marriott Resort & Spa Nai Yang Beach)」のリゾートステイをご紹介します。

●協力:ノックスクート
www.nokscoot.com
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
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