旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2017年9月21日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

スイスアルプスの景観浴へ! インターラーケンから山を目指す

グリンデルワルトでは駅前通りにスイスアルプスが迫りますzoom
グリンデルワルトでは駅前通りにスイスアルプスが迫ります

スイスの山岳リゾート、ユングフラウやアイガーの拠点となるのはベルナーオーバーランド地方のインターラーケン。成田空港から直行便のあるチューリッヒから鉄道で南北路線、二通りの行き方があります。

到達時間を優先するなら北回り1時間40分のベルン経由で。車窓で首都ベルンの様子を伺うのもいいかも知れません。 山岳の景観、スイスらしい牧歌的風景を満喫するなら倍の時間は掛かりますが、南回りルツェルン経由がお勧めです。天井に窓を持つパノラマ列車も走っています。

インターラーケンはその名の通り、標高500mの「湖の間」にある場所で、ブリエンツ湖とトゥーン湖の間の東(Ost)と西(West)駅からなります。この駅間は徒歩でも20分程度なのですが、丁度中央部にヘーエマッテと呼ばれる公園があって、向かうと地上からでもスイスアルプスの山々が顔を見せているのがわかります。

登山電車の基点となるOst駅からは山の次の観光拠点となるグリンデルワルトに向かいます。登山電車風の短い編成を想像していましたが、実際に走っているのは、都市間急行と変わらない長い編成です。
一見、普通の車両がぐんぐんと高度を稼いで山へ向かう姿が頼もしく思えます。
30分もすると到着です。列車を降り立つと同時に迫り来るように切り立った山肌が見えてぞくぞくします。多くの人が今までに経験のない雄大な山岳リゾート景観の素晴らしさに息を飲むことでしょう。

グリンデルワルト駅と周辺の様子zoom
グリンデルワルト駅と周辺の様子

グリンデルワルトは、ヨーロッパの頂上とも謳われるユングフラウヨッホへの基点となる駅ですが、その他多くの個性のある山岳展望台へ向かうことができます。この標高1千mの地点でも、充分に山容を確認することができるのですが、更に高みを目指すのにフィルスト(First)へ行きます。
ロープウェイの起点駅へは徒歩10分。乗車すると途中2駅を越えて25分で2,200mに到着。

アイガーを真正面に見ることの出来るレストランや崖を取り囲むように作られたクリフウォークがあり、眺望を存分に楽しめます。途中駅間の高低差を使ってジップラインやマウンテンカートなどアクティビティも充実しています。

山頂駅からはまず時計メーカーTISSOTが提供するクリフウォークに向かいます。切り立った崖に金属製の橋が掛かっています。金網のような構造ですので下を向くと崖下まで見ることができ、高所恐怖症だと動けないかも知れません。250mもの橋を渡りきると、その先にはアイガーに向かって45mのせり出した展望橋へと続きます。さわやかな風を受けて見る名峰は何度目を向けても飽きることがありません。先端の床がガラスで出来ている部分に立っての記念撮影は、撮る方も撮られる側も下が気になります。山容の素晴らしさと共にそのスリルで深く記憶に残ります。

フィルストのレストラン、クリフウォークと展望橋zoom
フィルストのレストラン、クリフウォークと展望橋

標高2,200mと壁に刻まれたフィルスト山岳レストラン(Berggasthaus restaurant)は屋内とテラス席を合わせて1000席を越える大型店舗。スイス料理に舌鼓を打ちながら見るアルプスの景観は、一生の思い出になることでしょう。晴れた日のテラスは、アイガー、メンヒ、ユングフラウの有名な三座を含む八座ほどの山々で囲まれた贅沢な環境を満喫できます。いつまでも座っていたいと思わせる景観です。

山での食事は景色がサイドディッシュzoom
山での食事は景色がサイドディッシュ

ロープウェイでそのままグリンデルワルドまで戻るのが一般的ですが、山頂から一つ下の駅シュレックフェルドまで30分と気軽に体験できる道のりを歩いて下るのもお勧めです。遠望するアルプスの山容を色々な角度で見ることができます。道標があるので、迷う事もありません。ジップラインで下る若者の歓声を耳に受けながら、軽快に歩みを進めることができます。

シュレックフェルドから下のボルトの間にマウンテンカートがあって、大人から子供までが楽しんでいます。ブレーキで速度調整をするエコな三輪カートは、風を受けて走れば爽快です。

のどかな道に絶景が広がるzoom
のどかな道に絶景が広がる

インターラーケンで時間が足りないのなら、手軽に行ける展望コースがあります。ハーダークルムと呼ばれる場所で、Ost駅から徒歩5分のハーダーバーンを使い10分で山頂へ登れるケーブルカーで向かいます。
山頂駅からは徒歩5分でスイスらしい建物のレストランが現れます。ここにも空に向かって突き出る展望橋もあって、ここでは牛のレプリカと一緒に写真が撮れるようになっています。

インターラーケンの街を見下ろし、二つの湖が視界に入る贅沢な光景を独り占めしていると気分が大きく豊かになっていくのがわかります。
スイスアルプスまでの距離はありますが、手軽に行ける展望施設としては、充実感が高いのではないでしょうか。

手軽に行ける展望台 ハーダークルムzoom
手軽に行ける展望台 ハーダークルム

スイス・トラベル・パスを持っていれば、グリンデルワルドまでは無料で、それ以降の各方面への山岳登山電車(今回の旅では、フィルストとハーダークルム)などは25~50%引きになります。

人生の糧になる、記憶に残る旅へ!
魅力的な山々が連なる光景を目に焼付けに、スイスまで出掛けてみませんか。

撮影カメラ:CANON EOS 70D
撮影レンズ:TAMRON 18-400mm/F3.5-6.3Di II VC HLD

協力:
スイス政府観光局
⇒ https://www.myswitzerland.com/ja/home.html 

スイス インターナショナル エアラインズ
⇒ https://www.swiss.com/jp/ja

スイス・トラベル・システム
⇒ https://www.myswitzerland.com/ja/swiss-travel-system-ag.html

インターラーケン観光局
⇒ http://www.interlaken.ch/en/discover-interlaken.html

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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