日本と台湾は双方の国が相手国に関心を寄せる、近隣では最大の観光目的地です。その高需要路線にジャンボジェットの活躍する場が残されているのは嬉しいことです。
この日はKLMジャンボの成田空港飛来の最終日。午前中に青い機体がオランダの空へ消えて行ったその日の午後、チャイナエアラインのジャンボジェットCI101便に搭乗しました。
今回は、ジャンボらしさを味わえるビジネスクラス。
アッパーデッキか、最前方のコンパートメントが浮かびます。改修前のファーストクラス装備機が来ることを期待して、2Kをアサインしました。
成田空港ターミナル2では、モバイルチェックイン後に、ボーディングパスを受け取りにチェックインカウンターへ向かいます。ここでラウンジチケットも受け取って、出国します。
ラウンジの位置は、71番ゲートのそば。出国するとすぐの場所なので便利です。3階から2階に降りると、アメリカン航空のラウンジと向かい合わせの位置にあります。
アメリカン航空のラウンジの中の様子がうかがい知れるガラス張りのデザインとは対照的な、重厚感ある閉ざされた扉。
デルタ航空や、中国東方航空などスカイチームの他のエアラインのラウンジとしても使われています。
ラウンジ内には、パソコンのあるビジネス スペースがあります。USBチャージャーやコンセントもありますので、仕事を片付けるのには最適です。
ミールコーナーには、巻き寿司やいなり寿司、おにぎりなどの他に、飲茶や焼きそばなどのホットミールもありましたので、小腹を満たすには充分です。また、デニッシュ類やカットフルーツなども揃っています。
ドリンクは、ウッドブリッジの赤白ワイン、白加賀の梅原酒に加え、ウイスキー各種もあり、出発までゆったりとした時間が過ごせました。
B-18205はラウンジそばの74番スポットにその機体を休ませています。
ジャンボ特有のコックピットから下のラインが美しい。
水色と紺の2色が後方に向かって伸びており、印象深い機首部のデザインになっています。間近で見ると迫力を感じます。
L1ドアから機内に入り左に折れると、機首に向かって狭くなるジャンボ特有なラウンジを思わせる空間に、2-2配列で18席のビジネスクラスが並びます。今回は ビジネスクラスの改修機でした。
ライフラットのゆったりとしたシートが薄紫のカラーに包まれて装備されています。
5列目は中央席もあり、2-2-2配列となっています。
中央部席の前方には、花を活けたり雑誌を置けるサービスユニットがありました。
ウェルカムドリンクには、オレンジジュースを貰います。
次にワインリストとメニューが配られました。
重厚な箔の押された表紙のワインリストは12ページものラインナップがあり、フランス産シャンパーニュムタールペールをオーダー。
続けての食事は、3種類の選択になります。
洋食はステアフライチキンの梅肉ソースか牛フィレ肉の赤ワインソース、もしくは和食。
今回は和食を選びました。前菜、酢物、小鉢、台の物が載った膳は、彩りも良く、目を楽しませてくれました。
メインのカレイの西京焼きは、程よく身が締まり、西京味噌がまろやか。
暖かい御飯に漬物、味噌汁と共に満足な懐石料理を味わいました。
デザートは、季節の果物に加えて、ティラミス 柚子ムースかハーゲンダッツというチョイスなのですが、「よろしければ両方お持ち致しましょうか」の言葉に甘えました。
コーヒーを飲み終え、3時間という短時間のフライトですが、非常に充実した機内サービスだと感じました。
せっかく乗ったジャンボジェットですので、機内を歩いてみました。
アッパーデッキに向かうと、前方に3列、後方に3列のビジネスクラス席が2-2で並び、独特の落ち着いた空間が広がります。
コックピットの後ろにトイレが2か所、ギャレーは後部に展開しています。
ビジネスクラスは、アッパーデッキ、最前方コンパートメントに加え、2番目のコンパートメントにも2-3-2で4列ならび、3つのコンパートメントに合計70席を設けています。
ジャンボジェットならではのこのゆったりとした雰囲気が好きです。
余裕の機体に装備された階段の横にあるデスクのあるビジネスコーナーでキャビンマネージャー
JUE JAOUさんが立って業務されていました。
32年の経験を持つ60歳。18名の客室乗務員の指揮を執ります。
客室乗務員約2,500名の中で男性は500名ほど。
大卒者の人気の就職先と伺いました。
ビジネスクラスを担当してくれたのは、日本人客室乗務員の山崎絵里子さん。
29年の経験をお持ちです。およそ100名の日本人客室乗務員のうち、8名だけが台湾ベースで飛ぶベテランで、他は東京ベースで働いています。
全ての機種に乗務しており、B777-300ERは日本線に飛ばないので、慣熟の為に、年に2回は台北発の欧米長距離路線に乗務があるそうです。
好きな目的地はウィーンとのこと。
機体は夜の台北桃園空港にスムーズに着陸しました。
エンジンの付いた翼は後方で見えないのが残念ですが、前輪よりも前に座っている為に、カーブの時に取り残されたような面白い経験ができます。
ジャンボジェットのこのコンパートメントだけの感覚です。
チャイナエアラインでは、ジャンボジェットの退役の時期は決まっていません。
13機の機材が、改修を終えて現役で活躍中。
機内で揃って撮影に応じてくれた笑顔の客室乗務員を見ながら、この先も長く飛んで欲しいと思いました。
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