旅の扉

  • 【連載コラム】ナンバーワンよりオンリーワン
  • 2016年4月1日更新
旅の道中、「愛すべき変なもの」を見つけたら、書かずにはいられない!
トラベルジャーナリスト:松田 朝子

異常気象で花咲く「死の谷」デスヴァレー国立公園

他の惑星みたいな山並。ずっと見ていたかったけれど風が強くて退散zoom
他の惑星みたいな山並。ずっと見ていたかったけれど風が強くて退散
もう暖かくなってきましたが、冬旅アメリカの楽しみは何といっても「砂漠」。
晩春から秋口までは灼熱大地となる砂漠地帯は、生きたまま干物になれるくらいの乾きっぷりなので、ゆっくり楽しむことができるのは、短い冬の間だけなのです。この3月、私はかねてから行きたいと思っていたデスヴァレー国立公園へ行ってまいりました。
ネバダ州に近いところにあるのがエリア51。ここに続く道には不可思議な標識が。どう読む?zoom
ネバダ州に近いところにあるのがエリア51。ここに続く道には不可思議な標識が。どう読む?
デスヴァレーのサイトを見ると、Hottest, Driest, Lowestという文字が出てきますが、デスヴァレーは、世界最高気温(56.7℃)という記録を出したところであり、年間降水量はたったの60mm、そして標高は海面下86mと、北米大陸で一番海抜が低い場所なのだそう。おぞましいデータの並ぶ「死の谷」には、どんな地獄が待っているのでしょうか。
飛行機の墓場。見学ツアーもあるのだとかzoom
飛行機の墓場。見学ツアーもあるのだとか
そして、デスヴァレーへの道中、不思議な光景に出っ食わしました。
野ざらしの草むらの中から、いきなり現れたたくさんの旅客機。
こんなところに空港?でもなんだか飛行機に生体反応がなさ過ぎる・・・。
あとで調べたら(このあたりから携帯は圏外表示)ここはモハーベ空港というところで、
空港というより古くなった飛行機の駐機場、そして部品置き場。飛行機の墓場とも呼ばれているそう。
バッドウォーターの塩湖。ここに来る人がみんな指ですくって味見しているzoom
バッドウォーターの塩湖。ここに来る人がみんな指ですくって味見している
アメリカの国立公園中、最大規模を誇るデスヴァレーでは、様々な景色を楽しむことができます。私はそのごくほんの一部に触れただけですが、砂丘や奇岩、雪原のような塩湖など、どこか別の惑星に降り立ったよう。
あちこちに咲き乱れる黄色い花zoom
あちこちに咲き乱れる黄色い花
あえて地球らしい景色と言えば、咲き乱れていた黄色い花。でもこれは滅多に見られるものではないそう。異常気象だった今年は、デスヴァレーにも大雨が降り、地下に眠っていた植物の種が一斉に芽吹き、花を咲かせたのだとか。滅多にみられない「スーパーブルーム」と言うこの現象、死の谷をイッキに天国に格上げしてくれたみたいです。
砂丘もあって、流木みたいな枯れ木がzoom
砂丘もあって、流木みたいな枯れ木が
花の時期が過ぎると、また灼熱大地に戻るデスヴァレー。来シーズンは今回見られなかったところを見ようと、今から計画を練ってみようと思います。
トラベルジャーナリスト:松田 朝子
頭の中は、旅と猫とアルゼンチンタンゴで占められているトラベルジャーナリスト。日本旅行作家協会所属。大好きな地層と砂漠と赤い岩山のあるアメリカに良く出没。

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