旅の扉

  • 【連載コラム】coffee x
  • 2015年3月23日更新
アムステルダムカフェより
カフェエッセイスト:安齋 千尋

Coffee x Taipei cafe日和

Tokyoにいました。
梅の箸置きはCLASKA gallery shop のもの。
お箸はどこのか忘れたけど、ひょうたんがかわいくて箸先が塗りになってるところも気に入って購入。蓋付きのお茶碗がほしくてアンティーク青磁のを選びました。
ポイントは松竹梅でちょっと紅さすかんじがかわいい。おいしいごはんをつくるんだ。とアムスにもって帰ってきました。

ご近所に咲く紅白の梅を見ながら遠回りして母とお買い物に行く途中の平和な時間。
日本には四季があるからと言いますが、離れていて感じるものです。
寒いけど何か春めいたものを”いとをかし”と感じる気持ちは大切で、この美しさを表すためにどうか国語やなんかを学んでほしいものだと偉そうなことを思うのです。
たとえば満開の桜を詠った有名な歌、世の中に絶えて桜のなかりせば−
京都の智積院にある長谷川久蔵の桜図。
心に浮かぶ春の美しさは、歴史、教養あってさらに豊かな文化だと改めて思います。

さて、春のはなしから春節へ。
今回わたしは3週間の帰省のなかで母と台湾へ小旅行にでました。

旧正月(春節)を迎えたばかりの台北。
おうちのドアに貼られた逆さまの”福”の文字。福が到来(到=倒は同じ発音)ようになんだって。あちこちに赤い吉祥の飾りの華やかなこと。
商売初めのお店の前には色とりどりもりもりののお供え、神様用の黄色い紙のお金を燃やす様子が見られ、夜市、屋台、24時間営業の本屋さん。
自転車文化のアムステルダムからバイクの占拠する台北の街を練り歩いている、
ほんのり蒸し暑い空気とともにすっかり私はアジアの真ん中にいました。

謝謝. シぇシぇ
普段ちょっときついから中国語って苦手だなと思っていたのにかわいらしく聞こえる台北の街と人。上の写真はとくにかわいいカフェが並ぶ永康街で偶然見つけた図書館なのですが、なんだかみんな穏やかで夏休みみたいな感じだと伝わるでしょうか。街角では金木犀の香りすらしてきて、ここは放課後かと思ってしまう不思議な街でした。
とくに、上品な素敵なカフェが並ぶのは永康街を抜けて大通り渡り奥に入ったエリアで、ここはまた来たいなと思ったのですが既に朝ごはんでおなかいっぱいなのでさらっと通り過ぎたのでした。私はこうゆう住むようにふんわり旅する時間が好きです。
そしてこの街ではCoffeeよりもお茶が似合うなと思います。

お茶の想い出。九份老街の茶藝館へ。
九份は千と千尋の神隠しの舞台とは聞いていましたが、箱根湯本駅みたいなところでした。想像よりもずっと山の上で、台北市内は晴れていたのにすっかり霧雨で雲の中の九份老街。これもまた神秘的と母と信じ込むことに。

九份茶坊
九份老街の頂上付近で入った茶藝館はとてもとても心に残るお茶の時間でした。
まさしく仙人のうちにお茶を取りにきたかのような、赤い茶壺が並び、鉄瓶がかかっている本物の炭を使った火鉢の前を通り過ぎ、その空間は入り口から想像するよりとても広くて窓の外までちょっとタイムスリップなのでした。

なんといっても使われている茶器がかわいい。金銀花の白柚壷と名前がつけられたまあるい鉄瓶。迷ったあげく購入した急須、茶海と茶盃の写真。茶器の裏に”九”って印があるから一生に一度のお土産かもだなって。急須のつまみの金銀花と、お花の下の雫がとってもお気に入り。今回のブログは器の写真ばっかりだ。

お庭というほどではないけど桟敷席があって、角の鉢植えの山茶花の淡いピンクが霧にぼんやりうかぶ提灯に似合って雲の上にいるようなお茶処でした。

九份茶房
http://www.jioufen-teahouse.com.tw/jp/jioufen-teahouse?id=58

あっという間の最終日、気になっていたおしゃれカフェにもよりました。
台北之家、ここは日本占領時代にアメリカ大使館として使われていた洋館でちょっとした避暑地のカフェみたいな感じ。吹く風もなんかおしゃれなかんじで着いた日から心に決めてたカフェでした。
現在は非情城市などを監督した台湾を代表する映画監督、侯考賢によってプロデュースされ洗練された空間になっています。小さな映画館と、cafe, bar,雑貨屋さんが入っていて、映画館では日本の映画がやっているところもまたとても魅力的。
私は午前11時から「四季の庭」という京都の大原に住むイギリス人女性のドキュメンタリーを見て、すっかりハーブやお花の映像に魅せられ、午後はここでお茶をするという最高に優雅な時間を過ごしていました。カフェのお茶はちょっと期待はずれなのですが、チーズケーキはわりとおいしかったです。ただ本当に素敵な気分になれる場所なことは間違いなく、なにかおうちにこの想いを持ち帰ろうと父へここのカフェオリジナルのアイテムを購入。父は残念ながら今回の旅に来られなかったのですが、いつもいつも私はカフェで過ごす時間をこのまま父に伝えられたらと思っていて大好きな人です。

台北之家
(映画館:光點  カフェ:珈琲時光)

website:http://www.spot.org.tw
address: 台北市中山北路二段18号

旅にでたときのカフェ時間はだいたい大切な人へポストカードを書いて本を読んでいます。どちらも幸せな時間を閉じ込めたくて真剣に選びます。
今回の旅本はリチャードバックのイリュージョン。今インドへ旅に出ている友人から借りたものです。人生はそれぞれの人が造り出すイリュージョン、誰のためとかしなきゃいけないことなんてないのかも、もちろん心から想う大切にする人がいてそれを守るための人生も素敵です。飛ぶことが好きな飛行機乗りの心が少し軽くなるいい本でした。
空に飛ばすつながりでしょうか、ポストカードに選んだのは今回の旅のクライマックスだった平溪天燈節の絵はがきです。偶然なのですが、今回の旅行日程の中で小正月にあたる元宵節の行事、何千個もの灯を空に飛ばすお祭りを見ることができました。古い線路沿いからぽわんぽわんとひとつづつ、4人くらいの手であげられる灯。会場で飛ばすには整理券が必要で、さらにとても混む難関のお祭りです。わたしたちは会場から少し離れて見たのですが、空にはもういっぱい赤い燈があがっていて夢見たい。この光景を母と見られることが夢見たい。そして、私たちをここに連れてきてくださったのは台湾に住む私の会社の上司とそのご家族なのですが、本当にありがたくて、嬉しそうな母の顔も見られて、ポストカードを書きながら感謝と幸せな気持ちでいっぱいになるTaipei カフェ時間です。

<台北の旅の日程と持ち物&お土産>
1日目
成田空港 → 台湾桃園国際空港
ホテルオークラ台北プレステージ宿泊 ( 至福のホテルでした)
中山エリア散策:素敵な映画館と飲茶の写真はこのエリア
士林夜市へ
2日目
午前: 永康街散策
午後: 九份老街へ
(TAXI を時間でチャーターしました。道のりが複雑&タクシーが安いのでコンシェルジュもおすすめです)

3日目
午前: 城南宮で占いをする。故宮博物館
午後: 平溪天燈節へ
(シャトルバスがでますが、私たちは電車にしました)

4日目
午前: 光點台北之家で映画を見る
午後: 台湾桃園国際空港 → 成田空港

一生に一度は見てみたい台湾ランタンフェスティバル

http://pingxiskylantern.mmhot.tw

<旅の本> 『イリュージョン』Richard Bach著, 村上龍訳
http://www.amazon.co.jp/イリュージョン-集英社文庫-ハ-3-1-リチャード・バック/dp/4087600688

<おみやげ>

九份茶藝館の茶器セット(Amsterdamのお部屋へ)
烏龍茶東方美人(おばあちゃん)
お箸入れが一体になった巻物みたいなランチョンマット(父)
定番のパイナップルケーキ(会社)

カフェエッセイスト:安齋 千尋
Amsterdamに住んでいます。外国で暮らすため、京都で仲居をしながら学んだ日本、Londonでの宝物の出会いがありヨーロッパにきて5年が経ちました。世界中どこにいてもいいカフェに出会うことがとても楽しみです。入った瞬間の香り、音、新聞、いつものバリスタと目が合うこと、私の日々の幸せな瞬間はカフェにあります。
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