子連れでも! オーストリアのクリスマスマーケット
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ライトアップされたシェーンブルン宮殿だけでも必見
いよいよ寒さ厳しい冬の到来。こたつで猫と一緒に丸くなってミカンでも食べながらずっと冬眠していたいものだが、こんなシーズンだからこそこもっていてはいけない! ここ数年、日本でも六本木ヒルズなどでヨーロッパの本格的なクリスマスマーケットを持ち込みにぎわっているが、やはり雪に埋もれた本場の雰囲気を味わわねばいかんのではないか。
クリスマスマーケットの起源には諸説ある。しかしドイツ語圏で特に盛んなようで、オーストリアでもかなり古くから行われていたという。現代においても11月中旬からクリスマスまでの間、広場という広場にマーケットがたち、人々を魅了する。まさに冬の風物詩である。
すっかり地面を覆った雪のうえに、オレンジ色の街灯の光がやさしくふりそそぐ。マーケットではきらきらと輝くオーナメントが、まるでこちらを向いて微笑んでいるかのよう。店と店の間にはなにやら煙の立ち上る屋台が。近づいてみると、それは甘~いホットワイン「グリュー」から立ち上るかぐわしい湯気。心なしか、このあたりが最も混雑しているような……笑
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人力のカルーセル。漕ぐのは大人、乗るのは子ども限定。これは暖まりそう!
グリュー屋台では多くの場合、陶器のオリジナルカップでワインをサーブする。料金はたまに10ユーロくらいするものもあり、高い! と思うかもしれないが、これはカップの“デポジット”で、飲み終わったカップを返却すると3~5ユーロが返金されるシステムだ。マーケットによってデザインが違うほか、毎年違うデザインのカップが登場するところもある。コレクションしている人などは返却しなければそのまま“お買い上げ”となり、持ち帰ることができる。持ち帰り用の袋を用意している屋台もあるので必要な場合は聞いてみよう。
マーケットを見つけたらまずはグリュー屋台へ。カップのデザインをチェックしつつ身体を温める。……という言い訳をして屋台をはしごするのが楽しい。
そんな大人のお楽しみもさることながら、クリスマスマーケットにはぜひとも子どもを連れて行きたい。出店している店のほとんどはクリスマス用の食品やオーストリアの伝統的なオーナメント、プレゼントによさそうなニット製品やインテリア雑貨などの品々が占めているものの、開催されるイベントがまさに子ども向けなのだ。
ウィーン市庁舎前やカールスプラッツ、シェーンブルン宮殿前などで開催されるクリスマスマーケットではミニ汽車やワークショップなどキッズプログラムが充実しており、いつ行ってもなにかしらのお楽しみがあるだろう。もちろん、キッズ向けに木のおもちゃなどが売られている店もありプレゼントのショッピングにも最適だ。
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ザルツブルク名物「ボスナ」はビールに合いそう。寒いけど
所変わってザルツブルクへ。こちらもやはりモーツァルト像もあるレジデンツ広場にて伝統的なクリスマスマーケットが開かれる。ここでは有名なソーセージサンド「ボスナ」をほおばることを忘れてはいけない。ザルツブルク名物のカレー風味のソーセージをさっくりしたパンにはさんでいただく。広場にも屋台が出ているが、ゲトライガッセという通りに行列のできる人気店があるので、ちょっと足を伸ばしてみてもいいだろう。ちなみに、モーツァルトの生家があるのもこの通りなので、ついでに立ち寄ってみるのはいかが(←モーツァルトがソーセージの“ついで”!?)。
ザルツブルクまで来たなら郊外まで足を伸ばそう。車で30分ほどのところにあるオーベルンドルフは小さな村ながら世界中の人が知っているだろうヒットソングを生み出した場所として知られている。
町の目抜き通りを20分も歩けば町から出てしまいそうなくらい小さなこの村はクリスマスにおなじみの『きよしこの夜』が生まれた村である。中心部にある広場には小さな小さな礼拝堂があり、このあたりでクリスマスマーケットが開催される。かなり小さいものだが、暗くなってからライトアップされる礼拝堂はロマンチック。タイミングがよければ地元の子どもたちによる聖歌隊がやってくるので、クリスマス気分がぐっと盛り上がることはうけあいだ。
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本当に静かな村だけに生まれた「サイレント・ナイト」
もっとアクティブ派にもおすすめのクリスマスマーケットがあるのはインスブルックだ。チロルの山々に囲まれたチロル州の州都で、かつては都が置かれた場所でもある。冬季オリンピックが2度開催されており、ウィンタースポーツのメッカとして知られる。なにしろスキー場までダウンタウンから歩いて行けるという便利さ。お昼休みにちょっと滑ってくるよ、なんて人もいるかもしれない。スキー場は全部で9か所、共通パスもありとにかく雪にまみれて滑り狂いたい人には最高の町なのだ。
町の近くのスキー場にさしかかる途中にもクリスマスマーケットがたつので、ここでは滑りまくった後に立ち寄ってグリューワインで身体を温めてからホテルに戻るのがいいだろう。←また飲んでいるし……
さらに、旧市街のアルトシュタットにたつクリスマスマーケットでは毎年この時期にしか食べられない名物「キアヒル」の屋台が出るのでこちらにも必ず顔を出したい。小さな屋台の中、目の前でどんどん揚がっていく揚げパンに、人々は長蛇の列をなす。シンプルに粉砂糖をかけただけのもの、ラズベリーソースをかけた甘酸っぱいもの、そして酢漬けキャベツ「ザワークラウト」を盛ったものの3種類から選べ、揚げたてにはふはふしながらその場で食べる。口の中をやけどしないよう要注意だ。
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スキー場へは町からモノレールで行ける。みなさん軽装でびっくり
なんだかグリューワインと食べ物の紹介で終わってしまった感があるが、雪をかぶった町にきらめくマーケットはそれだけでもクリスマスオーナメントのよう。ウィーンなら1月まで開催されているところもあるので、じっくり時間をかけてめぐりたい。
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シンプルに粉砂糖をかけただけのものが一番お気に入り←3種類全部試した