旅の扉

  • 【連載コラム】***独善的極上旅日記***
  • 2026年10月1日更新
フリージャーナリスト:横井弘海

静かな水辺に宿る、豊かな色彩――アルベール・マルケ展

フランス近代絵画を代表する画家、アルベール・マルケ(1875–1947)。生誕150年を記念し、SOMPO美術館で日本では約35年ぶりとなる回顧展が開催されています。

マルケは1875年、フランス南西部の港湾都市ボルドーに生まれました。パリではアンリ・マティスと出会い、仲間たちとともに新しい絵画表現を模索。「フォーヴィスム(野獣派)」と呼ばれる、鮮やかな純粋色と自由な筆触による作品を生み出しました。

母国フランスで近年、再評価が進んでいると言われるマルケですが、今回の展覧会では、初期のフォーヴィスムから、水辺の風景を中心とした成熟期、そして晩年のポン=ヌフ連作まで、マルケの画業をたどることができます。フランスの重要なパブリックコレクション、日本の主要美術館、日仏の個人コレクションから作品が集められ、初期から晩年までの画風の変遷を一望できる貴重な機会となっています。

「フォーヴィスムの画家」「マティスの友人」という知識をいったん脇に置いて、展覧会で目を引くのが、1898年の《裸婦、通称フォーヴの裸婦》だ。緑、赤、ピンク、黄色など大胆な色彩が画面を彩り、中央には背を向けた裸婦が立つ。後の静かな風景画からは想像しにくい、若き日のマルケの姿がそこにある。

この時期、マルケとマティスは同じモデルを前に、それぞれ裸婦を描いている。同じモデルによるマティスの作品は、現在アーティゾン美術館に所蔵されている。

しかし、マルケはやがて、フォーヴィスムの激しい色彩から少しずつ離れていく。

SOMPO美術館50周年記念「アルベール・マルケ展」

会期:2026年9月22日(火)~12月13日(日)
会場:SOMPO美術館(東京都新宿区西新宿1-26-1)
開館時間:10時~18時(金曜日は20時まで)
休館日:月曜日ほか
詳細・最新情報はHPでご確認を。
https://www.sompo-museum.org/

フリージャーナリスト:横井弘海
元テレビ東京アナウンサー。各国駐日大使を番組や雑誌でインタビューする毎に、自分の目で世界を見たいという思いが強くなり、訪問国は現在70カ国超。著書に「大使夫人」(朝日新聞社刊)。国内旅行は「一食一風呂入魂!」。美味しいモノと温泉を追いかけて、旅をしています。
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