zoomツーリズムEXPOジャパン2026のマレーシア政府観光局ブースでは、「Visit Malaysia 2026-2027」を前面に掲げ、観光地だけではないマレーシアの魅力が紹介されていました。
今回、政府観光局やマレーシアを長年取材してきたライターから話を聞いてみると、むしろ初めて訪れる東南アジアの旅先として、いま改めて注目したい国であることが見えてきました。
2026~27年は日本市場にとって特別な2年間
マレーシアは来年まで国家的な観光キャンペーン「Visit Malaysia 2026-2027」の年と位置付けています。政府観光局も「Malaysia Truly Asia」のブランドを掲げ、多民族・多文化というこの国ならではの魅力を世界に発信しています。
さらに2027年には、日本とマレーシアの外交関係開設70周年を迎えます。両国の外交関係はマレーシア独立の1957年に始まりました。日本、マレーシア両政府も70周年を人的・文化的交流を深める節目として位置付けています。
日本国内でも、10月30日から11月1日まで東京・豊洲公園で「Malaysia Fair 2026 Tokyo」が開催されます。マレーシア料理、伝統舞踊、文化などを一度に体験できるイベントで、まず日本でマレーシアを知る入口になりそうです。
zoomマレーシアの魅力は「多民族国家」を食べて知ること
今回特に興味を引かれたのが「食」です。マレーシアではマレー系、中華系、インド系をはじめ、異なる民族や宗教を背景に持つ人々が同じ社会で暮らしています。それは街並みだけでなく、日常の食卓にもそのまま表れています。
イスラム教徒には豚肉を食べないという習慣がある一方、中華系の食文化では豚肉料理も一般的です。インド系のカレーやロティ、マレー系のナシレマ、中華系の麺料理や点心など、異なる文化が一つの国で共存しています。
マレーシアを約20年間取材してきたライターの古川音さんが、その面白さを一冊にまとめたのが『食から探るマレーシアの魅力』です。古川さんは約2000食に及ぶ現地での食体験を重ね、単に「何がおいしいか」を紹介するのではなく、人々が何をどのように食べているのかという視点から、多民族社会の暮らしを描きました。出版はクラウドファンディングを通じて実現し、596人から334万円余りの支援を集めています。
「食べることから文化を知る」。これはマレーシア旅行を考える上で分かりやすいテーマです。観光名所を巡るだけでは見えにくいこの国の姿が、コピティアムや市場、食堂に入ると突然身近になります。
zoomKLCCに新名所「OMBAK KLCC」
首都クアラルンプールも変化を続けています。
マレーシア政府観光局によると、KLCC地区には2026年、新たな複合施設「OMBAK KLCC」が登場しました。ペトロナスツインタワー、KLCCパーク、コンベンションセンターなどが集まるクアラルンプール中心部に位置し、ショッピングだけでなくアート、文化、ライフスタイルを融合した新しい都市空間を目指しています。
日本人にも馴染みのあるブランドに加え、マレーシアの人気コピティアムなども順次展開される予定とのことで、初めてクアラルンプールを訪れる旅行者にも立ち寄りやすい場所でしょう。
定番のペトロナスツインタワーを見て終わるのではなく、その周辺で現代のマレーシアの生活文化まで体験できるエリアへ変わりつつあります。
zoom日本からの航空アクセスもさらに充実
マレーシア旅行の強みは、航空アクセスの選択肢が多いことです。現在、日本とマレーシアを結ぶ直行便にはマレーシア航空、JAL、ANA、AirAsia X、Batik Airなどがあり、利用者は運賃、マイレージ、アライアンス、出発空港などによって航空会社を選べます。
さらに2026年10月からはZIPAIRが成田―クアラルンプール線に新規就航し、毎日運航します。これによってフルサービスキャリアからLCCまで選択肢が一段と広がります。
クアラルンプールだけでなく、そこからペナン、ランカウイ、コタキナバルなどへ足を延ばせるのも魅力です。都市、ビーチ、世界遺産、食文化と、同じ国の中で旅のテーマを大きく変えられます。
zoomKLIAにも熱帯雨林を表現した「RIMBA」
空の玄関口、クアラルンプール国際空港(KLIA)でも改修が進んでいます。ターミナル1のサテライトビルにあった「Jungle Boardwalk」は2026年1月、「RIMBA」としてリニューアルされました。熱帯雨林をイメージした空間で、植物や水を取り入れ、乗継客が空港内にいながらマレーシアらしい自然を感じられる施設になっています。
観光局によればサテライトビルでは飲食施設などの改装も進み、出発までの時間を過ごしやすい空港へと変化しています。
航空ファンとしてもう一つ気になるのが、マレーシア空軍博物館「Muzium Tentera Udara Diraja Malaysia(TUDM)」です。旧クアラルンプール空軍基地からネグリ・スンビラン州のSendayan Air Baseへ移転しており、関係者向け公開は行われていますが、一般公開時期については政府観光局によると現時点で未定とのことです。航空ファンとしてはこちらも今後を追いかけたい施設です。
zoom「何がある国?」から「行ってみたい国」へ
日本人にとって、タイや台湾、韓国と比べると、マレーシアは「名前はよく知っているが、具体的に何をする国なのかイメージしにくい」という位置にあるかもしれません。しかし、それこそが今のマレーシアを訪れる面白さでもあります。
マレー、中華、インドなどの文化が同じ街にあり、モスクの近くに中国寺院やヒンドゥー寺院があり、食卓にもそれぞれの宗教や歴史が表れます。その一方でクアラルンプールには近代的な高層ビルや巨大商業施設が広がり、少し飛べばペナンやランカウイ、ボルネオ島の自然にも出会えます。
「Visit Malaysia 2026」、そして2027年の日・マレーシア外交関係70周年。航空路線も増え、現地の観光インフラも更新されています。
今回のツーリズムEXPOで話を聞き、具体的に「次に実際に行きたい国」へとマレーシアの印象が変わりました。
取材協力:マレーシア政府観光局 ⇒ https://www.tourismmalaysia.or.jp/index.html
