旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2026年7月9日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

デンバーの美しい街並みと歴史を感じるプチ市内観光

外見は重厚で内部はモダンなデンバー ユニオン駅zoom
外見は重厚で内部はモダンなデンバー ユニオン駅

世界中の航空ファンや関係者が集う一大イベント、Airliners Internationalに参加するためにコロラド州デンバーを訪れました。このイベントは、同社トレーニングセンター隣接地のヒルトン・ダブルツリーホテルを会場として、熱心な航空ファンが自分のコレクションを披露し、販売します。

日本からは、ユナイテッド航空が運航する成田-デンバー線(UA142/3便)を往復利用しました。この路線は日本とデンバーを結ぶ唯一の直行便であり、ユナイテッド航空が毎日運航しています。成田を16時30分に出発し、同日の12時10分にデンバーへ到着するため、到着後も十分な時間を確保でき、イベント会場への移動や取材活動にも非常に便利なダイヤとなっています。

航空熱に包まれたファンとの交流する時間の合間を縫って、公共交通機関のRTDを利用した市内観光に出かけました。効率的で快適な移動を叶えてくれる鉄道網と、青空に映える美しい都市の風景、そして歴史的な建築物やユニークなアートが点在するデンバーの魅力を紹介します。

RTD列車のユニークな外観zoom
RTD列車のユニークな外観

空港から市内へ直行する便利なRTDの旅

デンバー国際空港に到着後、市内中心部への移動には地域運輸局が運行するRTDの電車を利用するのが便利です。ダウンタウンへの途中駅セントラル・パークから乗車すれば、目的地である市内の拠点まで3時間内乗り放題2.75ドルのでスムーズにアクセスできます。

ホームで待機していた列車を見て驚いたのは、そのユニークな外観です。地元の名産であるクラフトビール、デイルズ・ペールエールの鮮やかなデザインが車両全体にラッピングされていました。アメリカ有数の地ビール醸造の街として知られるデンバーらしさが、移動の始まりから感じられて楽しい気分になります。

車内は清潔で座席スペースも十分にあり、大きな荷物を持った旅行者でも安心して過ごせる環境が整っています。車窓からはコロラド州ならではの広大な景色が広がり、次第に高層ビル群が近づいてくる様子を眺めているだけで、これからの滞在への期待が膨らみます。

カラフルなラマリースクエアzoom
カラフルなラマリースクエア

歴史とモダンが融合するデンバー・ユニオン駅

RTDの空港ラインが到着する終着点が、街の玄関口であるデンバー・ユニオン駅です。駅舎の外に出て振り返ると、美しい石造りの歴史的建築が出迎えてくれます。青く澄み渡る空を背景に、建物の最上部にはユニオン駅の象徴である赤いネオンサインが掲げられており、新旧の文化が交差するこの街の雰囲気を象徴しています。

駅の内部は、外観のクラシカルな印象にふさわしい、洗練された空間が広がっています。床に敷かれたマットには、建物の美しい外観のイラストとともに、1881年設立という長い歴史を示す文字が刻まれていました。かつて鉄道黄金時代を支えたこの駅は、現在では単なる交通の要所にとどまらず、おしゃれなホテルやレストラン、カフェが集まる市民や旅行者の憩いの場となっています。

高い天井とクラシックな照明灯が配されたロビーでは、多くの人々がベンチに座って待ち合わせをしたり、コーヒーを片手に読書を楽しんだりしており、居心地の良い空気が流れていました。

コロラド・コンベンションセンターのクマのオブジェzoom
コロラド・コンベンションセンターのクマのオブジェ

遊び心あふれるアートと街並みを巡る

ユニオン駅を拠点に、デンバーのダウンタウン散策を開始しました。駅からすぐのエリアは歩行者天国や遊歩道が整備されており、非常に歩きやすい構造になっています。

通りを歩いていると、頭上にたくさんの旗が飾られた美しい景観に出会いました。1965年によみがえったラマリースクエアの姿です。鮮やかな青と赤、そして中央に黄色い円が描かれたコロラド州の州旗と、多様性を象徴するレインボーフラッグが交互に掲げられ、青空とのコントラストが見事でした。

街全体が活気に満ちており、通りの両側には歴史を感じさせるレンガ造りの建物とモダンなショップが並び、散策する人々を飽きさせません。

さらに少し足を延ばしてコロラド・コンベンションセンターに向かうと、デンバーの名物として有名な巨大な青いクマのオブジェとなるパブリックアートを見ることができます。ガラス張りの建物の中を覗き込むような姿勢で佇むその姿は非常に愛らしく、洗練された都会のビル群の中で独特の存在感を放っています。

こうした遊び心のあるアートが日常の風景に溶け込んでいる点も、デンバーという街の懐の深さを感じさせます。

青空に映えるコロラド州議会議事堂zoom
青空に映えるコロラド州議会議事堂

ゴールドのドームが輝く州議会議事堂を訪ねて
街巡りの締めくくりとして、コロラド州議会議事堂を訪れました。少し小高い丘の上に建てられたこの建物は、デンバーのランドマークの一つです。

建物に近づくと、重厚な建築様式と、何よりも上部に位置する金色のドームが目を引きます。このドームに使用されている金は、かつてコロラド州で起きたゴールドラッシュの歴史を記念して寄付されたものだそうです。

青空をバックにきらきらと輝くドームを見上げると、この地域の歴史の重みを感じることができます。建物の前には美しい緑の芝生が広がり、手前にある階段の周辺では、のんびりと記念撮影をする観光客の姿が見られました。

なお、この議事堂の階段の一段には、ちょうど海抜1マイル(約1609メートル)の高さを示す刻印があり、デンバーがマイル・ハイ・シティと呼ばれる理由を文字通り体感できるスポットとなっています。往路は徒歩で議事堂までに来ましたので、ユニオン駅への戻りはRTDのチケットを使い、バスで戻ります。

デンバー ユニオン駅の内部zoom
デンバー ユニオン駅の内部

最後に、ユニオン駅内のカフェ「ミルクボックス」でアイスクリームを食べました。外気で火照った身体が「ソルテッド・オレオ」のおかげでスーっと落ち着いていくのが判ります。

今回の旅では、航空イベントへの参加はもちろんのこと、RTDという使いやすい移動手段のおかげで、短時間でも効率よくデンバーの主要な魅力を巡ることができました。歴史ある駅舎、美しい街並み、そして独自の文化と歴史を感じる建築物。どれをとっても心地よく、また季節を変えて訪れたいと思わせてくれる魅力的な都市でした。

取材協力:ユナイテッド航空 ⇒ https://www.united.com/ja/jp
成田⇒デンバー UA142便 16:30⇒12:10(同日到着、所要時間10時間40分)
デンバー⇒成田 UA143便 11:40⇒14:30(翌日到着、所要時間11時間50分)
ボーイング787‐9 ドリームライナーで毎日運航中

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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