zoom ゴールデンウィーク中盤いかがお過ごしですか?GWに何をするかを決めていない人が4割というデータがあるそうですが、お天気がはっきりしない今年のGW。
一方、都内では見逃せない展覧会があちこちで開催中です。アート三昧も、お散歩がてらの鑑賞もあり。お薦めの展覧会をご紹介します。
命が芽吹き、光あふれるこの季節、自然の美しさをたたえるアートには心がいやされます。
zoom#根津美術館(東京都港区)
毎年、この時期の根津美術館を楽しみにしている方は多いでしょう。東京の真ん中とは思えない広大な庭園のカキツバタの花々が4月30日に満開になりました。同館所蔵の光琳の世界と現実が重なる体験ができます。
今年の特別展のテーマは「開館85周年記念特別展 光琳派 国宝「燕子花図」と尾形光琳のフォロワーたち」です。
装飾性の高い画風で知られる「琳派」は、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一という世代の異なる画家たちにより、先人への憧れによって画風が継承され、形作られたと説明されます。しかし、琳派の美術はこの3人だけで生み出されたわけではなく、また「琳派」という言葉も後世に作られたそうです。
そして、光琳の周りにも、直接、あるいは間接に連なるフォロワーがおり、彼らを「光琳派」と呼びます。渡辺始興、深江芦舟、立林何帠(かげい)、尾形乾山などがあげられます。光琳の弟の乾山はさておき、光琳に学んだ事実を裏付ける文献は存在しないものの、渡辺始興はようやく最近になって光琳に師事したことがある程度の確率で推測できるようになったといいます。
同展は、知られざるこれらのフォロワーたちにスポットを当てて、光琳の世界とフォロワーの世界を一つの空間で見る貴重な機会です。「美」はどのように伝わっていくものかが伝わる気がします。
数ある作品のなかでも、アメリカ・クリーブランド美術館から里帰りした渡辺始興の「燕子花図屏風」を、尾形光琳の国宝「燕子花図屏風」と並べて見られるのは至福です。
ともに総金地に燕子花のみを描く発想は明らかに光琳に基づきますが、意匠化された花の深い群青、葉の濃い緑、金地の圧倒的な色彩と大胆な構図で表現する光琳の燕子花に対して、個々の花の構造を明瞭に描きだそうとする点に、近衛家熙(このえいえひろ)に仕えて長じた始興の個性が表れていると言われます。
光琳の燕子花は何度見ても見飽きることがありませんが、始興の描く燕子花のひとつひとつの花の様子と初夏の水辺の広がりを間近で鑑賞できる素晴らしい時間です。
他の展示室もお忘れなく。展示室6の立夏(5月5日)を迎える「初夏の茶の湯」も素敵です。写真はありませんが、乾山作の「色絵槍梅図三角向付」に釘付けになりました。
会期 2026年4月11日(土)~5月10日(日)
開館時間 午前10時~午後5時
5月5日(火・祝)~5月10日(日)は午後7時まで開館(入館は閉館30分前まで)。
5月1日から10日まで毎日開館。ただし、オンライン日時指定予約。
詳細はHPにて https://www.nezu-muse.or.jp/
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