旅の扉

  • 【連載コラム】***独善的極上旅日記***
  • 2024年4月4日更新
フリージャーナリスト:横井弘海

#オーストラリア #ケアンズ を選ぶ5つの理由~④ー2朝日のなかで#熱気球 に乗ろう!

24人も乗れる熱気球の大きさに圧倒されました!zoom
24人も乗れる熱気球の大きさに圧倒されました!

熱気球。ロマンチックな乗り物です。

熱気球で空高く飛び、上空から大自然を眺めることができる観光地は世界にいくつかあります。しかし、その多くは、熱気球のゴンドラ(かご)と地面が数本のロープでしっかり固定されてつながれています。

地上から数10メートルの上空の景色でも迫力は相当ありますし、地面とつながっていたほうが逆に安心という方もいるかもしれません。



でも、熱気球に乗って、まるで自分が鳥になった気分で、自由に空中を漂う醍醐味は、言葉では言い尽くせないすばらしい体験です。

夜明けとともに熱気球で上空へ。zoom
夜明けとともに熱気球で上空へ。

熱気球なら、日本でも空を自由に行けるアクティビティを実施している所はあります。フリーフライトと言うそうです。私も一生に一度は乗ってみたいと思う念願がかなって、昔、経験したことがありますが、実はなかなか大変でした。本格的に安全に飛ぼうとすると、気象条件がかなり限られるのです。私の場合は、天候その他の状況で何度となく延期になり、熱気球体験ができるまで、申し込んでから2か月以上も待ちました。

でも、風に任せて地上約1000メートルまでふわりと上がり、そこから眺める日の出に感激もひとしお。熟練のパイロットが同乗して、操縦してもらいながらの空の散歩は、なんとも贅沢な体験でした。

バーナーの炎と音の迫力に目が覚めます。zoom
バーナーの炎と音の迫力に目が覚めます。

ですから、またケアンズで熱気球のフリーフライトができると聞いて、「絶対に乗りたい!」と手をあげました。上述したように、乗るのはなかなか大変という経験をしていたので、ケアンズに行って、予定の日に早起きをして、あっさり熱気球体験ができたのには、逆に拍子抜けするほどびっくりしました。



この空高く自由に漂う夢の体験を、ケアンズでは気軽に楽しめます。向かうは、ケアンズの町から約1時間車で走ったアサートン高原にあるマリーバ!オーストラリアの中でも天候が安定していて、晴天日は年間300日以上、世界で最も晴天率の高い地域のひとつ、熱気球にうってつけの場所なのです。

ケアンズの熱気球はオーストラリア航空管理局への登録が義務化され、安全管理も徹底。世界で最も安全な熱気球体験ツアーと言われています。

朝日が昇ってきました。zoom
朝日が昇ってきました。

さて、熱気球は風の流れが安定している早朝に飛ぶのが普通です。朝6時過ぎには現地に到着。草原の大地の上で、気球がみるみる膨らんでいく様子を見ながら、自然に目も覚めることでしょう。私が乗った気球のゴンドラは世界最大級の24人乗り。そのゴンドラを飛ばすバルーンの大きさは想像以上に巨大です。



大きなゴンドラが安定して飛ぶように、バランスを見ながら指示に従って順に搭乗者は中に乗り込んでいきます。急に重力がなくなったかのように、フッと熱気球は静かに大地から離れます。パイロットが「ゴー!」とすごい音をさせながらバーナーの炎を発射。空気が温められ、その浮力でゆっくりと上昇していく熱気球。その轟音は自分の胸の高鳴りにも似ています。

ただただ気持ちよいフリーフライトです。zoom
ただただ気持ちよいフリーフライトです。

マリーバはコーヒーや果物など農産物の産地としても有名。大規模なフルーツ農園の畑や緑豊かなアサ―トン高原の大パノラマを見ながら、熱気球は空高く上がってきます。高度は約1000メートル。風をよみながらバーナーの火を調節し進んで行く熟練のパイロットは、もちろんカンガルーやワラビーがピョンピョンと飛び跳ねる草原の木々の上にも連れて行ってくれます。

ワラビーもカンガルーもちょこちょこ出てきます。zoom
ワラビーもカンガルーもちょこちょこ出てきます。

朝焼けのなか、バーナーを切ると、あたりは朝の静けさに包まれました。それはオーストラリアの空の大きさと大地の美しさ、清涼な空気を感じる瞬間でもありました。約1時間のフライトは夢心地の時間です。



着陸後はバルーンの片付けを参加者全員で行います。巨大なバルーンの空気を抜くのは熱気球体験のお楽しみ。片付けが終わると、軽い朝食タイムです。



4月から9月はもっとも晴れやすく、特に熱気球には最適な季節。日本ではなかなかできないこの夢心地のアクティビティ。ぜひ一度体験することをお勧めします。

フリージャーナリスト:横井弘海
元テレビ東京アナウンサー。各国駐日大使を番組や雑誌でインタビューする毎に、自分の目で世界を見たいという思いが強くなり、訪問国は現在70カ国超。著書に「大使夫人」(朝日新聞社刊)。国内旅行は「一食一風呂入魂!」。美味しいモノと温泉を追いかけて、旅をしています。
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