旅の扉

  • 【連載コラム】トラベルライターの旅コラム
  • 2023年5月1日更新
よくばりな旅人
Writer & Editor:永田さち子

ワインなしでも酔える!? 「メゾン・ポール・ボキューズ」で愉しむお茶とフレンチのマリアージュ

「ひらまつ 春の茶宴」は、ワインボトル入りの高級茶をフレンチのディナーコースとともに味わうというもの。zoom
「ひらまつ 春の茶宴」は、ワインボトル入りの高級茶をフレンチのディナーコースとともに味わうというもの。
新茶の便りが届く季節。ていねいに淹れたお茶の美味しさは格別ですが、いいお茶ほど淹れ方が難しい。でも、いつでも手軽に本物のお茶の美味しさを味わえる、ワインボトル入りの高級茶があることを御存じですか? しかも、フランス料理とのペアリングも可能なのだとか。春の宵に、フレンチのコース料理とともに味わう茶宴を楽しんできました。

フレンチの名店で過ごす、ひと夜限りの「ひらまつ 春の茶宴」
会場は、代官山の「メゾン・ポール・ボキューズ」。フランス・リヨンに本店を構えるミシュランレストラン「ポール・ボキューズ」の伝統を引き継ぐグランメゾンです。手掛けるのは、日本のフレンチの名店「ひらまつ」。と聞くだけで、期待がぐんと高まりますよね。お酒好きの私にとって、ワインなしのフレンチは考えられないのですが、いったいどんな趣向で楽しませてくれるのでしょう。ワクワクとした気持ちとともに出掛けました。
「ひらまつ」が手掛けるレストランでは、季節ごとに旬の食材を楽しむイベントを開催。zoom
「ひらまつ」が手掛けるレストランでは、季節ごとに旬の食材を楽しむイベントを開催。
ワインボトル入りの高級茶「ROYAL BLUE TEA(ロイヤルブルーティー)」とは?
今回、フレンチのディナーコースのマリアージュに登場した「ROYAL BLUE TEA」は、「高品質の高級茶を、いつでもどこでも誰でも、最高の状態で味わってほしい」との思いから誕生したボトルティー。本物の高級茶の“美しい色、香り、味”を伝えるため、最高級の茶葉と水だけを原材料に、その工程がほとんど手作業で作られています。添加物はもちろんのこと加熱殺菌もなし。ワインボトルを採用し、ワイングラスで味わうスタイルは、お茶もワインと同じ食文化の一つであり、その美味しさと魅力を正確に伝えるためなのだとか。

今までお酒をたしなまない人がディナーシーンや贅沢をしたいとき、非日常の気分を味わいたいときにふさわしいコールドドリンクがなかったことが、開発のきっかけ。国籍、性別、宗教、さらにお酒を飲む・飲まないを問わず、誰もが同じシーンや食卓で同じようにワイングラスで愉しめるスタイルをと、考案されたといいます。
たしかに、食事の席でお酒を飲めない状況のとき、せっかくのお料理を美味しく、楽しく味わいたいのに、ノンアルコールドリンクのメニューを見てがっかりすることがありました。もともとお酒をたしなまない方が、お水やウーロン茶を注文しているのを見ると、なんだか気の毒になってしまったことも。お酒を飲む、飲まないにかかわらず、お料理に合うお茶のセレクトがあれば、食事の席の楽しみ方がさらに広がるかもしれません。
この日、登場した5種類のボトルティー。ノンアルでもシャンパンやワインと同じように料理とのマリアージュを楽しめます。zoom
この日、登場した5種類のボトルティー。ノンアルでもシャンパンやワインと同じように料理とのマリアージュを楽しめます。
この日、紹介されたお茶は、以下の5種類。
【新作の煎茶】「King of Green KIYOMI Premium(キング オブ グリーン キヨミ プレミアム)」静岡・栃沢
【緑茶】「釜炒り緑茶IRIKA炒香」宮崎・五ヶ瀬
【青茶】「Fall In love Imperial」(フォール イン ラブ インペリアル)」台湾・梨山
【青茶】「Real Honey Deluxe(リアル ハニー デラックス)」台湾の鉄観音茶
【紅茶】「Royal Darjeeling Raja Grand(ロイヤル ダージリン ラジャ グランド)」インド・マカイバリ茶園

お茶好きの人が見たら、その産地だけでも垂涎のラインアップに違いありません。
ちなみに、お茶は発酵度によって分類されます。発酵度0%は緑茶、15~70%が青茶(ウーロン茶)、100%が紅茶。このほかに、白茶、黄茶、黒茶と呼ばれるものもあり、日本茶のように発酵度が低いほどカテキンが多く、紅茶のように発酵度が高いほどタンニンが多く含まれます。お料理との組み合わせは、カテキンが多いお茶は魚料理や日本料理と、タンニンが多いほど肉料理との相性がいいのだとか。

お茶とともに味わう、名店のディナーコース
一方、この夜のディナーメニューは、春の宵にふさわしい内容。
アミューズ ブーシュには、新緑を思わせる緑色が鮮やかな、えんどう豆を使ったムース。
この日が初お披露目という煎茶「King of Green KIYOMI Premium」は、静岡茶発祥の地で、“静岡のマチュピチュ”と呼ばれる標高500mにある茶畑で栽培された茶葉を使ったもの。手摘み、自然仕立ての茶葉はとても希少で、この地で代々茶園を運営する山水園園主・内野清己さんをリスペクトして、この名が付けられました。
鮮やかな緑が新緑を思わせるアミューズ ブーシュ。zoom
鮮やかな緑が新緑を思わせるアミューズ ブーシュ。
アミューズ ブーシュに続くお料理は、ホタテ貝のポワレ、甘鯛のポワレ、牛フィレ肉とリードヴォ―のムニエル、デザートにはヌガーグラッセとラズベリーのソルベ。お茶の場合、ワインペアリングのように飲む順番が決まっているわけではなく、自分の好みで組合せは自由自在なのだとか。「King of Green KIYOMI Premium」は軽~いシャンパンのようで野菜や白身魚にぴったり。「Royal Darjeeling Raja Grand」は、ややどっしりとした味わいで、肉料理の味わいに深みを加えてくれます。
以前、お茶好きの友人が、「本当にいいお茶は、ノンアルでも酔った気分になれるのよ」と言っていた意味が、今回よく分かりました。
この日のディナーコース。「甘鯛のポワレ」(右上)の軽やかな味わいが、「釜炒り緑茶IRIKA炒香」にぴったり!zoom
この日のディナーコース。「甘鯛のポワレ」(右上)の軽やかな味わいが、「釜炒り緑茶IRIKA炒香」にぴったり!
季節ごとの「茶宴」と、初夏のボトルティーを愉しみたい
「ROYAL BLUE TEA」は、日本料理・フレンチ・イタリアン・チャイニーズなどのミュシュラン星獲得レストラン、高級旅館やホテルのほか、エアラインのファーストクラスでも採用されています。「まずは、味わってみたい」という方は、六本木にあるティーバーへ。お好みのお茶を1杯から選んで味わったり、飲み比べができるメニューも用意されています。新茶の季節に、冷たいボトルティーで贅沢なティータイムを楽しむのもいいもの。初夏の陽気に誘われて出掛けてみてはいかがでしょうか。

また、「ひらまつ」のレストランでは、季節に合わせ趣向を凝らした「茶宴」を催しています。次回「夏の茶宴」は、7月27日(木)に福岡にて開催。シェフ自ら九州中を巡り、選び抜いた旬食材を使ったイタリア料理とのマリアージュを楽しめます。
◆ロイヤルブルーティー×ひらまつ「夏の茶宴」
開催日:2023年7月27日(木) ランチ(11:30開宴)・ディナー(18:30開宴)の二部制
会 場:リストランテKubotsu
    福岡市中央区天神2-5-55
参加費:一人16,500円(食事・飲み物・サービス料・消費税込み)
予約および問い合わせは、TEL 092-724-0600(リストランテKubotsu)まで。
https://www.hiramatsurestaurant.jp/kubotsu/
●メゾンポールボキューズ
東京都渋谷区猿楽町17-16 代官山フォーラムF1F
TEL 03-5458-6324
https://www.hiramatsurestaurant.jp/paulbocuse-maison/

●ROYAL BLUE TEA Roppongi Boutique/THE TEA BAR(ロイヤルブルーティー六本木ブティック/ザ ティー バー)
東京都港区六本木7-18-15-1F
TEL 03-6804-5566
https://www.royalbluetea.com/boutique/
Writer & Editor:永田さち子
スキー雑誌の編集を経て、フリーに。旅、食、ライフスタイルをテーマとし、記事を執筆。著書に、「自然の仕事がわかる本」(山と溪谷社)、「よくばりハワイ」「デリシャスハワイ」(翔泳社)ほか。最近は、旅先でランニングを楽しむ、“旅ラン”に夢中!
risvel facebook