予想通り、初日と二日目くらいはずっと空腹で、テレビから流れるグルメ情報をできるだけ見ないようにしながら過ごしましたが、それを超えると気持ちも身体もだんだん軽くなるような、なんとなく調子が良くなり、快適に残りの数日を過ごすことができました。最後から2番目のお食事は回復食としてお粥と湯豆腐をいただき、味覚が敏感になっているのかお豆腐を本当に美味しくいただくことができました。最後のお食事は豪華な精進料理で、目にも美しい造りの効果もあいまって美味しく完食できました。
このファスティング施設での生活は、朝食・昼食・夕食、間食の時間と、周辺の散策・ウォーキング、曜日ごとに行われるヨガやストレッチ体操などのクラス、オプションで受けるマッサージや整体、鍼灸、エステ、そして週に1~2回のプロによる自然散策ツアー、温泉を組み合わせる形で過ぎていきます。ゴルフ好きの皆さんは隣や近所のゴルフ場に出かけていくこともあります。
ある日のスケジュールはこんな感じです
午前6時半起床:近所のウォーキング
7時半:軽く温泉
8時:人参リンゴジュース 3杯(1杯はレモンをたっぷり絞って、2杯目はショウガ汁を入れて、3杯目はストレートで)
8時半~10時:温泉
10時:具なし味噌汁(お出汁と野菜の美味しさが凝縮されていて美味)
昼12時 :人参スープ(ジュースの代わりに選択可能)
13時~15時半:自然散策ツアーに参加
16時:マッサージ
17時:玄米重湯
19時~21時:温泉
23時:就寝
初回の滞在で体調が良くなったことや、温泉が断食中でも体に優しい丁度良い強さ(カルシウム・ナトリウム・硫酸性温泉)であることもあり、何となくこの生活が気に入った私は、その後もリピーターとして訪れています。2回目はリモートワークと有給を組み合わせて、3回目はリモートワークと祝日を組み合わせる形で来ています。温泉にはサウナと水風呂も併設されており、体調と相談しながらサウナもリピートし、すっきり感を味わうこともできます。
リモートワークの日は散策や温泉は早朝と夜だけになりますが、仕事に集中すると空腹感を感じることもなく、適度に頭も疲れるため夜もぐっすり眠ることができ、意外に快適に過ごすことができます。1週間ほどの滞在で、私の場合は痩せにくいので体重は1.5キロ程度しか落ちませんが(1週間ほどの滞在で女性だと3キロほど、男性は5キロほど落ちる方が多いそうです)、内臓のすっきり感と、マインドがリフレッシュされ、肌の調子も整う気がします。
お部屋のタイプによって多少の差はありますが、シングルやツインのお部屋にはPCの作業もやりやすいデスクが備え付けられており、防音性も高く、高速Wi-Fiが全館完備されているため、オンライン会議も快適にこなせます。
余裕のある日には、少し長めに時間を使って、大室山へ行くのもお勧めです。サナトリウムから歩いていくと40分くらいでケーブルカー乗り場に到着します。歩きはちょっと、という場合はバスもありますが、1時間に1本程度なので、スケジュールの確認は必須です。なお、このケーブルカーはワンちゃんも同乗可能なので、膝に乗せて一緒に頂上に向かう愛犬家が散見されて、ほのぼのとした空気が流れています。
サナトリウムから車で10分程度に位置する一碧湖は、風光明媚な観光スポットとしても知られています。宿から徒歩で行く場合は30分程度で、途中には美術館もあるので、のんびりと散策しながら行くのも楽しいです。11月の滞在では紅葉を楽しむことができました。
週2回程度実施されているガイドさんによるジオツアー(有料・要事前申し込み)には初心者向けから健脚者向けコースまで、5~6コースあり、私は中級向けの城ケ崎方面を巡るツアーと、初心者向けの市内観光に参加してみました。城ケ崎ツアーでは、大室山の噴火から流れ出た溶岩が固まったという不思議な岩の絶景を見ることができます。ガイドさんの解説では、溶岩が冷えていくとき、マグマが縮むときに、5角形や6角形の柱状の割れ目ができるそうで、柱状節理というものによる、自然が作り上げた形だそうです。とても不思議な眺めでした。
ファスティング中の自然散策やウォーキングで注意していたのは、いつもの体力からは落ちている可能性が高いため、転倒などのリスクも考えて、ゆっくりと、余裕をもって動くことです。特に城ケ崎などの断崖絶壁付近や吊り橋ではお気を付けて足場を確認しながら移動しました。
一方、市内観光は平地を楽しく散策するので、足元のリスクはかなり低いです。美しい和風建築が目をひく、元旅館で現在は観光施設になっている「東海館」の中を解説付きでめぐり、伊東や温泉の歴史を学ぶことができて、とても楽しかったです。今でも日帰り温泉として入浴可能だそうで、建物の一部は観光客向けゲストハウス「K’s House Ito Onsen」として営業しています。
ファスティング施設としても、リモートワークや観光の拠点としても満足度の高い、このサナトリウム。もともとは会員制だったそうで、会員限定サービス(一部お部屋の早期予約)もありますが、今では私のような一般ゲストの割合が多いとのことです。
リピーターの皆様は、実業家や経営者の方、スポーツ選手など、各界で成功された方々も多いらしく、全体的に大人な雰囲気ですが、中には母娘旅のかたや、ビジネスパーソンらしき方々も散見されます。温泉でベテランのリピーターさんたちから滞在のティップスを教えてもらうことも多いです。そして、ゴッドハンドによる鍼灸や整体、館長先生の奥様が施術してくれるエステも素晴らしいので、疲れを貯め込んだ都会人やビジネスパーソンにもお勧めしたい、癒しの場所です。
ヒポクラティック・サナトリウム
〒413-0231 静岡県伊東市富戸1317-4911
TEL 0557-44-0161
https://www.h-sanatorium.com
〇記事中の情報は2022年11月現在のものです。最新情報は施設の公式サイトでご確認ください。
〇初回利用の際にこちらの施設のオーナー医師の先生による診察があり、断食の可否などの判断がされますので、お食事内容は人により異なる可能性があります。
〇浴室は特別な許可を受けて時間外に撮影しています。通常はカメラ付き携帯の持ち込みや撮影は禁止ですのでご留意ください。