【夏休み書籍ウィーク】ダークツーリズム拡張 ─ 近代の再構築
期間:指定なし
[リスヴェル編集部]2018年08月 8日公開

エリア:指定なし / ジャンル:旅行準備 , 名所旧跡・観光施設 , 

日本のダークツーリズム研究の第一人者が新たな視座と可能性を提示する『ダークツーリズム拡張 ─ 近代の再構築』(美術出版社)を刊行した。

本書では、悲しみの記憶を抱えた場所を巡るダークツーリズムの海外のスポットを中心に紹介。多様な社会背景や環境に根付いたこれらを巡ることが、他の学問や社会と接続しながら、より多面的な解釈を可能にすることを提示している。思想誌『ゲンロン』で連載された「ダークツーリズム入門」を中心に、世界遺産に登録された長崎(長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産)を含む新たな書き下ろしを掲載した充実の一冊。

また、表紙には、東日本大震災をきっかけに陸前高田で制作活動を続け、「ヨコハマトリエンナーレ2017」に出品するなど、日本を代表する作家のひとり瀬尾夏美の新作《一時的な草はら(東京都足立区)》と《あたらしいまち(岩手県陸前高田市)》を掲載し、ダークツーリズムが内包する複層性を表現している。

[目次]
序 章 ダークツーリズムを「拡張」する前に
第1章 マレー半島で考える戦後七〇年
第2章 ロシア、近くて遠い国のダークツーリズム
第3章 シベリアの記憶を歩く
第4章 戦争とテロを巡るフランスの旅
拡張試論 我々は《レディ・ジェーン・グレイの処刑》といかに対峙すべきか
コラム 美術とダークツーリズム
第5章 ロサンゼルス・ディアスポラ・ツーリズムガイド
コラム 食とダークツーリズム
第6章 オーストラリア・コンビクト・ツーリズムガイド
第7章 満州というプリズム
第8章 ダークツーリズムで観る長崎
終 章 「拡張」されるダークツーリズム

[著者情報]
観光学者。金沢大学国際基幹教育院准教授。近畿大学助教授、首都大学東京准教授、追手門学院大学教授などを経て現職。1968年長野県生まれ。京都大学経済学部卒、同大学院法学研究科修士課程修了、同大学院情報学研究科博士後期課程指導認定退学。博士(情報学)。社会情報学とダークツーリズムの手法を用いて、東日本大震災後の観光の現状と復興に関する研究を行う。共著に「観光とまちづくり―地域を活かす新しい視点」(古今書院)他。

ダークツーリズム拡張 ─ 近代の再構築
著 者:井出明
発 売:2018年7月30日
定 価:2700円(税込)
発 行:美術出版社
公式サイト:http://www.bijutsu.press


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