旅の扉

  • 【連載コラム】「“鉄分”サプリの旅」
  • 2023年11月2日更新
共同通信社ワシントン支局次長・鉄旅オブザイヤー審査員:大塚圭一郎

福岡・大分県、北陸3県、京都市への皆さんの鉄道旅行プランを募集 鉄旅オブザイヤー、本コラム筆者も審査員

△JR九州の博多(福岡市)と由布院・別府(ともに大分県)を結ぶ特急「ゆふいんの森」(筆者撮影)zoom
△JR九州の博多(福岡市)と由布院・別府(ともに大分県)を結ぶ特急「ゆふいんの森」(筆者撮影)

 旅行業界でつくる「鉄旅(てつたび)オブザイヤー実行委員会」は11月1日、日本一の鉄道旅行を選ぶ賞「鉄旅オブザイヤー」の2022年度の募集を始めた。一般個人や団体から鉄道を利用した「夢の旅行プラン」を募る一般部門の締め切りは12月22日金曜日となり、最高賞「ベストアマチュア賞」を1点選ぶ。旅行会社部門も同じ期間に募集し、審査員は本コラム「“鉄分”サプリの旅」執筆者の大塚圭一郎・共同通信社ワシントン支局次長を含めた10人が務める。

△大分県別府市の「別府タワー」(筆者撮影)zoom
△大分県別府市の「別府タワー」(筆者撮影)

 ▽“鉄道旅行のオールスター戦”の趣
 鉄旅オブザイヤーは東日本大震災からの復興と、鉄道を活用した旅行需要喚起を目指して2011年度に始まり、23年度で13回目。
 後援にはJR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州のJR旅客6社全てと、大手私鉄などが加盟する日本民営鉄道協会、旅行業界団体の日本観光振興協会、日本旅行業協会、全国旅行業協会が入っている。鉄道と旅行業界の主要企業・団体が名を連ねており、“鉄道旅行のオールスター戦”の趣となっている。

△JR九州の熊本―別府間を走る特急「あそぼーい!」(筆者撮影)zoom
△JR九州の熊本―別府間を走る特急「あそぼーい!」(筆者撮影)

 ▽2024年度のDC開催地が対象
 募集するのは、JR旅客6社と地元自治体が開催する大型観光企画「デスティネーションキャンペーン」(DC)が2024年度に開催される地域への「こんな鉄道旅行があったらいい」と思うプラン。
 24年4~6月に開かれる福岡県と大分県か、10~12月の北陸(富山、石川、福井の3県)、25年1~3月の京都市のいずれかへの企画が対象となる。DC開催期間以外のプランを提案するのも可能で、1泊2日以上の日程を提案する場合は宿泊地域も記入する。
 応募できるのは未発表作品に限られる。詳しくは公式ホームページ(「鉄旅オブザイヤー」)の(「一般部門第13回応募要項」)で見られる。特製の用紙をダウンロードし、メールで応募する。

△福岡市の筥崎宮(はこざきぐう、筆者撮影)zoom
△福岡市の筥崎宮(はこざきぐう、筆者撮影)

 ▽最終審査員は熱心な鉄道ファンの3人
 一般部門の「最終審査員」は、いずれも熱心な鉄道ファンとして有名なフリーアナウンサーの久野知美さん、ホリプロの南田裕介マネージャー、お笑い芸人「ダーリンハニー」の吉川正洋さんの3人が務める。
 ベストアマチュア賞に輝くと、24年4月17日水曜日に鉄道博物館(さいたま市)で開催予定の授賞式で表彰状と賞金5万円、JR協賛による記念品が贈られる予定だ。

△九州を周遊するJR九州の観光列車「36ぷらす3」(筆者撮影)zoom
△九州を周遊するJR九州の観光列車「36ぷらす3」(筆者撮影)

 ▽部門賞からグランプリ選出
 併せて旅行会社が2023年1~12月に催行済みまたは実施予定の日本国内を目的地とする企画旅行を対象とした旅行会社部門も募る。
 4つの部門賞として団体旅行を対象とした「エスコート部門賞」、個人旅行の「パーソナル部門賞」、DC開催地へのツアーを対象にした「DC部門賞」、鉄道愛好家向けの「鉄っちゃん部門賞」を選出。それらの中から最高賞の「グランプリ」を授賞式当日の投票で選ぶ。

△2018年10月に東京・日比谷公園で開かれた「鉄道フェスティバル」の「鉄旅オブザイヤー」のブース前に立つ大塚圭一郎zoom
△2018年10月に東京・日比谷公園で開かれた「鉄道フェスティバル」の「鉄旅オブザイヤー」のブース前に立つ大塚圭一郎

 ▽2022年度は「修学旅行リベンジ」
 2022年度は旅行会社部門で86商品の応募があり、グランプリに輝いたのは鉄道開業150年を記念してJRで日本列島を14日間かけて周遊した参加費150万円以上の日本旅行のツアー。
 一般部門は53件の応募があり、ベストアマチュア賞は新型コロナウイルス流行で修学旅行が中止になったリベンジとして京都を訪れて鉄道で観光しながら歴史を学ぶ企画「修学旅行リベンジ 鉄道で密を避けながら京都の歴史をたどる旅」(東京都立大学まちのお話し会プロジェクト部 鈴木倖陽さん)が選ばれた。
 (連載コラム「“鉄分”サプリの旅」の次の旅をどうぞお楽しみに!)

共同通信社ワシントン支局次長・鉄旅オブザイヤー審査員:大塚圭一郎
1973年4月東京都杉並区生まれ。国立東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒。1997年4月社団法人(現一般社団法人)共同通信社に記者職で入社。松山支局、大阪支社経済部、本社(東京)の編集局経済部、3年余りのニューヨーク特派員、経済部次長などを経て、2020年12月から現職。アメリカを中心とする国際経済ニュースのほか、運輸・観光分野などを取材、執筆している。

 日本一の鉄道旅行を選ぶ賞「鉄旅オブザイヤー」(http://www.tetsutabi-award.net/)の審査員を2013年度から務めている。東海道・山陽新幹線の100系と300系の引退、500系の東海道区間からの営業運転終了、JR東日本の中央線特急「富士回遊」運行開始とE351系退役、横須賀・総武線快速のE235系導入、JR九州のYC1系営業運転開始、九州新幹線長崎ルートのN700Sと列車名「かもめ」の採用、しなの鉄道(長野県)の初の新型車両導入など最初に報じた記事も多い。

共同通信と全国の新聞でつくるニュースサイト「47NEWS」などに掲載の鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」(https://www.47news.jp/culture/leisure/tetsudou)の執筆陣。連載に本コラム「“鉄分”サプリの旅」(https://www.risvel.com/column_list.php?cnid=22)のほか、47NEWSの「鉄道なにコレ!?」がある。

共著書に『平成をあるく』(柘植書房新社)、『働く!「これで生きる」50人』(共同通信社)など。カナダ・VIA鉄道の愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。FMラジオ局「NACK5」(埼玉県)やSBC信越放送(長野県)、クロスエフエム(福岡県)などのラジオ番組に多く出演してきた。東京外大の同窓会、一般社団法人東京外語会(https://www.gaigokai.or.jp/)の元理事。
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