南米からニューヨークに移り住んだ不法滞在の母と双子の兄弟が、大都会で恋をして成長し、はじめて自分として生きる意味を見出していく物語『ニューヨーク・オールド・アパートメント』が2024年1月12日(金)より新宿シネマカリテほか全国で順次公開される。

〈STORY〉
幸せを掴むために祖国ペルーを捨て、ニューヨークの片隅で不法に暮らすデュラン一家。母ラファエラはウェイトレスをしながら二人の息子を女手一つで育て、二人の息子のポールとティトも配達員をしながら家計を支えている。しかし不法滞在者である彼らにとって現実はあまりにも厳しく、お金の問題に加え、もし見つかれば国外追放されてしまうという恐怖が常に付きまとう。昼は語学学校に通い、夜はフード配達の仕事をするポールとティトは、市民権もなく何の力も持っていない自分たちのことを「透明人間」と呼び、息をひそめて生きていた。
自分たちが大人になることで全ての悩みを解決できると信じている二人は、早く童貞を捨てて一人前の大人になる日を夢見ていた。そんな中、破天荒で神秘的な魅力を放つクロアチア出身の美女クリスティンと語学学校で知り合い、一目で恋に落ちる。しかしクリスティンは、投獄中の恋人の保釈金を稼ぐため、夜はコールガールという一面を持っており、自分の中にいる悪魔と戦いながら、愛のためにすべてを犠牲にしていた。純粋なポールとティトはそんなことは知らず、初めての女性の友達に淡い恋心を抱き、3人は一緒の時間を過ごすようになっていく。
一方、母ラファエラは、ウェイトレスの生活に疲れ果てた時、客の自称小説家の男性に声をかけられる。恋なんて葬り去ったラファエラだが、優しく愛を囁きながら安定と未来を約束するという男の口車にまんまとハマり、自分たちのアパートを提供して男と一緒にメキシコ料理のデリバリーサービスを自宅アパートで開業する。
夏の暑さがニューヨークの街角に届く頃、それぞれが恋に落ち、毎日に希望を見出したかのように思えたのだが、無残にも希望の光は一瞬にして絶望という暗闇にかき消されてしまう。NY という大都会で出会う人々の欲望と心の闇が次々と露になり、３人もトラブルに巻き込まれ、やがて母と子は離れ離れに。自分の仕事のトラブルも抱えながら、息子たちの足跡を辿って必死に息子たちを探すラファエラ。そして、寝る場所も食べ物もままならないポールとティト。果たして母子３人は再会することができるのだろうか。

『ニューヨーク・オールド・アパートメント』　2020年　スイス　97分
原　題：THE SAINT OF The impossible
原　作：アーノン・グランバーグ著「De heilige Antonio」
公開日：2024年1月12日(金)より新宿シネマカリテほか全国で順次公開
監　督：マーク・ウィルキンス
配　給：百道浜ピクチャーズ
公式サイト：https://www.m-pictures.net/noa/
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