旅の扉

  • 【連載コラム】空旅のススメ
  • 2018年3月11日更新
あびあんうぃんぐ
航空ライター:Koji Kitajima

天草エアライン「乗るだけ運賃」をきっかけに天草を満喫

天草を代表するホテルのひとつ「ホテルアレグリアガーデンズ天草」zoom
天草を代表するホテルのひとつ「ホテルアレグリアガーデンズ天草」

天草観光へ
天草エアラインの虎の子機材ATR42-600機が就航二周年になるのを記念して発売となった「乗るだけ運賃」。
何れのフライトも天草が発着地です。初めての天草観光をしてみました。

情報収集は、一般社団法人「天草宝島観光協会」のホームページの利用が便利。
遊ぶ、見る、買う、食べる、泊まるに加えて温泉やサンタの情報もあって楽しく旅の計画を立てることができます。

イルカウォッチング
まずはイルカウォッチングへ。およそ1時間のクルーズは、天草で一番人気のイベントと言われ、天気のいい日におススメです。

10人も乗れば満員の小型船に乗込みます。ホームページでは、出発15分でイルカが見えることを謳います。それどころか、沖に出ること5分で最初のイルカの群れに遭遇です。船長の長年の勘と、他船の動きで出没地が解るとのこと。参加する前の、イルカは遠くにチラッと見える程度だろうとの想像を大きく裏切り、かなりの至近距離で船と並走して泳ぐイルカを見ることができました。船はポイントを変えつつ、時には全速力でイルカの群れを目指します。その後も10分に一度くらいの割合でイルカの群れに遭遇するなど、この日は最初から最後までイルカ三昧。船長さんによっては、イルカウォッチングのウンチクを披露してくれて楽しめます。天草の沖合には野生のイルカが200頭も暮らしているそうで、遭遇率は95%。空港からの移動も近く、天草中央地区で楽しめます。

イルカが目の前にzoom
イルカが目の前に

世界遺産登録を目指す﨑津地区

天草西地区へ移動し、世界文化遺産登録を目指す「﨑津集落」とそのランドマークの﨑津教会を目指します。

言葉に言い表せない安らぎの里を、時間を掛けて散策する楽しみがあります。
キリスト教が迫害された時に、潜伏キリシタンとして生活した人々の軒先には宗派が判らないように、年中しめ縄を玄関に飾ったという言い伝え通り、今でも飾りは残ります。

当時の生活をしのびながら視線を山へ向けると、十字架を載せた墓があるなど発見が。ゴシック様式の教会に入って畳のある様子を見ると、和洋混在にした当時の世相を見るようで歴史の重みを肌で感じます。昭和9年の建立で84年の月日が経過しています。

十字架のレンガ壁の向こうに教会がzoom
十字架のレンガ壁の向こうに教会が

海月で寿司のランチ
海に囲まれた天草は、新鮮な海鮮を食べることのできる場所。人気の寿司屋さんがひしめきます。教会近くの海月(くらげ)」に入ってみました。
2千円(税別)のおまかせ握りは9カン。釣ったばかりというカマスや、真鯛、黒ムツなどを塩や特製ダレ、おろしで頂きます。あおさの味噌汁を頼めば、磯の香りが口いっぱいに。カウンターからは海の緑が映えて、味と共にネタの美しさと景色で目も楽しませてくれます。
飛行機に乗りに来たと言うと、店主は「天草エアライン」を使った福岡での出張寿司の計画を明かしてくれました。話は弾み、「空飛ぶ天草寿司」なんて名前を付けてみました。

また行きたい「海月」zoom
また行きたい「海月」

夕陽が見える場所
天草西海岸地域は東シナ海に沈む美しい夕陽が見られることでも知られています。天草夕陽八景の中のひとつ、十三仏公園へ。切り立った崖が風を巻き上げます。海も風を受けて白く光ります。眼下には「象さん岩」があり、周囲の景観を優しく包んでくれているよう。

心を癒す岩の力zoom
心を癒す岩の力

ホテルアレグリアガーデンズ天草で温泉宿泊
観光翌日の「乗るだけ運賃」搭乗に備えて泊ったのは「ホテルアレグリアガーデンズ天草」海に面した丘の上に佇みます。チャペルや温泉も併設され、観光客に日帰り温泉として人気の施設「ペルラの湯舟」があり、宿泊客は無料で利用できるようになっています。露天風呂「海の湯」から見える天草の海の大パノラマに圧倒されながら、天草での一日を思い起こしていました。

ホテルの宣伝素材を見付けた
ロビーを抜けると、雲仙普賢岳の見える、テラスがあります。5階建てのホテルは多くが海側を向き、島原湾の静かな波を見守ることができます。チャペル前の芝の上に一脚のベンチがあります。海へ向かって座っていると、風が心を落ち着かせてくます。朝、早くに起きてこの場所に立つと、日の出が拝めます。
天草に夕陽スポットはあるものの、朝焼けのオススメ場所の案内はありません。
まさに、ここが日の出絶景ポイントと一人納得でした。

ここに座りにだけ行きたくなりますねzoom
ここに座りにだけ行きたくなりますね

天草の観光は、目立った大型の観光施設がある訳ではありません。訪日外国人もほとんど訪れていない未開拓の場所。美しい海や夕陽、﨑津集落の静かな街並み、天草灘に突き出るマリア像などを見ていると気持ちが安らぎ、普段忘れていた感性が呼び起こされる気がしました。

協力:一般社団法人「天草宝島観光協会」
⇒ http://www.t-island.jp/

航空ライター:Koji Kitajima
大阪府出身。幼少期より空への憧憬の念を持ったまま大人になった、今や中年の航空少年。
本業のかたわら情報を発信しています。週末は航空ライター兼ブロガーとして活動中。
旅のモットーは、「航空旅行を楽しまないと旅の魅力は半減です。旅の楽しみは空港から始まる」です。

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